第94話 SSSランクの昇格(1)
ギルドに着いた俺は、受付を済ませると神田さんがやってくる。
「すみません。来ていただいて…私についてきてくれますか?」
そう言って局長室と書かれた部屋に連れてこられた。
「局長、和也様をお連れしました」
神田さんが扉を叩くと、入ってくれと声が返ってくる。
「失礼します」
「ああ、神田君ありがとう。そして久しぶりだね、かずやん」
とりあえずそこの席に座ってくれと言われて、席に座る。
「コーヒーがいいかい?紅茶もいいのがあるがどうする?」
「えーっと、ではコーヒーをお願いします」
「神田君はどうするかい?」
「では、私もコーヒーをお願いします」
「わかった、ちょっと準備するから待ってくれたまえ」
コーヒーのいい匂いが部屋に充満する。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
一口コーヒーに口を付けたところで、さて…と四ツ谷さんが口を開いた。
「改めて…深層踏破おめでとう、かずやん」
「ありがとうございます」
「今回わざわざギルドまで来てもらったのは……君にはSSSランクへ昇格してもらいたいと思っているんだ。知っての通り日本には深層踏破できる実力を有する探索者が長老以外にいない。そして同等の偉業を達成したかずやんにはSSSランクになる資格がある」
「ま、待ってください!お、俺がSSSランク?」
つい先ほど長老こと剛三郎さんと手合わせしてきた身だ。
その実力差には痛感していた。
それなのにSSSランク?あの長老と同ランクになれと?
「ああ、戸惑うのも無理はない話だ。しかし…かずやん、君が成し遂げたことは世界の上位探索者がパーティーを組んでなんとか実現してきるレベルなんだ。それを君は一人で成し遂げた。この実績を上げてSSSランクが誕生しないとなると、日本の有望な探索者は日本を見限って、世界に出ていってしまうことだろう」
そう言われてしまうと辞退することなどできない。
辞退すれば海外流出に歯止めが効かなくなると言いたいようだ。
そうなると待っているのは…ダンジョンブレイクの頻発による日本という国の崩壊だ。
「わかりました。長老との実力差は肌身で感じましたが…実績ということであれば受け入れます」
「ん?かずやんは…長老と会ったことがあるのかい?」
「たまたま会う機会があって、稽古を付けてもらってました」
どこまで言うべきかは悩むところだが、とりあえず当たり障りないところだけを話した。
四ツ谷さんは少し考えこみつつも…自己完結したのか。
うんうんとうなずいた。
「わかった。SSSランク昇格の同意ありがとう。神田君すまないが、かずやんの探索者ライセンスを受け取って手続きをしてきてくれるかい?少しかずやんと話があるんだ」
「わかりました。では和也様。探索者ライセンスをお渡しいただけますか?」
SSランクの探索者ライセンスを神田さんに手渡すと、神田さんは部屋を後にした。
―――――――――――
SSSランクキタ――(゚∀゚)――!!
勉強は…頑張っておりますが…
まだまだ時間が掛かりそうです
「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!
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