第139話 かずやんの春休み(9)お化け屋敷

次の層を目指してお化け屋敷を歩いていく。

辺りに氣を飛ばしているが…気味が悪い空間なだけでモンスターの気配は一切しない。


本当にモンスターがいないだけなのか?それとも氣の感知が正常に作用していないのか…。


「さて…寒いときは…アルコールに限りますね!」

<あるある…ねーよ!>

<酒飲みながら初見のダンジョン探索って命を大事にしろよ!?>

<あれ?ここどこだったっけー?深淵層ダンジョンだよ!やいやい!>

<緊張かーん!>

<【10,000円】「姫っちゃん」師匠舐めプはダメです!>

弟子に釘を刺されるも、それよりも何よりも歩けば歩くほど、身体が底冷えして足取りが重くなってしまうので、仕方がなく身体を温めるためにアルコールを口に運んでいるのだ。

ただ…流石にビールだとアルコール度数が低くくて身体が熱くならないので、久々に取り出したるはストロングチューハイだ。


「でも、身体を温めないとマジで凍えちゃうんですってこれ…それに酔っぱらったら湧き水を飲めばリセットできるし無問題」

決して酒が飲みたいだけじゃないんだからね!

<いや…まあそうかもしれないけどさ…>

<こんなところでモンスターが出たらどうするんだよ>

<【666円】「絶許」絶許!絶許!絶許!>

<アル中になるから酒はほどほどに飲みすぎは絶対に許さないって…心優しいな絶許さん>

<いや待て!?流石に無理があるだろ>

<なんで毎回同じ文章で翻訳できるんだよ>

<逆になんで皆わからないんだよ!>

……いやいや…。これ…ツッコミ待ちですか?



「いやーそれが…モンスターこの辺りにいないっぽいんですよねー…気配がないというか…」

人玉に触れてみるが、熱くもなく寒くもなく。

明るく照らすだけですり抜けてしまう。

いやー…なんというか演者のいないお化け屋敷ってなんというか…物足りないよねー…。


<かずやん…うしろ!>

<【5,000円】かずやん!うしろ!うしろ!>

<うしろー!!後ろ見ろー!!!>

<うしろーー!!!>


コメント欄が慌ただしい。

後ろ?


振り返ると――。


「……」

「……」


ドアップのスケルトンが――


こんにちは


「…うぉーー!!」

驚きついでに、とっさに手が出てスケルトンの頭部を捉え吹っ飛ばす。


お化け屋敷で急にスケルトンって……

ちょっと反則じゃないですかね!?



何度かバウンドしながら飛んでいく後頭部

頭を失ったことを気にすることなく、スケルトンが俺の身体に絡みついていく。

湧き水を飲む暇を与えられず、一瞬の出来事で身動きが取れなくなってしまった。



そして、背後に見えるのは…何十、何百体ものスケルトン。

身動きが取れなくなった俺に、容赦なく何体ものスケルトンが覆いかぶさってきた。


困ったことに…この数がいたら気付きそうなものなんだが…全く気配を感じなかった。


1体程度の重量は大したことはないが…それが十体、百体となれば話は変わってくる。

人の骨の重さは、大体体重の5分の1だから、この数はもう100㎏は軽く超えているだろう。


このままだと…骨の重さで圧死する!!?


狂暴化バーサークLv1!!」

デバフの寒気を吹き飛ばして、有り余る熱が身体を巡る。

どうやらこの環境とこのスキル…相性は良いのかもしれない。


そうしている間も、のしかかってくるスケルトンだが…彼ら?は知らなかったのだろう。

骨はどうやっても食えないし…流石にこの骨で出汁はとりたくない。


そうなると俺にとっては邪魔な物体でしかないことを…。



あふれ出る力を開放し、数百体のしかかったスケルトンを持ち上げるとなりふり構わずぶん投げた。


壁に激突する骨、骨、骨。

重なった骨の重さで粉々に砕け散っていくスケルトン。


ぶん投げてスケルトンとの距離が少し空いたその隙を見逃すつもりはなく、氣の刃を何本も出しては目の前にある骨を粉砕していく。


「ふぅ…」

湧き水を飲んでアルコールが抜けたころには、周りにいたはずの動く骨はもういなくなっていた。


<まじかよ…>

<かずやんが先手取られたのか…>

<あの数は流石に相手できる気がせんわ>

<寒さのデバフは狂暴化バーサークで防げるのか…>

<わかったところで、狂暴化バーサークを使える探索者はかずやんだけなんだけどな!>

<炎上案件やりまくればワンチャン…>


モンスターの強い弱いじゃなく、この物量はシャレにならないな。

特に酒を飲んだ状態だと、とっさの判断が遅れてしまった。


かといって狂暴化バーサークLv1を常時発動は流石に…。


……

うーん…案外なんとかなりそう…か?

氣を消費している感じもなく、これぐらいであれば常時発動できるかもしれない。



試しに狂暴化バーサークを維持したまま、そのまま探索を続けていると次の層の階段が見えてきた。

深淵層の攻略も案外容易なのなかもしれないなー…。



急に湧き出てくるスケルトンを叩き潰しつつも、次の層への階段を一歩踏み出そうとしたところで、腹の虫がグーッっとなり、プシュ―っと狂暴化バーサークが強制解除された。


わかってはいたが…腹の虫はどうにもならないようだ。

苦笑いしつつも、腹が減っては戦はできぬ。


時間的には早いがマジックバックに入っている食材で飯にすることにした。


―――――――――――

新たな食材が手に入ってないから…料理回は…カット!?

食べられるモンスターを登場させないと!!


炎上!炎上!

どうすることも出来ぬ残業!

ココロオドレナイ…

書く時間が全くないので遅筆に拍車が掛かりそう


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