第7話 狼の宝玉をアクセサリーにしてもらう

自分の家に帰ってきた俺は人喰い狼の宝玉の使い方について考えていた。


この宝玉と呼ばれるものだがとうぜん原作にもあったアイテムだ。

そしてどういう用途に使うかだが基本的にアクセサリーだ。


アクセサリーは身につけると様々なスキルやアヴィリティを付与したりできるようなそんな便利アイテムだ。


俺のような難易度【マストダイ】を進めるような人間には必須のアイテムとなっている。


ちなみにだが、これは自分ですることではなく【付与術師】と呼ばれる専門の人に頼む必要がある。


「この辺の付与術師と言うと。まぁ探してみてもいいか」


俺はそう決めて父さんに街に行くことを伝えることにした。


この世界についてはそこそこ詳しいつもりだが、俺はこの村についてはあまり知らなかった。


なぜかと言うとこの村はストーリーに登場するような村ではないからだ。


街に向かった。

それで色々と探してみることにした。


「クレープ屋、から揚げや……食べ物はすぐ見つかるけど装備系の店は余り見つからないなぁ」


そんなことを言いながら探していた時だった。


「あ、君は?!」


声が聞こえた。


誰かが俺の事呼んだ気がして、振り返ると見知ってる人間がいた。


「やっぱりそうだった。この前はありがとー」


そう言って頭を下げるのは先日人喰い狼に追われてユグドラシルの家に逃げ込んできた女の子だった。


「あー、偶然の再会だね」


正直言うとあれ以降会うことはないと思ってたから挨拶とかはとうぜんほとんど会話もしてなかったんだけど。


どうやら向こうは俺の顔を覚えていて話しかけてきたそうだ。


「ごめん、偶然じゃなくて探してたんだー」


そう言ってくる女の子。


「俺を探してた?」

「うん。私さ。鍛冶屋やってるんだ。カーンカーンって武器叩く仕事!それでさ君のために装備を作りたいなって思ってお礼に。あ、私は鍜治妖精だから腕は保証するよ」


それはナイスな提案かもしれない。

丁度武器については拘りたいと思ってたところだし。


「へー。でもそれがなんであんなところに?」

「えーっとね。あのへんにしかない鉱石があってそれを取ってたらあのモンスターに見つかってさ。なははは」

「なるほどね。ちゃんと冒険者を使わないとね」

「お金ないから自分で取りに行かないとダメだったんだよね」


と、どうやら金に困っているご様子。


そこで俺はひとつ提案してみることにした。


「君フリーの鍛冶屋?」

「うん。お店はないんだ」


そこで本題を提案する。


「俺の専属にならない?」


一流の冒険者ともなれば専属の鍛冶屋を雇ったりすることもあるそうだ。


そして、俺の将来の夢は強い冒険者ってやつ。

それを考えたらもう幼い頃からそれに向けて動いてもいいと思うんだ。


例えば、専属の鍛冶屋を雇ったりしてね。

あとは妖精なら自由に体のサイズも変更できるしこれからの生活のお供としては十分な相棒だ。


「どうかな?」

「い、いいの?!私なんかを君の専属にしてくれるの?!」


俺はもう一つ条件を付け足すことにした。


「一応、1回装備の整備をしてもらって、それで満足できたら雇うよ」


そういう話をしてから俺は名乗った。


「俺はエース。君は?」

「リッカ!」


元気にそうなのって来た。


俺はリッカを連れて自分の家に戻ってきた。


実は俺の家には今は使っていない工房がある。

昔はお抱えの鍛冶屋に使わせていたらしいが、今はいないので伽藍堂ってやつ。


「おー」


目をキラキラさせて工房を見ていたので続けた。


「自由に使ってもらっていいよ」

「あ、ありがとう!」


そう言ってさっそく準備を始めていた。

そうしながらこの工房の凄さについて色々口にしていたがよく分からないので俺は聞き流していた。


それから簡単に刀を整備してもらうことにした。


「この刀を整備すればいいんだね?」

「うん。よろしくね」


カンカン!


刀を整備してくれるリッカ。


出来上がったものを確認してみたが


「どうかな?エース」

「うん。なかなかいい感じかな」


リッカの質問にそう答えて俺はリッカを専属として雇うことにした。


それから俺はさっそく宝玉について見せてみることにした。


「知ってるよねる宝玉」


ゴトッ。

宝玉を取りだしてカウンターに置いた。


「こ、これってまさか」

「うん。人喰い狼の宝玉だよ。この前ドロップしてさ」

「すごっ!初めて見たよ宝玉なんて!」


目をキラキラさせて俺を見てくる。

で、そのまま聞いてきた。


「これをアクセサリーにすればいいんだよね?」

「うん」

「付けるスキルは【移動速度アップ】とかでいいよね?」

「もちろん」


宝玉につける特殊効果にも相性というものがある。

そしてウルフ系の宝玉で相性がいいものとなると速度系のものになる。


「腕が鳴るなー。こんな凄い素材を使わせてくれるなんて。めっちゃいいの作っちゃうもんねー」


そう言ってるリッカに俺は聞いてみることにした。


「いつごろ完成しそう?」

「んー。この感じだと6時間後くらいにはできてるかな?」


そう言われて現在の時刻を確認した。


まだお昼前くらいの時間帯だ。


「夕食前くらいに取りに来るとできてるかな?」

「うん。それくらいだと思う」


さてと、リッカに任せている間なにかして時間を潰そうか。


でもなにをして時間を潰そう?


そう考えて会っておきたい人がいるのを思い出した。


「少し話を聞きに行ってみるか。そういえば、まだ話を聞いていなかったしね」

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