第98話 酒はお預け
「さてお酒に合う料理を作りたいところだったんですが…この後もまだダンジョン攻略していくので、今回はサクッとご飯にあう料理を作っていきたいと思います!使うのは大葉とクリスタルダイコンあとはポン酢と塩、胡椒、あと酒ですね!」
<酒!>
<飲む用か!?>
<速攻でやっちまうスタイルw>
「安心してください…飲みませんよ!では始めます!」
「締めて部位ごとに解体した雷鳥のもも肉をホットサンドメーカーにのせて塩と胡椒、あとお酒を入れたら味をなじませましょう。その間に、クリスタルダイコンの上のほうを…鬼おろしですりおろしていきます。
ちなみにですね…クリスタルダイコンは硬いからクリスタルといわれてるわけではなくて、普通の大根より透明度が高くてうっすら透き通って見えるんですよ。ほらこうすれば見えますか?
味はというと…大根と比べてみずみずしさと甘みと辛味のバランスが個人的にはいい感じ。
大根は上のほうは甘いからサラダに向いているなんていうんですが、クリスタルダイコンは上の方でも甘いなかにピリッとしっかりした辛味があって大人の味に仕上がってます。
これに鰹節と醤油をかけてるだけで、酒が何杯でもいけるつまみができるんですが…今回はノンアルコールなのでつくりません!
ちなみに上のほうでピリッとした辛味っていうからには…下の方はかなり刺激的な味なので漬物にすれば…飛びますよ?」
<大根で飛ぶってなんだよw>
<試したくなるけど…マジヤバい味なのかも…>
「さて、そうこう言いながら鬼おろし完成しました!では味が軽くなじんだと思うので雷鳥を皮目からしっかり焼いていきます」
コンパクトガスバーナーに火をつけて皮目を下にしたホットサンドメーカーを乗せていく。
「しばらく火を通すので、この間に大葉を千切りにしておきます。包丁を使わなくてもハサミでサクッと切っちゃいましょう。切れたら…お肉が焼けるまでまったり雑談タイムですね」
<肉焼きながら鬼おろし作ったほうが良かったんじゃないのかw>
<たしかに、大葉の千切りだと尺かせげないよw>
「いやーほんとその通り!な、ん、ですがこの下味を少しでもしみ込ませるひと手間が…って言おうと思ったんですが、味をなじませるにしても、この短時間だとそこまで変わらないかもなので、手が汚れてもしっかりもみこめるなら焼きながら鬼おろし作ったほうが良いかもしれません!」
<そこはしっかり認めていくんだw>
<雷鳥ってどんな味なんだろう?>
<そもそも下層のフロアボスレベルになると市場に出回らないからなー…>
<そういやなんでかずやん武器使うようになったの?>
<たしかに…武器に頼らなくても十分じゃん>
「それはですね…ここ最近長老とお会いする機会があって、手合わせさせてもらったんです。まあ…コテンパンにされちゃいましたが。強くなりたいなら武器の特性を理解しなさいってこの武器を貰ったんです」
<長老と手合わせ!?>
<いやいや…コテンパンって…同じSSSランクでも実力差あるのかよ>
<長老の武器って…マジでヤバい奴やん>
<武蔵境さんの刀も長老の武器だったんでしょ?マジでヤバいヤツじゃん>
「ははは…、本当にヤバいと思いますよ。武器の性能が高すぎるので、自分の実力が上がったなんて思いあがったらいけないですね!」
<うーん…武器は確かにヤバいかもしれんが…かずやんは武器がなくても十分規格外だろ>
<これ以上強くなって何を目指してるんですか笑>
「…おっ、皮目が良い感じに焼けてきたのでひっくり返しますね!ほら見てくださいこの皮目、絶対ウマイ奴です」
<鳥の皮がしっかり焼けたのって食欲促進するよね!>
<話を変えたなwでも確かに旨そうだ>
<スーパーで鶏もも肉と大根買ってくる>
<材料だけで作るもの…なんとなく想像できてしまうけど…絶対ウマイやつだよね>
「流石に今回作るものは…想像しやすいかもですね!さて、お肉も両面焼けてきたので一口サイズにカットして…ここに鬼おろしと大葉を乗せて最後にポン酢をかけたら完成です!サッパリおろし鶏!」
ビールがあれば究極完成形…ではあるのだが、この後もダンジョン(以下略)なので、マジックバックから出来立ての米と、こういう時の心のオアシス、ノンアルコールビールを取り出した。
「では…サッパリおろし鶏といえば、この…ノンアルコール版金色のヤツを…いただきます!」
パカッと蓋を開けて、一気にグイっと飲めば喉を通るは麦の旨味とキレ。
アルコールはないがこれはこれでまあ旨い。
「さて、ではこのポン酢がたっぷりかかった鬼おろしと一口サイズにカットした雷鳥のもも肉をいただきます」
鬼おろしのシャクっとした食感、バリっとした皮に親鳥のように弾力のある雷鳥の肉、噛めば噛むほど肉の旨みがあふれ出てくる。
そして肉の旨味を感じながらもダイコンとポン酢が口の中をさっぱりとさせ、最後にピリッとくる辛味が食欲を刺激して箸を止めさせない。
…これは…滅茶苦茶お酒が飲みたい。もうちょっとピリ辛感があってもいいなと追い七味を振りかける。
「雷鳥は親鳥みたいな食感ですが、親鳥とは比べ物にならないほど旨みが詰まってますね。そのままだとくどくなりそうなところを鬼おろしポン酢が口の中をサッパリしてくれるので箸が進みます!」
金色のヤツを早々に飲み干し、ここからは白米のターン。
お酒を楽しむようになるとお酒に合う料理を作って食べがちで、お米の変わりにお酒を飲んでしまっているが、今回はお米が進む料理を作ったつもりだ。
試しに米にバウンドして食べると…追い米したくなり欲望に忠実に追い米したら口の中に幸せが訪れた。
<あ…めっちゃうまそう>
<鶏肉とおろしポン酢の組み合わせはそりゃそうなるでしょ>
<親鳥ってスーパーに売ってない…>
<基本スーパーで売ってるのはブロイラーだからね。親鳥は通販で買うといいよ。ただ胸肉は若鳥より硬いから食べる覚悟が必要だよ!>
<親鳥は炭火焼にしたらマジでヤバい。芋のロックが秒でなくなるで>
「炭火焼もいいですねー…。でも今回は…今回は…この後もあるんで…絶対ダンジョン探索終わったら酒配信しますよ!!!」
昼食をしっかり食べたところだが、食欲を刺激されてしまい…。
深層踏破したならば、炭火焼は必ず食べようと心に誓ったのであった。
―――――――――――
「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!
大変ご無沙汰しております。
勉強嫌いが色々あって資格勉強してました。
長文は近状ノートに記載しているので割愛します。
久々に執筆を開始すると…執筆速度が予想以上に下がってることに驚きました。
ここ数話1000文字程度に落として毎日更新を続けるか?とも思いましたが…。
書きたいことを書きたいだけ書こうと思ってます。
更新頻度は落ちるかもしれませんが1話のボリュームは少し多めでお届けできればと思っているので、お付き合いいただけると幸いです。
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