二章 ギルドとスキルと勝負 17

 「…て言うか、いつまでやってんだよ!!…なんなんだ、スキルってのは?」

 「…そうですね。…スキルとは、人間が身につける特殊能力です。」

 とダフネは例のごとく説明する。

 彼女曰く、スキルとは、ある時に天から贈らてくる物らしい。

 スキルを手に入れた者は尋常ではない力で、縦横無尽な活躍をする事が出来る。だが会得するのは稀な上に個人差があり、取得の方法も解明されていないらしい。

 「スキルを会得した者は、体に何らかの兆しが現れます。ですけど、ほぼ見た目では判明しずらく、後々になって解明するのが殆どです。…全てのスキルは、ギルドが管理及び解析を行っています。…それでも現状は、スキルの名前の確認しか出来ません。…細かい能力の詳細は、ギルドに保管されている過去の資料を見ながら、解析していくだけしかないのです。」

 そう彼女は、言って説明を締めくくる。

 「ふ~ん。」

 俺は渋々頷いて、無理やり納得した雰囲気をだす。難しすぎて半分も理解できていなくて、凄い力なのだと理解した。

 ふとリキッドの姿が部屋にいない。

 俺は気がつくと、部屋の中を見回す。

 ちょうど先程の部屋の方から、リキッドが大荷物を抱えて戻ってきたようだった。

 「よっ、こらせ。」

 そのまま彼は、テーブルの上で荷物の中身を広げながら、何かを探しているようだ。やがて、ーー

 「あった。…これだ。」

 と、ようやく目当ての品を探し当てると、慌てて手にした物を、此方の目の前へと差し出した。

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