第3話:K点

 じいちゃんちには二本の手すりがある。

 一本は「僕の手すり」だそうだ。


 でも僕は、木でできた重そうなこっちの手すりがいいな。

 なんでって、かっこいいから?


 大きくなってからって。具体的にはいつなのさ。

 うーん。五ヶ月後?


    ◇


 三ヶ月後、僕は木の手すりを使って二階の寝室からドタドタと降りる。

 最後の三段はジャンプ。


 妹がうるさいというが、それでも僕はやめられない。

 なんでって、かっこいいから。


 K点が何かわからないけど、ママとパパ、じいちゃん、ばあちゃんが喜んでくれるから。


 僕は最高にかっこいい男になった。

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