二章 ギルドとスキルと勝負 24

 初めて見る顔ぶればかりだ。左から順番に、ーー

 長い槍を背負う爽やかな好青年。

 軽装の鎧を着て、化粧の濃い顔したスレンダーな美女。

 杖を持った、ローブ姿の気弱そうな少年。

 二本の剣を背負い、バンダナを頭に巻いた男。

 それぞれ個性のある特徴的な見た目である。

 そして最後には、ノイマンがいる。

 ついでに腰巾着の細い男もいた。

 奴等も此方の存在に気がついたようだ。あきらかに表情を歪めていた。

 そんな六人の男女を、ダフネは「冒険者ですね。」と読んでいた。

 俺もまじまじと観察してしまう。

 一方で、ーー

 「支部長、ちょうど彼らも集まりました。」

 と男性職員が報告する。

 「おぉ、来たか来たか。」

 とフォン支部長も、真っ先に迎え入れると、話しかけだした。

 「お前ら、よく来たな。」

 「フォンさん。…やる時間を早めるなら私達に、もう少し事前に言ってくださいよ。」

 「いやいや、すまんな。…今回は急遽、メンバーを一人加えたのでな。…待たせたら申し訳ないのじゃ。」

 「慌ててきましたよ。」

 爽やかな好青年が代表して受け答えをしている。

 続けて「何それ、感じ悪い~。」と、美女が文句を言いつつ、爪を弄っているようだ。

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