二章 ギルドとスキルと勝負 22
その後から、俺は妙な違和感を感じる。すぐに問い詰めようと、口を開く。
「どういう意味だ?」
「いやぁ、ここは東側の偏狭じゃから、害獣やモンスター駆除なんか大変でのぉ。…ノイマンみたいなのでも重宝するしてしまい、ホイホイと上げてやるんじゃなかったわい。」
だが先に、フォン支部長が話を続けていた。まるで遮ったようである。
「でも、…ヒルフェ坊っちゃんとの一件で、…ノイマンには昇降格の再試験を受けさせるのに、漕ぎ着けました。…今日、この後、行う予定ですじゃ。…いやはや、ヒルフェ坊っちゃんのおかげで、得したようじゃわい。」
「は?」
すかさずリキッドが聞き返す。なんとも言えず、顔の表情を引きつらせていた。
またダフネも、目付きを鋭くさせていた。もはやイライラしているのを隠そうともせず、「はぁ?」と小さな声で凄みを利かせていた。
俺も良い気はしてない。要はだしに使われたと理解した。
だんだんと目の前の老人を見る目が変わっていく。
「…それに引き換え、ヒルフェ坊っちゃんは相当に腕が立つのですな。ノイマンにも引け劣らない実力。…さては冒険者の中でも、上位ランク保持者とお見受けします。…もしくは、中央学園で優秀な成績を納めているとか?」
そんな様子にも関わらず、フォン支部長は、からから笑って気づかず、今度は問いかけてきた。
「知らんぞ。…俺は。」
と、すぐに俺は否定する。
時同じくして、リキッドも訂正していた。
「いや、…ヒルフェ君はランクは持っていないし、中央学園も通ってないよ。」
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