第119話 深層の植物
少し休憩を挟んで配信を再開、深層に足を踏み入れた。
<待ってた!>
<角煮ウマー!>
<トド肉…美味しくない>
<どこで買ったんだよww涙吹けよ>
「さて…休憩中にトド肉の缶詰買う猛者がいるとは…お疲れさまでした!ここからは未踏破領域になるので慎重に進めていきたいと思いまーすっ!」
そう言いながら、出会いがしらのアイス・ワームを短剣で切り裂いた。
<うーん、いつも通りの緊張感ww>
<緊張感仕事しろw>
<ここ深層のはずなんだけどwwただアイス・ワームだから仕方がないか>
深層ダンジョン探索を進めていく。
猿っぽいモンスターのフロストモンキ―の集団をなんなく倒しつつ歩みを進めていく。
深層も三層を踏破して…階段を下ったところで次の層…辺り一面のサボテンが見えた。
ただこんな氷山フロアに植物なんてあるはずがない、ためしにモンWikiで見てみると…
「フロストキャクタス…うーん、氷山に植物型のモンスターなんているんですねー」
<辺り一面サボテンww>
<景色からして違和感しかない>
<こいつは…強いのか?>
<深層のモンスターだし、弱くはないだろ?>
<モンスター…なのかな?>
フロアに足を踏み入れた時に、ザクッと氷を踏み抜く音が響く。
するとどうだろうか、無数のサボテンが音に反応してくねくねと踊り出したではないか…。
「音に反応してくねくねうごくおもちゃ…昔ありましたよね?」
<おーい緊張感!深層wwしかも4層ww>
<あーまあ、わかるけどさ。今じゃないww>
<【5,000円】ん?かずやん…ちゃんと見ろ。なんかヤバそう!?>
「えっ?」
くねくね動くことで、サボテンの腕っぽい部分が膨らんでいるではないか…
そして…弾けた。
1つ弾けると誘発するようにまた1つ、無数に弾けその腕に無数についていた針が四方八方に飛び散っていく。
その針がダンジョンの壁にぶつかると壁が削れ落ちていく。
ダンジョンの壁って結構固かった気がするんだが…そう思いながら氣の盾を張って針を防ぐ。
盾に針がぶつかると針が爆散する。
針は止まらず爆散を続け、砂煙が舞い前が見えない。
<何も見えなくて草>
<かずやん…大丈夫か?>
<ダンジョンの壁えぐれてたんだが…>
<グロ画像とか流石に勘弁…>
――そして音が止む。
「いやー…なかなか激しい洗礼でしたね!」
<無傷w>
<知ってたww>
<【10,000円】「姫っちゃん」良かったー師匠無事でした!>
<姫っちゃんだ!>
<姫降臨!>
<姫っちゃんキタ――(゚∀゚)――!!>
<姫っちゃんキタ――(゚∀゚)――!!>
「姫っちゃんだ。ありがとうーでも流石にびっくりしましたね。盾が壊れるか先か、針がなくなるのが先かって感じだったんで…」
<【666円】「絶許」絶許!絶許!絶許!>
<これは…絶許氏も心配していらっしゃる…ぞ?>
…自信ないのかよ!
腕を失ったサボテンがくねくね動くと、腕が風船のようにぷくぅーっと生え…。
「あっ、これ駄目な奴。ちょっと仕留めますね!」
短剣に氣を込める。
大きな氣の刃を作り出しそして何度も放ち…そこら中にいたサボテンを一掃した。
<こんな攻略の仕方するのかずやんぐらいだろ…>
<普通はどうやって攻略するんだ?>
<火炎放射器をぶっ放すとか?>
<植物だからやっぱりそうなるよなー>
「サボテン…うん、これはいい食材ですね!」
<サボテンって食べれるの?>
<海外だと普通に食べる地域もあるみたい>
<ただこれだけってのも…味気ないような…>
「あっ、流石にサボテン料理作って終わりとかはないのでご安心ください!酒を飲むのに肉は必須ですからね!」
<ですよねー!>
<そういやさっきの猿は?>
<猿は…どうなんだろう?でも食べたいって感じがしないよな…>
<中国 猿 脳みそ…>
<それ以上はやめろww>
「猿は…猿の皮は素材になりそうなんですが、肉は食べたいと思わなかったのでスルーですね。なのでドンドン進んでいきます!」
サボテンの後、次の層では再び猿の群れに遭遇して猿狩り。
取れ高が…と思った矢先に出てきたのはアイスバジリスク。
本来爬虫類は寒さに弱そうだが、次の層に進むための洞窟の入口を塞いでいた。
<でけぇー!!>
<きれいな皮の色してるな>
そうこの大蛇は半透明の身体をしていた。
透き通った白よりのピンクの鱗が雪の世界に映えを生む。
パッと見るとすごくきれいだが、バジリスクという名だけあって顔がイカツイ。
大きく開いた口は人1人ぐらいはすっぽり入るだろう。
蛇皮は高級素材、取れ高はあるが…できるだけ一撃で仕留めたいところだ。
瑠璃色の刀身が輝く短刀を鞘に戻す。
「蛇皮はいい素材なので…一撃で仕留めたいと思います!」
<一撃宣言って…>
<普通そんなこと言えないww>
<【10,000円】やっちゃえかずやん!>
突進してくるアイスバジリスクに向かい仁王立ちして、短刀を構える。
アイスバジリスクが口を大きく開きこちらを飲み込もうとした一瞬――
「居合、桜華一閃!!」
キンッ!
瑠璃色の閃光が走り、刀が鞘に戻る音が響く。
「ふぅ…うまくいったようですね」
ズルリと首が落ちるアイスバジリスク。
<は?>
<えっ?>
<短刀で居合?>
<ま?>
<【50,000円】「武蔵境」ほう…中々おもしろい>
<む、武蔵境さん!?!?>
<いやいや一撃がおかしいってww>
「ありがとうございます。刀使いの武蔵境さんほどではないですよ。さて、きれいな状態で蛇皮をゲット出来ましたね!蛇の肉は前食べたので、肉は別の機会に食べたいと思います!ただ…アイスバジリスクの肉って毒とか大丈夫なんですかね…その辺も後々検証したうえで食べられたら食べますね!」
バジリスクを狩ったまでは良かったが、その後も良い食材に巡り合えず…
深層を進めていくも気付けばフロアボスだ。
「いやー…深層踏破する気はなかったんですが…ここまで来たらいっちゃいますかー」
<【10,000円】きんちょうかーん!!!>
―――――――――――
あれ?フロアボスまできちゃった笑
「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!
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