第6話.剣術
「お待たせしました〜!」
そう言いいながら、サラはアニメで見るようなものよりもシンプルな剣を持って飛んできた。
「このくらいの剣なら、レベル1の状態でも使えると思いますよ!」
サラは、真剣の使用が初めてでレベル1の遥斗でも使えそうなものを持ってきたらしい。
遥斗はサラから剣を受け取る。
「お、おぉ……!」
まさか自身に真剣を持つ機会が来るとは到底思っていなかった遥斗は、それに対する感嘆と思ったよりも重量のある剣に驚きの声をもらす。
(え、この重さの剣を小さいサラが持ってきたのか? ……考えないほうがいいな)
一瞬疑問が頭によぎったが、すぐに思考を放棄することに成功する。
「えっと……魔物を一体倒せば良いんだったよな? それじゃ、あの魔法陣から外に出ればいいのか?」
「ふっふっふ〜! サラを誰だと思ってるんですか! そんなことは無用です!」
そう言ってサラは目をつむり、手を前に伸ばす。
そのまま、まるで何かを探すようにゆっくりと腕を回転させる。と、急に動きを止める。
「魔物操作・
すると目の前にゲームをしてなくても知っているような、初心者用モンスターのスライムがいた。
遥斗と紬は驚きで反応できなかったが、スライムも同じく理解が追いついていなかった。
「
スライムはサラの手により、動けないまま行動を封じられる。
「遥斗様! どうぞ!」
「……心が痛むんだが?」
「そんなこと言ってたら、この世界で生きていけませんよ?」
「今回は場合が場合だろ!」
「そう、ですか……。ならしょうがないですね……」
どうやらサラは遥斗の言い分を分かってくれたようだ。
するとサラは動けないスライムに手を伸ばし。
「
「サラ、やっぱり俺が倒す」
「ほ──あ、ほんとですか!」
サラはそう言って手をしまう。
遥斗はサラの「理魔法」という明らかに存在そのものを消そうとしていた魔法は聞かなかったことにし、「ごめんな」と言いながらスライムを倒す。
「オーケーです! それでは遥斗様もステータスを確認してみてください!」
そう言われ、遥斗はステータスを開く。
名前 :佐藤遥斗
レベル :1
職業 :未選択
スキル :剣術スキル(1)
特殊スキル:なし
魔法 :なし
技術 :なし
恩恵 :なし
称号 :世界初の剣術使い
「よし」
「おめでとうございます! これで2人とも、世界で唯一の効果を得ることができましたね!」
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