第30話 参加種目

今日の1限目は、授業では、無くて席替えと体育祭の参加競技を決める時間だった。今は、席替えが終わり、今は、参加種目を決める時間に移行していた。席替えと異なりワイワイガヤガヤしながら参加種目を決めていた。僕はというと席で座っていた。


「雀君。ラッキーね。」

隣の席には鈴華さんがいた。今までは、まあまあ遠くの席だったが、席替えで隣になった。まあ、休み時間の移動が少し楽になる。でも、ラッキーかどうかわ微妙だった。


「いや、微妙では?」


「何?私の隣が不服なの?」

鈴華さんは、ワザとらしくこちらを睨みながらそう言っていた。


「いや、だって、前ですよ。嫌ですよ。」

最前列だった。シンプルに嫌でしょ。最前列。


「真面目に授業を受けるなら関係ないわ。雀くん」


「……正論は要らないんですよ。それより、体育祭どうするんですか?なんか参加しないとですよ。」


「正論は要らないのよ。雀君。君はどうるすわけ?」


「別に何でも良いけどな。いや、まあ。余ったので適当に」

まあ、体育祭は面倒だし嫌いだけど。運動は普通だし。ビリにならない程度に頑張れば良いだけだ。


「何でそんな余裕なの?雀くん。可笑しいわ。」

鈴華さんは、ムスッとした表情でこっちを見た。目の表情は動いていなかった。


「いや、運動普通ですから。別に得意ではないですけど。」


「裏切者。運動音痴同盟を裏切ったな。」


「ええ、」

裏切るも何もそんな謎の組織に所属していた事実はない。


「しばらく、拗ねて、無視するわ。」

彼女は、無表情でそう言うと反対を向いた。


「…宣言してそんなことしないで下さい。」

まあ、そんな怒ってないことは分かった。


「ねえ、天野くん。二人三脚で良いですかね?」

そんな所で、そう委員長に言われたので


「良いですよ。記録には期待しないでください。」

そう適当に返した。


「……ねえ、二人三脚って男女なの?雀君」

鈴華さんの無視は終わったらしい。


「無視するんじゃ無いの?知らないですよ、そんなの。」


「役立たずね。ちょっと、そこに座ってなさい。」


鈴華さんは、そう言うと立ち上がり、前で話している方に向かっていった。

しばらくして帰ってきた彼女は、こっちを見て

「私も二人三脚にしたわペアね。」

無表情でそう言った。


「……ええ、マジですか?」


「嫌なの?」


「バカップルみたいじゃないですか。」

恥ずかしくね。


「いいじゃない。手紙のあれにも使えるわ」

まあ、確かに手紙の犯人が何かしてくるかも知れないしな。でも、恥ずかしいし。それにな、鈴華さんと二人三脚だと。


「嫌ですよ。それに、シンプルに運動できない、身長差ある人と二人三脚ってきついじゃないですか。」

絶対にビリになる気がする。シンプルに二人三脚やりにくそう。それに目立つ、カップルで二人三脚でてビリとか目立つ。それはヤバい、恥ずかしい。


「うるさいわ。決定よ。」


「ええ、絶対にビリになりますよ。めっちゃ目立ちますって」


「仕方ないわね。体育祭まで毎日牛乳飲むわ。それで背の差を縮める。」

そう言って、無表情で鈴華さんはこっちを見た。


「……間に合いませんよ。ビリでも僕は悪くないですからね。」

まあ、ビリでもしょうがないか。目立ってもしょうがないか。


「良いわよ。許して遣わすわ。それにいい思い出になるでしょ。」

鈴華さんは、ご機嫌に笑っていた。まあ、確かにそうか。


「とりあえず、コッソリ練習でもしますか?」

まあ、練習すれば良いだけだ。身長差あるのはやりずらい気がするけど、頑張ればビリぐらい出来るでしょ。


「なら図書委員が無い日は、放課後、公園に行きましょう。良い?雀くん」


「良いですよ。」


「それと、次に背の話をしたら、飛び蹴りよ。」

鈴華さんは笑っていた。


「怖っ」

気を付けようと思った。まあ、席が隣なのも、体育祭、同じ種目に出るのも悪くないと思った。


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