第14話 キスだけで

セレスが部屋を買ってくれた。


しかも『結婚』という言葉まで使われてしまったわ。


悲しいけど、私にはまったく男性経験というのが無いのよ。


実家に居たころは才能のない私には縁談の話は全くなかったわ。


学園でも最下位の私によって来る男は居なかったんだから。


それがいきなり『結婚』という言葉を使われて動揺しないわけがないじゃない。


年齢=付き合ったことがない年数なんだから。


パートナーだから確かに一生離れることはないわ。


だけど、それと結婚は違うわ。


まぁ、人間のパートナーを呼んだなんて話は他にはないだろうけど…ね。


結婚かぁ~相手がセレスなら構わない…ううん、むしろ最高だけど...


私はセレスに何をしてあげればよいのかしら…


私、何もしてあげてない気がする。


そうよね…結婚するということは…そういう事よね。


胸は貧相だし…お尻は小さい。


まるで子供みたいだけど…顔は悪くないわ。


セレスだって、男ではあるんだから、性欲はあるはずだわ。


それしかないわね。


私は一人で下着を買いに出かけた。


◆◆◆


「ふぃ~良いお湯だったわ…セレスも入ってきたら」


「はい、それじゃ入らせていただきます」


この下着結構恥ずかしいわ。


『新婚さんならお勧めですよ』


何ていうから買ったけど、このベビドールもスケスケだし。


パンツも透けているし、変な所に穴まであるわ…下品だわ。


だけど、セレスも男なんだから、こういうのも好きな筈よね。


「マリル…あれ何で明かり消しているの?」


「良いからセレス、ほらね」


流石に明るい状態じゃ無理だわ。


「もう、寝るんですか? まだ早いですが…」


「違うわ…ほら、私たち結婚したみたいなものじゃない? だから…ほらね」


本当に鈍いわね。


「あの…マリル、そういう事はマリルが本当にしたいと思った時で良いですよ…体が震えているし」


「あのね、私だってセレスに何かしてあげたいのよ…だけど、こんな事しかできないの」


「そういう事は、マリルが性処理して欲しい…そう思った時に求めてくれれば良いんです…無理する必要はありません」


え~と性処理?


こういうのって『女が捧げて男が貰う』筈だわ。


それが性処理。


「セレスは私を抱きたくないの?」


「性的という意味なら、僕は勇者の欠陥品だから殆どありません。性欲はすごく低いんです。ですが『マリルを独占したい』そういう意味ならあります」


「それは欠陥品だから?」


「違います、恐らくは勇者って女神の使者だから、かなり性欲は低い存在が多いみたいです…一部論外な存在もいたらしいのですが」


「そう、なんだ…へぇ~」


嘘、それじゃどうしたらいいのよ。


「ですが、勇者の中には『女にもてるそんな加護やそっちの加護も貰っていた存在』も居まして、同じ能力も僕は持っています…ですから、性処理をしたいなら何時でも言ってくださいね」


なっ、なっなんて事いうのかしら?


それは…私が求めればいつでも『できる』そういう事よね。


だけど、最初くらいはセレスから…求めてもらいたいわね。


でも『性欲』は低いのね…仕方ないわね。


「そう、それじゃもう寝ましょう」


「はい」



◆◆◆


馬鹿じゃないの?


あんな事言われて眠れるわけないじゃない?


理想の美少年とこんなスケスケの下着つけて一緒に寝ているんだから。


私が目を開けるとそこにはセレスの顔があった。


「マリル、眠れないんですか?」


「せせせセレス起きていたの?」


「つい、マリルの寝顔が可愛くて見続けてしまいました」


「そ、そう?」


これで性欲が低いなんてひどいわ。


これ…欲が無いなら純粋な愛じゃない。


この状態でどうやって眠れっていうのよ。


「はい」


「あのね、セレス、さっき言っていた性処理の事だけど…」


「マリル、もしかして興奮して眠れなくなったとか?」


「違う…いえ、そうよ…正直言えば少し怖いわだけど…ね、興味なくもないわ」


ああっもう、自分から言うしか無いのかしら。


だけどさすがに『性処理お願い』なんて言えないわ。


「そうですね、それじゃキスだけでもしてみますか?」


「えっ、キス…そうよね…うん、お願い」


そういえば私、セレスとキスもした事なかったわ。


「うんぐ..うんうんうううー-っぷはぁ、うんぐ」


な、なにこのキス…普通はこんなんじゃ…あっあああ。


「うんぐううう..ハァハァちゅぷ、ああうんぐっううー-」


頭がぼうっとなってきたわ。


体に力が入らない…それになんで…体が熱い。


股の間が湿ってきて、涎が垂れ流し状態で恥ずかしいのに口が離せない。


「うんぐ、うんぐうんうんごくっうんううん? うううんっ」


何これセレスが私の涎を飲んでいる…私もセレスの涎を飲んで…これでもキスなの…


「ハァハァうんぐ、あああっうんうん、あああん、うぐっ

うう」


胸が顔が熱いわ…心臓も爆発しそうなくらいよ。



「うんぐ、うんうんああっうん、セレス、うんぐうんぐぷはぁ、うんぐうんぐごくっうんぐ、ぷはぁ」


※セレスはキスしかしていません。


「ぷはっうんぐ、うんぐっ..ダメっあああぁぁぁぁー-っうんぐ」


ぷしゅー-っ.。


嘘、今またから何か出た。


それに嫌…まさか


ちょろちょろ。


もしかして、私漏らしちゃったの..


だけど、だけど…セレスとのキスが…ううん、セレスのキスが気持ちよくて止まらない。


「あああーっセレス、うんぐううんあっううん、ぷはっうんぐ」


なんて舌なのよ..口の中が全部セレスの物になったみたいで、思考ができなくなる。


「あああー-っセレス、うんぐっうううんぷはっ」


セレスは息継ぎの時に口を離してくれるけど、最早喘ぎ声しかだsないし…下半身が股が切ない。


触られてもいないのにさっきからグッショリと濡れていて…何回もいかされて、おしっこまで漏らしているのに..止められない。


※セレスはキスしかしていません。


このキスがすごく気持ちよい…


嘘でしょう…私キスだけで10回以上いかされちゃった。



「あああー-っ」



目の前が白くなって、私はそのまま快感の中眠りに落ちた。



◆◆◆


なんだ、夢だったのかしら…こんな下着来ていたから、変な夢…あれっセレスが居ない。


まさか、また…あれっパンツもシーツもない。


ベッドは…ぐしゃぐしゃに濡れているじゃない。


これって…


「セレス..これ…」


「おはようございますマリル…さすがに濡れていたら気持ち悪いかと思って洗っておきました」


「そう、あはははっそうね…ありがとう」


私キスだけで…何回もいかされて、快感でおしっこまで何回も漏らして…パンツまで洗って貰っているの…恥ずかしい…もう開き直るしかないわ。


「どういたしまして」


「それでね、セレス、セレスはそのね」


「可愛らしいマリルが沢山見れて幸せですね…それになんだかマリルを本当に独占できたみたいで嬉しかったですね」


あくまで性的なものじゃないのね。


「そう…それならキス、これからもしていいわよ」


「ありがとう、マリル嬉しいよ」


だけど…セレスは凄すぎるわ…キスだけでこんな可笑しくなるなら、これ以上の事をされたら…どうなるのかしら。


想像すらできなくて怖いわ。








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