第102話 深層で晩御飯

「できました!ティアマトの白焼きと、かば焼きです!」

<これはやばいw>

<見た目からして絶対旨いやつ>

<白焼きって食べたことないけど旨いの?>

うん、流石に家でうなぎを捌くことはないし、そもそも…うなぎじゃないので、うまくいくかはわからなかったが中々いい感じに仕上がったのではないだろうか?

白焼きは身がふっくらと仕上がっていて…旨そうだ。

ゴクリとのどが鳴る。

かば焼きは、しっかりとタレをなじませて、じっくり炭火で焼いたことで香ばしい香りが鼻孔をくすぐってくる。



「さあこの酒の肴ときましたら…じゃん!金色のやつ!ということで…いただきます!」

グビッと一気に飲むとシュワシュワが喉を刺激し、食欲を刺激する。

探索終わりの最初の一口は…最高だ!


「まずは…かば焼きですね!」

一口サイズにカットして食べる。

皮目がパリッと、肉厚のある身はしっとりと、ただ咀嚼すれば歯がいらないレベルでほろほろとほどけていく。

しっかりと焼いた皮目のパリッとした食感に、脂ののった身にすこし焦げたタレがしっかり絡みついて、香ばしさと甘辛いタレの味が口いっぱいに広がった。

「…グビッ!」

感想を述べる前に、一気にビールを飲み干した。

「これは…酒が進む一品ですね。皮目と身の食感の違いに、タレの少しの焦げた感じがまたいい塩梅、あとめちゃくちゃ身に油が乗っていて…これは旨いですね。お次は白焼きですが…これにはビールというより日本酒かなと!」


マジックバックから一本の日本酒を取り出した。

白焼きやかば焼きに絶対にあう一本、「東の関 手造り純米酒」もし飲んだことがなければぜひ飲んでみて欲しい。

<マジで鉄板どころを持ってきたなーかずやん…>

<というかマジックバックにどれだけ…酒を詰め込んでるんだよw>

<今回事前にかば焼きとか白焼き作ること決まってなかったのに…これが入ってるんかいw>

一部、日本酒の有識者には好評のようだ。



おちょこを取り出し日本酒を注ぐ。

飲み方はひやがいい。

飲み口はまろやかで、やや甘口ではあるが甘すぎず辛すぎず、食中酒に丁度良い塩梅だ。

せっかくなのでもう一口かば焼きを食べて、グイっと飲む。

かば焼きの脂ののった身と甘辛さを邪魔せず、純米の旨味を感じさせつつも後味はスッキリとしている。

ビールやハイボールとは違った後味で…個人的にはやはりマッチしている。



お次は白焼き、酒を振りかけたことで、ふっかふかに仕上がっている。

かば焼きとは全然違った仕上がりで、塩がまた身の甘みを引き立てて日本酒が進む。

ただ甘みが強調されてしまうと、くどくはないが…味が単調になりがちではあるな…。


マジックバックから鮫皮おろしと、生わさびを取り出してわさびの皮をこそぎ落し、鮫皮でわさびをすりおろす。

おろしたての辛味と、フレッシュな風味は生わさび特有だなと思う。


すりおろしたてのわさびを白焼きに乗せて…パクっと一口。

瞬間強烈な辛味を一瞬感じるものの、ティアマトの油と溶け合うことで甘みが際立ちツンっとはするものの辛すぎず、わさび特有の爽やかな後味がたまらない。


そして日本酒を飲めば…これぞ至高、一口、また一口と箸が進み、わさびがなくなったら無言ですりおろし…気付いたらすべて食べてしまった。

<ごくり…>

<(;゚д゚)ゴクリ…>

<スーパーに白焼き売ってないんだが…>

<近所のスーパー急に白焼き作り始めてるぞw店長視聴者かw>

<かずやんの紹介した日本酒、売り切れてないんだが…>

<公式が急にアクセスが増加して捌けない宣言をYでしてるぞ>

<【50,000円】いくらで食べれますか?>

<かば焼きばかりに目が行くけど、白焼きってこんなうまそうなんだ…>


「さて…一気に食べてしまいましたが、残りのかば焼きも食べて行きたいと思います」

そう言いながら、マジックバックから白だしと山椒を取り出し、白だしは湧き水で割って火をつけておく。


温まるのを待つまで、かば焼きに山椒振りかけて一口。

甘辛いタレとしっかり油ののった身の旨さに、山椒がピリッと口の中を刺激する。

最後に爽やかで鼻を抜けるわさびとは異なる後味に箸が進む。

やはりこれもこの日本酒がよく合う。

くいっと最後の一口を飲み干したら…


最後は…っと、マジックバックからご飯と刻みノリとネギを取り出しておく。

丼にご飯を入れたら、残りのかば焼きに、刻みのりとネギ、それと白焼きにつかったわさびを乗せる。

そこに温まった白だしをかけて…


「完成!〆の簡単ひつまぶしです!」

ズズッとだしを口に含めば白だしとタレがいい塩梅に絡み合いホッと一息させてくれる。

米とかば焼きを一緒に食べればやはりマッチしているな。

うな丼…ティア丼にしてもいいかもしれない。

少しわさびを溶かしてっと…うーん、いいアクセントだ。

他の薬味として入れたノリやネギもひつまぶしをサポートする縁の下の力持ちだな。食べるたびに、また違った一面を見せてくれる。

これは…〆にちょうど良い。


「ふぅ…ごちそうさまでした」

いやー…満足した。

ただ…竜を食べた後なのに、もうドラゴンとの味の違いを感じてみたいと思っている。

これはもう…ダンジョン中毒者ジャンキーかもしれない。

<白焼きもいいけど、やっぱりかば焼きだろ!>

<うな丼、うな重、最後にひつまぶし…やっぱり鉄板だな!>

<くー…流石に2品頼むには高すぎるぜ…うなぎさんよー!>

<かば焼きと白焼きの2色丼なんてものが登場したぞw>

<うなぎ専門店がメッチャアピールしてるw>

<釣られない…クマーーー!!>


「さて…今日の配信はこれで終わろうと思います。ご視聴ありがとうございました!」

<おつー!>

<おつー!>

<乙>

<おっつー!>

<おつー!>

<めっちゃ面白かった!>

<次回も楽しみにしてまーす!>


―――――――――――

「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!


メリークリスマス!

クリスマスプレゼント代わりに飯テロです(マテ)


いやー…うなぎ旨いですよね!

かば焼きもいいけど、白焼きもまた最高なんですよねー

あとはうなぎの肝串食べて、ビールや日本酒を楽しむ


食べ過ぎて、いつも財布がすっからかんになるんですけどね笑


次回は…どうしようかな?

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