第3話 殲滅(1)
「ねえねえ
「…え?」
…考え過ぎた何を聞かれてたんだっけか。
私は先日のノイさんが訪問してきた事からクラスメイトに話しかけられていたのに気にしず事件のことを考えていた。
「えーと、何だっけ?」
「その、
「あ!それ俺も気になる!」
「私も私も!」
周りのクラスメイト達は私の周りに群がってきた。
仕事…組織の事を話しても良いのだろうか、クラスメイト達はネットを何気なく触っているだろう何か話されては困るものもある。
私はこっそり、ノイさんにスマホで連絡を送る。
『うーん、皆が秘密に出来るとは限らないからネ。嘘をついて誤魔化すしかないヨ。』
『例えば、どんなのですか?』
『実験したりする場所の清掃員って言えば良いんじゃないカナ?』
『何で実験……』
『姐さんが居るから、それに嘘だし何でもいいんだヨ』
ノイさんあの時はバレてしまったネとか言ってたのに結局はバレたらだめなのか…それならあんな堂々と教室に来ない方が良かったのでは?まあいいや。それよりも、こんなので騙されるのか?何も思い付かなかったしひとまずはこれにするしかないけど。
「えーと、知り合いに研究者が居てねその研究者の補佐というかそんな感じだよ」
「へえー!じゃあ、あの女性の人は?」
「女性?ノイさんのこと?」
「うん!」
「あーっと」
どうしよう、何て言おうかな。研究者の補佐の次…タコ……………
「実験体だよ、ほらタコと融合してるでしょ?実験で生まれたから補佐の私のことを知ってるんだ」
「ふーん、そうなのか」
やばい、流石にバレるか?
私は自分が嘘をつくのが苦手だという事を認識しながら焦っていた。
「まあでも、確かにタコだしそうか」
「ね!すごいね」
良かった、感が鋭くなくて良かった。
私は胸をなで下ろした。嘘つくのは苦手なんだからやめてくれ……変な汗かいてくるから、ホント。
私は今日の学校を乗り越え、家に帰り支度して本部に向う事にした。明日は土日か…なら泊まりでも問題ないかな。
「お母さん、今日から本部で泊まるから宜しくね」
「分かった、気をつけてね」
母に伝えて私は電車で本部へと向かった。
「よーし、皆揃ったし明日の作戦を立てるゾ」
「相手が何を使ってくるか分からないから部隊を何個か分けようか」
「なら、そうですわね。二人組になりましょう」
私達は二人組に分けられた…はずだったのだが、何故か私と
他の部隊はジョンさんと兄の
「何で私と
「それは後で分かるから、今は気にしなくてもいいヨ」
「はあ」
ノイさんは時々何考えてるか分からない、意味はあるんだろうけど戦略的のものなのか興味本意でやったのだろうか。
作戦を立てた私達は
各自運転をするのだが、私と
「ほれほれー着いたヨー」
「ありがとう御座います」
「………ありがとう」
私は車を出て自分が隊長の部隊へと行った。
「なあなあ、俺等の部隊の隊長って高校2年生らしいぞ」
「まじ?」
「そんな幼いやつに俺等の命任せたくないよな」
「分かるわー」
高校2年生でCTB組織に入って約2年の子供に命を任せるのは不安があるのだろう。
「皆さん、こんにちは。皆さんの隊長を務めさせていただきます
「うーす」
「よろしくお願いしまーす」
軽い……大丈夫かな、私が務まるのかな。
不安を抱えながらも私は前線をきって隊員を誘導していた。
周りにはロボは居らず気配すら無い、暗く異臭もする。まるで牢屋の様になっていた。
「こちらB隊、安全を確認しました」
『了解、こちらA隊無事潜入出来たようで安心しました』
耳に付けるイヤホン型無線機を使い
『あ、そやそやこちらC隊。D隊からの応答無し安全確認不明でース』
呑気なノイさんの声が聞こえ内容はD隊のジョンさんや兄からの応答がないというものだった。
「何やってんだあのバカ達」
連絡のし忘れか?そんな事…あり得るかあの二人なら。
『こちら、E隊無事潜入しました………』
無線機から冷たい声が聞こえる。それは
「…てあれ?他の隊員達は」
私は一人歩いていると、隊員達が後ろから消えていた。後ろをよく見ると…小さく隊員達が見えた。
何故、あんな遠い所に居るんだ?
「………皆さん、早く歩いて下さい」
「最近の若者は待つことも出来ないのかよ」
「短気な隊長」
笑いながら言う隊員に私は返す言葉が無かった。何を言えば良いのか分からなかった。ただ無言の中で残った感情は苛つき、苦痛それだけだった。
…何も言えない、悔しい………そんな思いを胸に刻みながらゆっくり歩いて行った。
「あんな隊長が俺等の命握ってるとかこえーわ」
「分かるわー」
「あんな娘、コネで入ったんだろうな」
「
「
中高年の男性達が話している中、私は静かにその話を聞いていた。…そんなん言うならついて来なければ良いのに………………
「…そんなに、不満があるなら……一人で行けばいいだろ」
「ん?」
「私に命を託すのが怖いって?何を言うの?私はあんたらの命を握ってないし、あんたらの行動を『指示』するだけであってあんたらの命は自分らで守るものでしょう。それなのに私に託すのが怖いと?ただ自分が怖気付いているだけじゃないの?」
私は静かに聞いていたのが馬鹿らしく思えたのか口が勝手に動き思ったことを全て吐き出していた。
「は?何だよ今更」
「名も無い隊員達が何を言っているのか分からないけど、私はただ思ったことを言っただけだよ。何をそんなムキになっているの?」
私は隊員の顔を見ずに前を向きながら言う。
「あんたらの方が短気じゃないの?少し煽られただけで顔を真っ赤にして若者に負ける気分はどうよ?名も無い部員さん」
「なんだよ!この小娘が!」
「どうせ強くもないくせに」
「…コネだと言っていたけど、私は自力でここまで上ってきたんだ。あんたらはどうだ?努力もしないからその地位にいるんだろうが、そんな状況で私に物申せるだろうか」
「くっ!」
何も言えないかのように悔しそうな顔をして此方を見る隊員達は意気消沈していた。
「お前ら!俺等の任務は殲滅だ、行くぞ脳筋チーム!!」
「「「「「「「「「おおー!」」」」」」」」」
連絡が来ないD隊の
ロボの種類を確認せず気合だけで乗り込んでいったD隊は連絡を忘れてしまいバーサーカーの様にロボを倒していき単独行動をしていたのだった。
「…
「………分かった、早く行くわよ」
「はい!」
「遅い、早くして」
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