編集済
拝読しました。
ふむふむ。
夕焼けと紅葉に不吉なものを感じるセンスは共感できます。黄昏時は逢魔が時とか言いますし、舞台やアイテム選びもいいと思いました。詩の良し悪しは私にはわかりませんが、とりあえず問題は感じられません。後段を最後に持ってくる構成も悪くないと思います。
ただ、展開的には想定の範囲内で、意外性がなかった、というのが本音のところ。完全に消えてしまう、という部分だけ予想外でしたが、むしろこの要素は必要かな?と思いました。
この「記憶も痕跡も消える」という設定は作中でも矛盾が感じられます。全員がそうなら行方不明者の噂が流れることはないはずですし、主人公が友人とのやり取りを覚えている点も奇妙です。(これは何かしら理由があるかもしれませんが)
物語上の恐怖に寄与している感じがあまり持てないので、この要素は蛇足だったのでは、と思いました。「溶ける」恐怖がぼやけますし。
他に読んでいて気になった点を幾つか。
>私自身が、体験していなければ。
個人的な感覚ですが、この一文は前の段落につけた方が怖くなる気がします。
>ただ、その日の夜遅くに彼から電話がかかってきたんです。
ここは、夕方にした方が怖くないですかね?
いままさに「溶けていく」方が、ダイレクトに怖さが伝わる気がします。
なんなら主人公は窓から夕焼けを見ながら電話を受けていて、最後の言葉と同時に空に変化が起こる……とか、そういう感じを夢想しました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
美しいものに不気味なものが覗く感じが好きなんですよね。「桜の木の下に死体が埋まっている」の秋バージョン?が書きたくて始めました。
内容がちょっと平凡だったのは自分でも感じています。近況ノートをご覧いただいていたら知っていると思いますが、この怪談Vtuberさんの企画に応募したものなんですが「3000字以内」というルールがありまして…それに収めるために色々無理した感はあります。
「痕跡が消えることの矛盾」
→一応自分の中になんとなくあった設定では「語り手を含め、一定の割合で『もみじ山』の現実改変に何らかの耐性がある人がいる」というものでした。だから確固たる証言ではなくて噂(都市伝説)レベルでじわじわ伝わっている…みたいな。ただ仮にこれで整合性が取れるとしても、全く言及がないのは流石にアレですね…笑
電話がかかってくるシーンを夕方にするのは良さそうですね。臨場感ある場面があれば、もう少しインパクトあるものになったかなと思います。
改めてありがとうございました。これからもぼちぼち頑張ります。
最後の1文が……。
たしかに同じ色ですねぇ……美しい色ですよ(*´꒳`*)
桜の木の下に死体が埋まっているのではなく、もみじとは。
紅葉というと、ついつい見て楽しむものと思ってしまいますが、それを逆手に取った発想力がすごいです。
また主人公による語り口調で、どんどん引き込まれました。
何かが起きたはずなのに、その詳細が不明のまま、日常が続いていく怖さも良かったです。
ゾクッときました!
美しい情景を思い浮かべながら拝読しました。
紅葉の色が溶けた空という表現が素敵ですね。