第2話 新たな扉


アルヒミア!

お前まで俺を置いてかないでくれ……

"後は頼んだぞ、ディアーヴォロス"

最後までそんな事を言うのかよ…


「なんだ今の…」

アルヒミアにディアーヴォロネジって誰なんだ。


「あっおはよう赤城くん」

「おはよ」

「これからどうするの?」

「とにかくこれを手掛かりにするしかないよな」

「そうだよね…」


俺達の手にはクラスメイトでお揃いにしたミサンガがついていた。

これは昨日のことだった。


「そうじゃ、これお主らに返そう」

そう国王が言って渡されたのはクラスみんなで文化祭の成功を祈って作ったミサンガだった。


次の瞬間。

そのミサンガが突然光出したんだ。


「このミサンガって光ったりしなかったよね…」

「あぁ、光ったりする機能はなかったはずだ」

「しかもこれまるで共鳴し合ってるみたい」

「ほんとだな……」


「やっぱり光ってるよね」

「そうだな」

このミサンガが俺達を導いてくれている。

そんな気がしたんだ。


「私今日正教会ってところに行くみたいだからまたね赤城くん」

「うん、またね吉野」


俺は何すればいいんだか。

冒険者ギルドに行くといいって確か王様が言ってたよな。行ってみるか。


ここが冒険者ギルドか。

なんか俺ほんとに異世界に来ちゃったんだな。


何この目線…俺そんなにおかしいか?

「あの、冒険者登録したいんですけど」

「ではこちらに氏名などをお書きください」

「わかりました」


案外簡単に出来るもんなんだな。

赤城優真って書いたら変だよな。

偽名を書く人もいるって国王も言ってたし。

偽名……偽名か……

赤城……赤…レッド…

レッドでいいか。


「出来ました」

「ではこちら冒険者カードですFランクから頑張ってくださいね!」


まずは簡単な任務からの方がいいよな。

っていうか俺ステータスまだ見てないな。

この薬草任務受けながら見るか。


「君その薬草任務を受けるのかい?」

「えっ?」

「自己紹介をしていなかったね。私の名前はミヤだ平民だから苗字はないよ君は?」

「レッドだ。同じく平民だから苗字はない」

「そうか…実は最近その薬草任務の辺りに魔物が出ているという情報があってね。我々も同行することは可能かな?」

「俺は全然大丈夫です」

「ならよかったよ。パーティーメンバーは入口にいるから来てくれるかい?」


その人がいうに、最近この薬草採取エリアでDランクの魔物を見たという情報があったらしい。

そこで薬草採取の依頼を受けた俺と一緒に行って確かめようということらしい。


Dランクの魔物か……


王様がいうには俺は現段階で勇者としての力は備わっているらしいからAランクくらいの実力はあると言われたが……正直俺自身なにか武道などをやっていた訳では無いためそっち関連には関わりがない。拓海は剣道やってたっけな……


「あっミヤー!遅いよ!」

「すまんなアカネ」

「全然大丈夫だよ!」

「あっそっちの子が今回の薬草の…え?」

「ん?……え?…朱音……?」

「優真……?」

「なんだお前は知り合いだったのか?」


そこには俺のクラスメイトの石川朱音の姿があった。

そして左腕についたミサンガが光り輝いていた。

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