第45話 強制ミッション(2)
「かずやんです!連日の配信になりますがよろしくお願いしますー!」
朝7時のゲリラ配信ということもあったが、少しずつ視聴者が増えていく!
<おはようございまーす!>
<おはようございます!>
<かずやん、おはよー!>
<えっ、ゲリラ配信!?>
<マジ!ラッキー>
<ありがとうございます!>
<【8,989円】今日はどんな配信ですかー?>
「えーと…ギルドのミッション…内容って言ってよかったんだっけ…?」
<ギルドのミッションって…噂で聞くSSランクの強制ミッションですか!?>
<まじ?SSランクのミッションって何があったんだ?>
<「ギルド公式」かずやんさんには、ダンジョンブレイクを検知したためこちらのダンジョンを探索してもらい、先行するAランク探索者パーティーのパンプキンとSSランク
<ギルド公式!?!?>
<武蔵境って…長老の弟子か!?>
<マジ?ワンチャン配信で見れるの?>
<やべっ!神回じゃん>
<パンプキンもここ最近人気が出てきてるパーティーじゃん>
<マジか!>
<でもダンジョンブレイクを検知って…マジ?>
<災害ランクは?>
<検知ってことは、まだ可能性があるだけってことだろ?>
<「ギルド公式」皆さんのご認識通り、今は調査を行っている段階です。この配信についてはギルドもリアルタイムで情報を得るために行っています。>
この感じ、神田さんが対応しているのだろうか?
本来であればツッコミどころはあるはずだが…逸らしつつ話を進めているのは素直に感心だ。
「ありがとうございます。早速ですがダンジョン探索していきます。今日は飯配信は予定してないのでご了承ください。」
<了解!>
<がんばれー!>
<かずやんがんば!>
上層の3層目まで来たが、ここまでモンスターが1匹も出てきていない。
ここまでモンスターが出ないのはおかしい。
<モンスターが1匹もでてこない?>
<かずやんの威圧効果?>
<かずやんそんな能力あるの?>
「ないですよ!確かに俺もモンスターがいないなーって思ってたんです。不気味ですねー。」
<緊張感!>
<いつも通りで安心するけど、心配するわ!>
<ミッション中だよね?この配信…>
<「ギルド公式」……>
神田さん無言は怖い……。
上層のフロアボスはすでに討伐されているようで、ポータルだけが残っていた。
「先行部隊は先に中層に入ったようですね!俺も先に進みます!」
中層に入っても、1層、2層とモンスターがいない。
人探しもしているが、人の気配も感じない。
中層3層目に足を踏み入れた瞬間――
ブワッっと空気が変わる。
「んー…どうやらなにかありそうですね。」
無意識のうちに足が速くなる。
戦闘のニオイが濃くなってくる。
開けた場所に出た。
どうやらこのダンジョンは普段のダンジョンと作りが変わっているようだ。
中層の3層目と下層の1層目がつながっており、中層3層目から下層1層目をのぞけるようになっている。
下層はダンジョン型のようだ。
中層から下層をのぞけるようになっていて、のぞき込むと中央に平らで大きい大岩が設置されている。
その大岩の上でモンスターに囲われながら…5人のパーティーが戦闘を繰り広げていた。
例えるなら中層のここはコロシアムの観客席、下層はコロシアムの試合会場のようだ。
休む暇がないのか、Aランク探索者パーティーパンプキンの面々の顔は疲労の色が浮かんでいるようだ。
片っ端から倒しても、通路の奥からはモンスターが続々とあふれ出てきて、パーティーの周りを隙間なく取り囲んでいく。
この状態が続くのはマズイかもしれない…。
「ダンジョンブレイクをパンプキンの方々が防いでくれていたようですね…とはいえ倒しても湧いて出るモンスターに疲労の色も濃く限界のように見えます。俺も…援護に行きます!!」
上層、中層とモンスターがいなかったのは、下層にモンスターが集中していたからだろう。
もし彼らが倒れてしまったら…そのモンスターは地上に向かって溢れ出てきてしまうことだろう。
中層の穴へ飛び込むと、下層に向かって勢いよく下降していく。
「
急降下しながら、全身が燃えるように熱くなる。血流が速くなり鼓動が急激に鐘を打つ。
食材の判断ができなくなってしまうのは欠点だが、今はそれどころではない。
モンスターの頭上に着地し踏みつぶすと、その周辺にいたモンスターに向かって氣を纏った腕を思いっきり振り回す。
氣に触れたモンスターがバターにナイフが入るようにサクッと切れる。切れたところにもう片方の腕を振り下ろすとミキサーのようにモンスターがみじん切りになっていく。
<前の
<上層、中層のモンスターもいるけど、下層のモンスターもスパスパ切れてるぞ?>
<氣ってあんなことできるの?>
<俺Bランク探索者だけど、絶対無理…>
<かずやんは人類ではなくかずやんって種族だったのか…>
<人類を超越してるよね…>
近づいてくるモンスターを片っ端から粉砕しつつも、モンスターのコアを見つけたらかみ砕いては摂取を続ける。
それを続けること10分――
モンスターの気配が完全になくなった。
コメント欄が静まり返る。
…
……
<【50,000円】すげー!!!人間技かこれ?>
<【50,000円】まじやべー!!!!>
<【50,000円】かずやん最強!かずやん最強!かずやん最強!>
<【50,000円】「姫っちゃん」師匠!流石です!>
<姫降臨!!>
<姫降臨!!>
<姫降臨!!>
<これは神配信!>
<いやいや絶対に日本でもトップクラスだろ…>
<SSSランク爆誕か!?>
<何匹ぐらい倒したんだ?>
<数百以上じゃない…かな?>
ブシューー!!!
全身の熱が気化し一気に放出される。
高鳴った心音も少しづつだが落ち着きを取り戻す。
10分間の発動は今まで経験がなく、かなり疲弊した。
ぽたぽたとあふれ出る汗をぬぐい、マジックバックから湧き水が入ったボトルを取り出すと一気に飲み干した。
―――――――――――
長老の弟子の実力はいかに!
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