第7話 とある駐車場にて
その日、僕はとあるショッピングモールへ遊びに来ていた。
目玉となるイベント会場には地方局のアナウンサーと人気のお笑い芸人。
吹き抜けとなる二階三階にも、彼らを一目見ようと人が集まり、普段以上に混んでいたと記憶している。
だが……、そんなに人が密集するような場所へ、迷子症の僕が来ていいものなの
だろうか。
否。
もしそこが、馴染みのショッピングモールであれば問題ないが、有名人見たさで来たのなら、早めに帰ることをお勧めする。
なぜなら、暗くなった駐車場で、自分の車を見つけることは難しいからだ。
その日、僕は何気なく車を停めて、店内に入ってしまった。
お目当てだったお笑い芸人や、テレビで観たことのある女子アナが見られ大満足な時を過ごし、おまけの買い物も済ませ、いざ帰宅。となったとき、事件は起きた。
僕の車が見つからない。
微かな記憶を頼りに、あっちを探し、こっちを探し、彷徨うこと二十分。
でも、見付からない。
まさか、盗まれた?
そんな疑惑も過るが、ありふれた安車を盗んだところで意味はないだろう。
だから、そんな馬鹿な考えを振り払い、再び捜索を開始。
わかると思うが、大型ショッピングモールともなれば、駐車場も巨大だ。
おまけに今日はイベントもあり、大混雑であった。
そんな中、薄暗くなった駐車場をあっちこっちとフラフラしている者がいたら、周りはどう思うだろうか?
間違いなく、不審者だ。
当然のように警備員の方に声を掛けられ、事情を説明。
結局、手伝ってもらい、僕は無事に車を発見できた。
某ショッピングモールの警備員の方。
あの時の親切な対応、感謝いたします。
余談ですが、僕の車は探していた区画と別の駐車場にありました。
警備員さんにどっち方面から来たのか聞かれたので、薬局を通り過ぎてと答えたら。
「じゃあここじゃないね」
だそうです。
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