第20話 最悪2
「話し合うも何もお前が」
成志さんは、なんかめっちゃキレてるし、何のこいつ。
「マジで、会話出来ないですね。もう少し落ち着いてくださいよ。感情的になって理性が消えてますよ」
「はぁああああああ。」
ああ、無理だは会話とか、無理なのね。でも、少しは頑張ってみるか。
「そもそも、僕が二股出来ると思ってるんですか?」
とりあえず、事実を言ってみた。
『……確かに』
『まあ、そういうタイプじゃないよね』
『春野さんと付き合ってるのも驚きだからな。』
クラスメイトの反応的にこれはいけるだろう。
「でも、火がないところに煙は立たないだろうが。」
ああ、無理だ。こいつ自分が都合の良い事しか聞かないし、全部都合よく解釈してるんだ。
「はぁあ、それじゃあ、聞きますけどその噂って誰から聞きましたか?」
「それは、みんな言ってるだろ。」
うわー、マジでこいつ。
「みんなって、そんな噂に信用性あるんですかね?それに証拠もないのに良く人を殴れましたね。まず、そもそも何で?あなたがそんなに怒るんですか?」
早口でそう成志さんに尋ねた。
「はぁ、言い訳ばかり並べやがって。」
「嫌だって、可笑しいですよね。いや、まだ声をあげてどうなんだって追及されるなら、分かりますけどね。春野さんと接点が対してない貴方が、いきなりキレて殴りかかるのはおかしいですよね。」
痛いところをつけば良いのだ。プライド高そうだし、多分フラれた事は、殆どの人に言って無いだろう。
「それは……クラスメイトだし、接点はある。友人だ。」
「友人?本気で言ってるんですか?」
本気でそう思っているのだろうか?いや僕も空気読めない方かも知れないが……成志さん怖すぎでしょ。明らかに嫌われてますよ。いや、まあ友人なら読書好きなの把握しておくはずだろ。
「ああ?俺らはたくさん話している、これが友人じゃなければ何なんだ。」
「はは、知ってますか?会話って一方的に押し付けるものじゃないんですよ。」
「はぁ?黙れよ。殆ど友人がいないお前に友人の何が分かる。」
ああ、人に言われるのは違う。シンプルに腹が立つ。なんだろう、本当に。
「確かに、君は明るくて活発で、クラスの中心でいろいろ今してますけど。でも、そういうのが苦手な人もいるんですよ。それにですね。貴方が正しいとして思った行動がただの迷惑になることだってあるんです。」
もうシンプルに春野さん抜きでもムカつき始めた。
「そんなのクラスの中心に行けないお前の嫉妬だろ。それに俺は、ただ春野のことを思っているだけだ。友人だ。」
「うん、いやそう思うならそうでも良いですけど。怠いな、マジで。でも、聞きますけど?貴方が見ているのは?鈴華さんですか?それとも、自分ですか?」
この人は他人の事を見ていないのだろう。自分の都合の良いように全てを捉えているのだろう。
「何を言ってるんだ。俺は、間違っていない。二股しているお前が悪い。そもそもお前が、何故春野と付き合えるのが可笑しい。何か弱味でも握ってるのか?脅しているのか?」
何この人。本当に何?ああ、本当にムカつく。どっちかと言うと弱味を握られてるのは僕だしね。まあ、僕が自分で巻き込まれたからそれは良いんだけどさ。いや、春野さんのことを知ってたら分かるでしょ。弱味を握られるタイプじゃないってことを。
「黙れ、拡大的被害妄想野郎」
口が勝手に動いた。
「お前……」
もうさ、無理だよ。そろそろ取っ組み合いの殴り合いになりそう。
うん、いやさ。だってさね。
早く春野さん来ないかな?うん。
「まあ、あれですよ。何を言っても君は鈴華から選ばれないで、僕は選ばれたそれだけですよ。揚げ足を取りたいだけだったら、ただの迷惑な奴ですよ。」
もう、煽りと文句止まらないしね。ああ、マジで。何なのこいつ。
早く春野さんが来ないとバトル漫画が始まりそうだった。
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