『下宿のおばさんに』 中の中の上


 ああ、そこは、まるで宮殿みたいでした。


 それだけではありません。


 きらきらきらきら。



    🟥    🟦


   🟡  💜      🛸


🔺  🔷 ✴️    🔵🔴



 赤や青や、黄色、紫色………


 様々な色の、玉や葉巻みたいなものや、三角や菱形や、UFOや。


 そんなもの達が、あたり一面を取り巻いて、ゆっくり、あるいは、素早く、おどけるように、驚かすように、あざけるように、ぼくの前を踊って行くのです。


 しかし、床や、壁や、天井は見えています。


 プラネタリウムみたいだけれど、光源が、まるで、見当たらないのです。


 『どこから、光る?』


 つまり、光自体が光っているとしか思えないのですが、ならば、それは、何でしょう。


 『まてまて、ヴァーチャルなんだから、何でもありか。』


 それは、でも、明らかに、意味不明でした。


 その、混乱の中、玄関ホールの辺りに、またまた、おかしなものが、現れたのです。


 それは、ものすごく、美しい、しかし、思わず笑ってしまいそうで、あたかも、コロンビーヌさん、あるいは、不思議が池の幸子さん、みたいな扮装をしている女の人でした。


 『やっと、帰ってきましたね。』


 その人は、さらに、チェシア猫みたいに、不気味に、にたっとしながら言います。


 『みんな、待っていましたよ。さあ、2階に上がってくださいまし。あなたは、けり、をつけなくてはならないのだから。』


 その、あまりにでかい姿に圧倒されながらも、ぼくは、階段まで、やっと壁を伝いながら、たどり着いたのです。



     😸

 


 

 


 

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