『下宿のおばさんに』 中の中の上
ああ、そこは、まるで宮殿みたいでした。
それだけではありません。
きらきらきらきら。
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赤や青や、黄色、紫色………
様々な色の、玉や葉巻みたいなものや、三角や菱形や、UFOや。
そんなもの達が、あたり一面を取り巻いて、ゆっくり、あるいは、素早く、おどけるように、驚かすように、あざけるように、ぼくの前を踊って行くのです。
しかし、床や、壁や、天井は見えています。
プラネタリウムみたいだけれど、光源が、まるで、見当たらないのです。
『どこから、光る?』
つまり、光自体が光っているとしか思えないのですが、ならば、それは、何でしょう。
『まてまて、ヴァーチャルなんだから、何でもありか。』
それは、でも、明らかに、意味不明でした。
その、混乱の中、玄関ホールの辺りに、またまた、おかしなものが、現れたのです。
それは、ものすごく、美しい、しかし、思わず笑ってしまいそうで、あたかも、コロンビーヌさん、あるいは、不思議が池の幸子さん、みたいな扮装をしている女の人でした。
『やっと、帰ってきましたね。』
その人は、さらに、チェシア猫みたいに、不気味に、にたっとしながら言います。
『みんな、待っていましたよ。さあ、2階に上がってくださいまし。あなたは、けり、をつけなくてはならないのだから。』
その、あまりにでかい姿に圧倒されながらも、ぼくは、階段まで、やっと壁を伝いながら、たどり着いたのです。
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