第11話 持つべきものは幼馴染と友人?
「第一回、雀の服を選ぼう選手権を開催します。」
僕は後悔していた。土曜日、うちに二人の来訪者がやって来ていた。
それで、良く分からない大会が開催されそうになっていた。まあ出場者二人だけど。
無駄に元気に大会の宣言をしたのは、僕の幼馴染の鈴木 茉奈だった。顔だけ美人の変なやつである。
「……君の彼女どうにかして」
とりあえず、来訪者その2の彼女の彼氏で僕の友人の山田 雄介に助けを求めた。
「無理無理、ノリノリじゃん。俺にどうしろと。それに俺も乗り気だ。」
ダメだった。こいつも見た目だけか。
「……はぁあ、別に適当に」
「適当じゃダメに決まってるでしょ。雀。」
めっちゃ幼馴染にキレられた。
「まあ、いや真剣に選んでくれるのは結構だけどさ、普通に電話で聞いたじゃん。わざわざ二人で訪ねて来なくても。」
僕は、服について、まず、友人の雄介に聞いた。そしたら、それを聞くつけて二人がやってきた。
「そもそも、何で、幼馴染の私じゃなくて、雄介に先に相談するわけ?絶対に私のほうがファッションセンスあるからね。」
幼馴染はキレていた。めんどくさい。何だよ、謎プライド。別にどっちでも良いんだけど。
それに、僕ではなくて雄介が答えた。
「……信頼度だろ。俺の方が信頼されてるんだよ。」
こっちもめんどくさい。
「何で?私は、幼馴染だよ。何故、私の信頼度が負けてるわけ。」
「日頃の行いだろ。俺と茉奈ちゃんの積み重ねの違いだよ」
まあ、これどうせイチャついてるだけなんだろうな。
「俺は、ちゃんと感謝の気持ちを返してるんだよ。」
普段の僕の態度も問題があるが、感謝してはいないだろ。
「何の感謝の気持ちよ。それに私も感謝の気持ちは返しているわ。」
こっちに関しては、幼馴染に関しては絶対に迷惑のほうがかけられている。まあ、でもこれはいつものイチャつきのパターンの前奏だ。
「何の?」
まあ、こう言うノリに付き合う僕も悪いのか。
「ふう。」
「ふう。」
そう言って前の二人は見合って、息を揃えて
「「君との恋のキューピッドになってくれたこと。」」
そう、笑っていた。
「僕を出汁にイチャつかないでください。」
まあ、いつものことだった。
「「……すいません」」
「まあ、服を選んでくれるのはありがとうございます。」
「どうしたの?素直に感謝してキモイよ。雀」
「ついに人の心を取り戻したのか?」
「……黙れ」
「「まあ、いろいろ言うけど。真面目に雀は、恩人ではあるからね」」
よく言うよ。
まあ、それなら最大限に利用しようではないか。
「恩人なら3つ頼んでも良いですか?」
「多いよね。」
「多くね。」
無視無視。
「服装選びと、正しいいちゃつき方と調べて欲しい人がいるんですけど。」
「「じゃあ、イチャつき方は、私(俺)が」」
綺麗に息が合っていた。
「……」
「……」
「……まあ、仲良く頑張って二人ですれば良いと思いますよ。」
「「君が他人に興味を持つとき、その相手は大抵めんどくさいのを知っているんだよ。」」
「そうですか。まあ、今から調べてほしい人言うから、頑張ってね。」
「「待って、君は手伝うよね。」」
「適材適所ですよ。僕は何もしないですよ。頑張ってください」
手伝えないし。手伝いえないのだから、何かをする必要ないし。そんな人脈はない。いや、目の前の二人が最大の人脈か。
「「やっぱり、君に彼女がいるのって噓でしょ。」」
二人の声が揃っていた。
その後、服を選んで貰いながら、出来る出来ないじゃなくて、お願いするなら、手伝って欲しいなら、態度も、姿勢も大事なのだ。って正論で怒られた。
それと、イチャイチャする方法を教えてもらう時間はなかったが。とりあえず家に迎えに行けと怒られた。
なんか、正論ばかり言われると凄いムカついた。
けど、まあ良い友人である。
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