『下宿のおばさんに』 中の中の下


 ぼくは、いささか、たかをくくっていたとこがありました。


 どうせ、ヴァーチャルだろ。


 しかし、怪人が階段の手すりに、長いナイフを打ち込んだとたんに、手すりが崩壊したのです。


 ばらばらばら〰️〰️〰️〰️


 ちょっとまて。


 首に打ち込まれたら、どうなるでありましょうか。


 『それは、まずいかも。』


 ぼくは、慌てて、円形手裏剣をみっつ、投げつけました。


 しかし、すべて、すらっと、かわされます。


 『ははははは。そんなへなちょこ、当たらないな。根性が入ってない。』


 『そんなこと言われても、プロの忍者ではあるまいし。それに、もう、高齢者だぜ。』


 『ここでは、歳は関係しない。また、アマチュアが、プロを凌駕することもある。わかるか?』


 びゅわ〰️〰️ん。


 ナイフが、すぐ、首の脇を通過しました。


 『危なかったな。ははあ? つぎは、切り離す。』


 怪人さんは、ナイフをばしっと、構え直しました。


 こいつ、完全にバカにしてるな

 

 いったい、誰なんだ?


 まてまて、なんだか、覚えがあるのは確かだぞ。


 もう、65歳を越えたおじさんを、若者がいたぶっているわけだよなあ。


 そんなの、そもそも、関係あろうがなかろうが、赦せないだろう。


 あっ!


 もしかして…………

 

 ぼくは、翔んだのです。


 


 

 

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