追放師とマグマの戦士は最強を求めて世界の中心を目指す

高山しゅん

第1章 サルヴァヘイヴ

第1話 導入

 目覚めると俺は、大量のゴミに埋もれていた。

 どうやらここは街のゴミ捨て場らしい。


 なにがどうして、こんなところで寝てたんだ?

 思い出そうにも思い出せない。


 酒でも飲み過ぎたのか?

 いや、いくら飲んでも酔い潰れるなんてことはあり得ない。


 じゃあ喧嘩でもして負けたのか?

 それはもっとあり得ない。

 仮に、俺をボコボコにできるようなやつとやり合ったんだとしたら、こうして命があるのは不自然だしな。


 というか、俺は誰だ?

 名前は……ヴァルカン。ヴァルカン・マグマフォージだ。

 仲間からはヴァリーと呼ばれていた。


 仲間か。そういえば、仲間がいたような気がするな。

 だが、おかしいぞ。顔も名前も出てこない。


 記憶喪失?

 いや……そうだ、この症状、どこかで聞いた覚えがある。


 仲間のことだけを忘れちまう術、追放術。


 そう考えれば辻褄が合う。この部分的な記憶喪失は恐らく、追放術によるものだ。


 てことは俺……追放されたのか?






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