第7話 新婚生活、的な?

☆遠野伸晃サイド☆


キスされたのだが.....。

しかも元カノの妹に、である。

俺は困惑に困惑しながら汗をダラダラかく。

目の前の月は掃除をしている。

鼻歌混じりで、だ。


「.....やっぱり俺もてつ.....」

「いやいや。伸晃さんは座っていて下さい」

「うーん.....」


俺は困惑しながら月を見る。

月はそんな俺の様子に笑顔になりながら、大丈夫です、と言いながら俺の肩を掴んで腰かけさせる。

そして、私は伸晃さんと一緒に居られる。その事だけでもう幸せですから、とニコニコしながら向いてくる。


「.....伸晃さんは動きすぎですね。私に任せて座ってなさい」

「いやしかし.....客人にこういう事をさせるのは.....」

「私は客人とは思ってないです。新婚生活と思っています」

「.....冗談でもやめて.....」


赤面しながら月を見る。

すると月は笑顔になりながら、良いですから、と掃除機をかける。

そしてピカピカになっていく。

俺は驚愕しながらその姿を眺めていた。


「.....しかし凄いね。本当に」

「まあ私はこういうのが得意ですから。伸晃さんと一緒に暮らす為に練習していました」

「練習って.....そんな望みなかったのに」

「確かにですね。お姉ちゃんと付き合っていましたしね」

「.....そうだよ。なのに.....」

「でも私は練習しないとねって思いました。家族も分断していますし。一人暮らしの練習にもなります」

「.....」


ああ。空ちゃんか.....。

そう思いながら思い出しつつ月を見る。

月はそんな俺の姿に、そんな顔しないで下さい、と言ってくる。

俺は、!、と思いながら月を見る。

月は俺を見ながら悲しげな顔をする。

伸晃さんが悲しいと私も悲しいですから、と掃除機を止める。


「.....そうだな。ごめん」

「明るく行きましょう。この先も」

「.....次女だったんだよな?空ちゃんは」

「そうですね。私達の次女です」

「そうか」


俺はそう言われて納得しながら考える。

するといきなり月に抱き締められた。

それから見下ろされる。

俺は、?、を浮かべて月を見る。

月はその顔に、大丈夫です、と笑顔になる。


「.....?.....何が.....」

「私は泣かないって決めています。もう家族が戻らなくても。でもお姉ちゃんは論外ですけど」

「ははは。確かにな」

「.....幾らお姉ちゃんが.....空が居ないからって浮気をして良い訳がないです」

「そうだね」


そして俺は月の顔を見る。

すると月は頬にキスをしてきた。

おい!?!?!、と思いながら反応すると。

えへへ。伸晃さん大好き、とハグをしてくる。


「.....お前な.....俺達は恋人じゃないぞ」

「恋人じゃないからキスをしてはならないって法律あるんですか?」

「無いけど.....」

「じゃあキスぐらい良いですよね」

「.....」


真っ赤になる俺。

それから俺の膝に乗っかってくる月。

な、何をしている!

思いながら俺は大慌てになる。


「.....あ。今.....」

「言わなくて良いから。ビックリして反応しただけ!!!!!」

「ふーん?挿れたいんですか?えっちー」

「.....あのね.....」


俺は苦笑いで反応する。

すると月は、まあ冗談です。でもいつかはお世話になりますよね、とニコッとする。

いやいや変態.....かな。

顔を引き攣らせながら反応する俺。

月は、えへへ、と言いながら俺を抱き締めてから立ち上がる。

仕事しますね、と言いながら。


「.....仕事って.....やっぱり手伝おうか?」

「だーめ。ダーリンは座っていて下さい」

「うーん。しかしウズウズするし」

「そうかー。じゃあ洗濯物を畳んでくれても?」

「任せて」

「.....頼りになります」


そして俺は直ぐに洗濯物を畳み始める。

すると月が俺の頭を撫でてくる。

えらいおー、という感じで。

俺は子供か!!!!!


「あのね。俺は子供じゃないぞ」

「そうかなぁ?アハハ。可愛いです」

「.....全くね」


そうしているとスマホにメッセージが入った。

そこには、ノブの家に行きたい、と一言だけ書かれている。

俺の家はあくまでお前の寝場所じゃないぞ、と回答する。


すると梨子は、家の前に居る、と書いてきた。

マジかコイツ。

俺は慌ててドアを開けると。


「よ」

「.....何をしているんだ。梨子」

「偵察」

「.....偵察.....」

「そう。偵察。如何わしい事をしていないかの偵察」

「.....」


訳が分からん。

思いながら俺は苦笑いを浮かべながら居ると。

あれ?梨子さん、と声がする。

そこには月が居て。

俺を見てから梨子は固まった。


「.....う、浮気.....?」

「待て。何を誤解している。一から説明する。

「そう。説明次第ではタマタマに噛み付く」

「お前はとあるのイン◯ックスか.....ってか痛いし卑猥!」


玄関先でタマタマを叫ぶな!

獣だな!、と思いながら俺は顔を引き攣らせる。

すると月が、上がって下さい。梨子さん。ちょうど今お部屋を片付けました、と話しながら梨子に向く。

梨子は固まった。


「.....浮気?」

「.....さっきと同じだけどな。違うっての」


ほほう。

状況次第では耳を噛みちぎる、と言う梨子。

真顔で言う。

怖いわ!!!!?

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