第44話 校内新聞?
「ねえ、雀君。何かしらこれ」
放課後、今日は勉強をする為に図書室に向かっていた。毎日、図書室に行くので、多分、教室の次ぐらいにいると思う。だから、ここら辺の掲示物にも詳しくなった。
「校内新聞ですね。知らないんですか?」
生徒会が発行している新聞だ。僕も対して読んだ事は無いがここら辺に掲示してある。
「ええ、今日、初めて知ったわ。」
こんな事を言う人が珍しく無い代物である。まあ、知っている人の方が少ないだろう。僕も、人から聞いて最近知った。鈴華さんを煽って見たが、知らなくて普通だ。
「それが、どうしたんですか?」
「私たちが載ってるわ。」
鈴華さんは、無表情でそう言った。
「ふぇ」
予想外だった。変な声が出てしまった。何で、僕たちが校内新聞に載ってるわけ?
「変な鳥みたいね。雀くん」
鈴華さんは、笑っていた。
「そんな事は、どうでも良いんですよ。マジでですか?」
「おお、マジよ。嘘なんて付かないわ。この前の体育祭のやつみたいだわ。」
鈴華さんはそう言って小さく笑った。
「……早くね。」
「何が?雀くん。」
「だって、月曜日が振替休日で休みで、今日火曜日で。放課後始まったのは、さっき。これ、いつ作ったんだってなりませんか?」
そんな本気で新聞作ってるのか。生徒会。
「普通に、休みの日じゃない?雀君。」
鈴華さんは、やれやれと言いたげな感じのポーズを取っていた。
「分かるけど、わざわざ、休日するとか仕事熱心だなって」
「仕事熱心は、褒めるべきじゃないわ。よく見なさいよ」
鈴華さんは、僕の手を引き新聞の前まで連れ戻した。それから新聞の僕らの記事を指差した。
『体育祭でルールを無視するバカップル』そんな見出しが踊っていた。うん?えっ、これ校内新聞でしょ。
「体育祭でルールを無視するバカップル……待ってこれ。校内新聞じゃない。」
「何を言ってるの?君が校内新聞って言ったんでしょ。」
鈴華さんは、無表情で小突いて来た。
「そうですけど。よく見たら、偽物です。生徒会が校内新聞を発行してるですけど。これは、違いますね。」
生徒会の文字が見当たらないのだ。それに生徒会の仕事がこんなに早い訳がない。
「なるほど、つまり私たちへの嫌がらせってこと?雀くん」
「いや、でもそれにしては、他の記事も全方位に喧嘩売っているというか。」
他の記事も何か凄い、新聞と言うよりか週刊誌ってイメージが正しい気がする。
「つまり、愉快犯ってことね。よし犯人を探しましょう。」
ええ、犯人探しとか嫌なんだけど。
「ええ、先生に言えば終わりですよ。鈴華さん」
「ダメよ。私たち探偵でしょ。」
違うよ。
「いつからですか?それに、手紙の人すら見つかってないですよね。」
探偵失格だろ。
「黙りなさい。ワトソン君」
無表情の理不尽シャーロックホームズがいた。
「ええ、本当に犯人探すんですか?テスト勉強は?」
「大丈夫よ。暗記重視の科目なら、探しながら出来るわ。」
「ええ、」
意思は固そうだった。
「他の科目は休みの日に勉強するので良いわよね。」
「決定ですか?」
「決定よ。」
まあ、別に良いけどさ。確かに、この記事書いた人には、一言言ってやりたい。
「それで、何処に行きますか?鈴華さん」
手掛かりなどゼロだ。
「とりあえず、図書室に行きますよ。雀君」
どうやら特に何も考えてないらしい。
無表情クールに見える鈴華さんは、意外とこう言うのが好きらしい。
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