二章 ギルドとスキルと勝負 18

 それは、一枚の紙を巻いた物と黒い石の結晶だった。

 俺はまじまじと確認する。珍しい物だと思い、首を傾げながら質問する。

 「これは、何だ?」

 「スキルを鑑定する魔具の【スクロール】と、魔力の石の【黒魔石】だ。…この二つを使用すれば、石にスキルの名前が浮かぶんだよ。」

 とリキッドは得意気に答えると、作業を始めた。

 まずテーブルの上に紙を広げて、紙の中心に石を置く。

 さらに彼は、俺の手を掴んで石の上でかざす様に添えさせる。

 その紙の表面には、何も書かれていない。

 やがて石から青白い光が灯りだした。

 それから石の光が収まるにつれて、ーー

 紙の表面に、丸い図形や奇妙な文字が浮かび上がりだしていた。

 ほぼ同時に、俺は慌てて手を退かし、石に視線を向ける。

 すると先程まで真っ黒だった石には、表面に青色の文字で単語が書かれていた。

 まずリキッドが読み上げると、

 「スキル【疲れしらず】?…なんだい、これは?」

 と、首を傾げだす。

 ダフネも眉を潜めた表情で、首を傾げながらぼやく。

 「…初めて見ますね。」

 「あぁ、書いてある意味はわかる。…でも、どういった能力が付与されているんだ?」

 「おい、…わからないのか?」

 「大抵の物とは違いますね。…他のは【筋力向上】とか【魅力値上昇】等です。…こんな表記された名前はありませんでした。」

 「えぇ、………。」

 俺は話を聞きいて、不安を隠せないでいた。

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