第11話 『私のセレス』は凄いのよ…驚いたでしょう!
「鳥が19羽とトカゲが1匹…マリル、僕なりに頑張ったけど、これが限界だった」
「あばばばばっ、あはははっワイバーンが19羽で地竜が1頭…それ1羽狩る為にA級冒険者のパーティ全員で掛かるんですよ…こんなの到底受付じゃ処理出来ないから、ギルマス呼んできますね」
受付嬢が可笑しくなるのも当然だわ。
だって、こんな大物をこんな数、パーティ所かクラウンでもまず無いわ。
それに周りは気がついてないけど、それを全部収納するストレージ持ちなんて何処にも居ないわ。
「セレス、あんた何者なの?」
「僕はただのゴミです!」
これがゴミ? 可笑しいわよ、どう見ても『勇者』そのものだわ。
レベルの低いうちはどんな勇者でも、オークやオーガが狩れたら良い方でしょう?
それが、いきなりワイバーン? なにこれ?
『銀嶺の勇者』…ううん、それ以上にしか思えないわ。
こんな存在が居たら、魔王なんて尻尾巻いて逃げるわよ。
まぁ、今は魔王は居ないんだけどね。
「セレス、自分の事をゴミというのは止めなさい!貴方は私の大切なパートナーだわ。私にとって宝物なんだからね!」
「解りました」
なんで、セレスが自信が無いのか解らないわ。
恐らく、セレスより強い人間なんて居ない気がする。
少なくとも私は見た事が無いわ!
「それでセレス、怪我は無い? 体は大丈夫?」
「僕は大丈夫です。それよりマリルの方が…膝から血が出て…」
「セレスが居ないから探し回ったんじゃない! その時転んだのよ、全く心配させないで」
「ごめん、マリル…ヒール、うんこれで治った」
え~と…ヒール?
「嘘、セレス、ヒールも使えるの?」
「あっ…はい、だけど出来損ないなので『ハイヒール』までです。パーフェクトヒールは今は、使えません」
パーフェクトヒールなんて『死んでなければなんでも治る』伝説の魔法じゃない?
出来なくて当たり前だわ…そもそも、教会の熟練ヒーラーでも『ハイヒール』しか使えないわ。
昔いた聖女だってハイヒール止まりも多かったのに…
「えーとね、それで本当に失敗なの? 可笑しいわよ…」
「確かアレス様は、それじゃ『始まりの勇者』になんて届かないって怒っていました」
それこそ、伝説中の伝説じゃない! アレス様、ボケて頭が可笑しくなったのかしら?
「セレス、それ…伝説に残る最強の人だからね!他に何か言っていなかった?」
「そういえば、出来損ないの『銀嶺』はどうにか超えたとか言っていた様な気がします」
『銀嶺の勇者』…私が知る限りなら最強勇者じゃない?
それを越えた?
「凄いじゃない」
「そうなのでしょうか? 歴代の優れた勇者や聖女、賢者、剣聖の遺伝子を組み込んだのに…この程度なんです」
アレス様、貴方なにやっているの…どう考えても完成品でしょう。
「セレス、貴方は出来損ないじゃないわ、私の最高のパートナーよ自信を持ちなさい」
「解りました…それでマリス、今日の狩でどの位稼げたの?」
確かワイバーン1羽金貨50枚(500万円位)だから、それが19で金貨950枚(9500万円) 地竜が金貨70枚(700万円位) 合計金貨が1020枚(1億200万円)….
あはははっ、もう一生働かないで良いわね。
※ 異世界なので同じ一億円でも価値が違います。
「セレス…多分贅沢しなければ一生暮らせるわ…」
「本当に? こんなの狩った、だけでですか?」
「あの、セレス…セレスが狩れないレベルってどんな存在の事を言っているの?」
「『世界は我のものだ~』って叫ぶ奴とか? 黒い鱗で王城よりも大きく『国など滅ぼしてくれるわ~』て叫ぶドラゴンとかですね…シュミレーションで戦いましたが死に掛けました」
それ…魔王グラディウスに漆黒の黒竜じゃない…世界を滅ぼせるレベルだわ。
「凄いわね」
「ギルマスを連れてきましたぁ~」
あはははっ流石のギルマスも顎が外れそうな位驚いているわね。
『私のセレス』は凄いのよ…驚いた。
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