第113話 まぐろ祭り 後編
ちなみに今回YUHI提供で、ビールは会場内で飲み放題を実現することができた。
アルコールが飲めない人向けに颯爽のお茶も提供していただいた…。
YUHIには足を向けて寝れません。
「二品目はですね…クレイジーマグロとネギをぶつ切りにして、マグロの骨で取った出汁に醤油、みりん、酒と塩を入れて味を整えます。油の乗った中トロの部位とネギを入れてネギにマグロの油を纏わせます。あとは油を抽出した身はパサパサなので取り出して、キノコとマグロのぶつ切りを入れて火を入れたら…完成です!ねぎま鍋!」
ねぎまというと、鳥のもも肉とネギの組み合わせを思い浮かべる人は多いと思うが、昔はネギとマグロの組み合わせで「ねぎま」と言われていたんだ。
だからネギとマグロが合わないわけがない。これに白髪ねぎを乗せて食べれば…ビール泥棒の完成だ。
「シャキシャキの白髪ねぎと、トロッとジューシーなネギ、マグロもしっとりでうまいっす!」
キンキンに冷えたビールをグビグビ飲んでアーッっと叫ぶはじめ。
<漬け丼に、ネギマか…>
<【1,000円】食べたい…>
<寒い日の鍋ってなんであんなに旨いんだろう>
<あと二品はどんな感じなんだろう?>
「三品目は、ぶつ切りの大間のマグロと山芋をすりおろしたものを丼に乗せて、わさびをちょい乗せしたら…完成です。山かけ丼。大間のマグロは色々手を加えるよりそのままの味を味わっていただきたいと思ってます!食べる前にこのだし醤油を回しかけて食べてくださいね!」
「まずはマグロ!んーっ!おいしいー!師匠マグロおいしいです!山芋とマグロと混ぜてパクッと…ガツガツイケちゃいそうです!
「こちらには、マグロのアラをふんだんに使ったお味噌汁を付けちゃいます!」
「んー…出汁がしっかりでてて、このお味噌汁もとても美味しいです」
<姫っちゃんだ!>
<姫降臨!>
<姫っちゃんキタ――(゚∀゚)――!!>
<姫っちゃんキタ――(゚∀゚)――!!>
<姫っちゃんと山かけ丼…狙っているのか!?>
<【666円】「絶許」絶許!絶許!絶許!絶許!>
<【5,000円】いいぞもっとやれ!>
「最後の四品目は、前の配信で作った料理ですね!クレイジーマグロをステーキサイズに切ったものを、ごま油で表面を軽く焼いて、自家製ニンニク醤油とおろし生姜を溶かしたタレを回しかけて、味を絡ませたら皿に載せます。最後に大根おろしを添えたら完成です!」
「おぉ…中は少しレアでしっとりしつつジューシーニンニクが主張するかと思ったが、ほどよく食欲を刺激するぐらいでいい塩梅じゃないか。生姜でマグロの臭みも取れてて…うまい!大根おろしも口をサッパリとさせてくれる」
ガハハと亮がビールを飲みながらクレイジーマグロを食べる。
<四品の内、二品しか食べられないのか…せっかくだから大間のマグロとクレイジーマグロの二品食べたいな…>
<姫っちゃんファンとしては…山かけ丼を食べるしかない!>
<マグロのステーキ…めっちゃ旨そう>
<俺はねぎま鍋かなー…寒いし。漬け丼食べて〆は鍋にしよう…>
「皆さん!ぜひぜひ楽しんでくださいね!一応会場ではトークショー的なものを行います!皆知っている探索者、武蔵境さんやパンプキン、姫っちゃんをゲストにお迎えしてます。質問もスマホアプリで受け付けてるのでよろしくお願いしますね!」
「おいおいおーい!俺らを忘れるんじゃないよ!」
「どうもー、赤羽トランジスタと…」
「ロースです!」
「「前回は大変ご迷惑をお掛けしました!!」」
<まさかの赤羽トランジスタwww>
<イベントを荒らすなよww>
「大丈夫!流石にねー俺らからしたら恩人ですよ」
「荒らした次の日には、俺ら有明海に浮かんでそうじゃない?」
「そんなテアラナコトハ…しませんよ?」
反省したので、イベントに参加させてほしいということで、今回急遽参加してもらうことになった赤羽トランジスタの両名だ。
赤い頭がトレードマークだが、実はカツラで脱ぐとつるっぴかというのをここ最近はネタにしていた。
体当たりネタが多くてちょっと扱いに困りそうだが…武蔵境さんもいる手前なりを潜めているし、独特の話術と話のキレがあって一部の層に人気があるらしい。
実際トークショーでも遺憾なく力を発揮してくれて、トークショーは盛り上がった。
トーク中に、マグロをさばいてみようという話になったので、さばいていなかった比較的小ぶりのマグロを捌いてみたが…魚屋さんが手早く魚をさばく速度とは程遠く、魚をさばくのは結構難しいなと痛感した。
<マグロをさばくかずやん…>
<漁師かずやんだなー>
<まだまだって言うけど…メッチャキレイに切れてないか?>
<「はじめ」※さばいたマグロは後でスタッフがおいしくいただくっす!>
<うらやまー>
<【5,000円】はじめちゃんwトークショー中www>
トークショーも終盤に差し掛かり…
「かずやんってほんとに料理うまいのー?せっかくだからアプリの抽選機能で当たった人に即席で手料理振舞ってよ!会場の皆さんもどうですかー?かずやんの手料理食べたいか―!!」
「「「おぉぉおおおー!!!」」」」
なんていう赤羽さんの無茶ぶりもあって、余り食材で晩酌用に残していたクレイジーマグロの血合いを使った一品を振舞うことになった。
当選した3人を前に料理を開始する。
ライブキッチンで料理するシェフってこんな気分なのか…。
「…わかりましたよ!晩酌用の水でしっかり洗って血抜きしたマグロの血合いを使って料理しますよー!
