第2話:小百合

 今っぽくないと笑うんだ。

 じゃあ、どんなのがいいの? と聞くと、わかんないと笑うんだ。


 優子、雫、凛、、美月、愛羅ティアラ……これはやりすぎか?

 ふむ──頭を捻る僕を見てやっぱりクスクスと笑う。


 僕は少し派手な名前をしている。でも僕は君のような奥ゆかしい人に惚れたんだ。

 女の子とわかった時、君のような人になると思ったんだ。

 だから──。


 これは恥ずかしくて、僕のキャラに合わないからと君に伝えずに胸の中にしまっておくことにした。


 せめて、伝わればいいと「小百合」と僕は君に言う。

 ──君はただ、嬉しそうに笑うんだ。


 僕は一番の幸せの中にいる。

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