第22話 聖教国
こんなめでたい席で決闘騒ぎなど…馬鹿な事をするものです。
「教皇様、こんな野蛮な国、さっさと去りましょう」
私が教皇ロマーニ様に仕えて3年がたちます。
まだ、見習いですが可愛がられてこうして傍に仕える事を許されました。
私の周りには教会屈指の聖騎士が5人教皇様を守る為にいます。
この聖騎士は聖教国きっての腕利きです。
「まぁ、待ちなさい、あのバウワーを倒した者の実力、見させてもらいましょう」
その後は散々です。
一回なんて私共々、教皇様や聖騎士も死んだ位です。
ですが、さすがは教皇様…
「待ちなさい、此処から出ていくなら是非、聖教国へ『パーフェクトヒール』が使えるなら大司教の地位を用意しますぞ」
とだけ伝え、その場を去りました。
◆◆◆
「ロマーニ様、本当にあれで良かったのでしょうか?」
私事、教皇ロマーニは怒りで体が震えています。
「良いわけありません、まずは『パルドール』の関係者は全員破門にします。あとはクリフ王には教会を通じて二人の身柄の保護をして頂きます」
私はあの時気が付いてしまいました。
セレス殿は恐らく…最低でも天使、もしかしたら神かも知れません。
『パーフェクトヒール』は『死んでいなければ何でも治してしまう究極の呪文』です…ですが死人は生き返らえせる事は出来ません。
もし、それが出来る存在が居るとすれば『天界の住民』か『女神に愛されている愛し子様』です。
過去の教会の文献に『死んだ人間を蘇らせた存在』は二人いました。
片方の方は『天使長』片方の方は『女神の騎士』でした。
そう、あのセレス様は人間ではないのです。
人間で一番偉いのは私教皇と言われますが…それはあくまで建前です。
信仰対象である『セレス様』と比べて良い訳がありません。
それにあの『マリル様』あれほどの剣に魔法…四職に間違いありません。 場合によっては『勇者』の可能性すらあります。
「よく堪えましたね」
「セレス様やマリル様の事を思えば、あそこでパルドール等、斬り捨ててもよかったのですが…」
「それを貴方が行えば、折角、正体を隠しているお二人に迷惑が掛かります」
「それでは、どうなさるのですか?」
「あくまで、表向きは大司教としての勧誘…ですがあの二人が望むのであれば『欲しい物はすべて教会で差し上げましょう』そういう勧誘でいこうと思います」
「具体的にはどうしますか?」
「あの二人は相思相愛なのでそれは壊してはなりません…そうですね、まずは『友人』になる。そこから始めましょうか?」
「「「「「はっ」」」」」
聖教国も動き出した。
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