このマグロを削ぎ切りにして、酒、醤油で軽く下味をつけておきます。
その間にルビーキャロットは千切りにしたあと一口大にサイズを整えて、同じサイズでニラもカット、あとはもやしを準備します。
あとは生姜とニンニクをみじん切りにすれば食材の準備は完了です。
次に酒とオイスターソース、砂糖、鶏がらスープ、豆板醤を合わせた調味タレを用意しましょう。
辛いのが苦手な人は豆板醤を入れなくても大丈夫ですし、家にあれば甜面醤を少し入れてもコクがでていいかもですね。
ここまでできたら調理をしていきますね!
下味をつけたマグロの水分を軽くふき取って、片栗粉をまぶしたら170度の油で揚げ焼きにしていきます。
生でも食べられるので、両面に焼き色が付いたら取り出しておきますよー。
別のフライパンに刻んだ生姜とニンニクを入れて炒め香りがたってきたら、もやしとルビーキャロットを入れて炒めます。
余り炒めすぎると食感が弱くなるので火を軽く入れるレベルでサッと炒めたあと、ニラと揚げ焼きにしたマグロをフライパンに投入します。
最後に調味タレを回しかけて味を絡めるように炒めれば…マグロの血合いで作るレバニラ風炒めの完成です!」
「めっちゃ手際いいやん…かずやん。それにめちゃくちゃいい匂いや…」
小皿に出来立ての料理を少量盛って、赤羽とロースに手渡した。
「催促したようで悪いなー…」
「せっかくだからいただいちゃいますね!…んー!シャッキシャキ!ルビーキャロットもええ塩梅ですやん」
「マグロの血合いも生臭くないし…レバーより好きかも。しかもこのタレがめっちゃ絡んでうまいわー。これご飯欲しくなりますね!」
そういいながら二人はビールをぐいっと飲み干した。
「いやー試食は役得、ただ当選した人も早くこれ食べたいと思うんで、俺らの話は切り上げて、急いで配膳しましょ!」
赤羽とロースが当選者に料理の持った皿を配膳する。
試食から配膳までのスムーズなやりとり…流石だな。
<かずやんの正真正銘の手料理…>
<【666円】絶許!絶許!絶許!絶許!(…食べたい)>
<本音が漏れ出てるwwwま、まさか…絶許氏…会場にいるのか?>
<食いつき具合から外れたと思ってたww>
<どっちだろう…>
<俺…今日の晩御飯はレバニラにする!>
「めちゃくちゃ美味しかったです!手際よすぎです!」
「かずやん…結婚してください!私…男だけど!」
「マグロのレバニラめちゃ旨でした!」
当選者の皆さんも美味しそうに料理を食べては、ビールをぐいっと飲んで大満足していただいたようだ。
ツッコミどころは華麗にスルーしていくよ!
その後のトークショーも盛況のうちに終わり一安心だ。
最後は参加者交流で握手会を実施したが…流石の姫っちゃん人気…。
圧倒的な行列を見届けつつ、俺のところに並んでくれた視聴者と握手をしていく。
渋めの漢たちは武蔵境さんと握手しては、その後むせび泣いていた。
まあ…こういう機会がないと絶対会えない人だろうしね。
「ぜ…ぜつ…絶許!絶許!絶許!」
そして俺の行列で…俺と握手するをする 女性
…うーんこのセリフ…
いや…
マサカネー…
握手が終わってスキップしながら去っていく後姿を見送るのであった。
気にしたら…負けだ。
―――――――――――
「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!
言いたいことはわかります。わかりますよ?
マグロオイシイデスヨネー…
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