第41話 姫っちゃんコラボ~おかわり~(1)

はい、土下座スタートになります。

デジャブ?

寝息を立てる姫っちゃん。

事務所に帰ってきた俺のまず最初の土下座…それは誰に対しての土下座か?

そんなの――

「頭を上げてください」

頭を上げると、イケオジの三鷹さんが微妙な表情を浮かべてこちらを見ている。


「えと…配信中にすみませんでした!」

額を地面に擦りつける。

何度思い返しても、稼ぎ頭の姫っちゃんにやりすぎたという自覚はある。


「とりあえず…頭を上げてください。」

困惑した表情を浮かべ、ぽりぽり頭をかく三鷹さん。


「今回の件に関しては、不問とします。むしろ感謝しているぐらいです。」

「えっ?か、感謝ですか?」

思い返せば、生配信で不適切な配信をしてしまった自覚はある。

感謝という言葉は理解できぬ…。


「うちの姫路が今回のコラボで自身の成長を実感してAランクを目指すといったのです。そのきっかけを与えたのは和也さんあなたです。過程に少々問題があったとしても、それを責める道理はありません。」

大人の微笑みを浮かべる三鷹さん。

DMは過程で、結果は不問だったと…。

「また今回の部分は高尾さんが編集でカットしていただけるとのことで、生配信を見ていない人には影響は少ないというのも判断材料となります。まあ…切り抜きが出てくることを考えると消えることはないので頭は痛いですが…」

本当に不問なのだろうか…?少し不安になってくる。


「あの、今回の件ではご迷惑をおかけしました。今後なにかあればできる限りサポートさせていただきます。」

「ほう…、では姫路を《今後とも》よろしくお願いしますね?」

「はい、俺なんかで良ければ、今後もサポートしていきたいと思います。」


その返事に満足したのか、三鷹さんはうんっとうなずくと――

「よかったですね姫路。和也さんも今後も《人生の》サポートをしてくれるそうですよ。」

えっ?なんか飛躍してないですか??

そして、姫っちゃん…?

寝息を立てていた《はず》の姫っちゃんは、手で顔を抑えつつのぞかせる肌は真っ赤に染まっている。


「え?人生?配信のサポートですよね?」

「和也くん…男に二言はないよ…ね?」

微笑みを浮かべているようで目の笑っていない三鷹さん。

強敵を相手にしたときの圧倒的な圧を感じる。



「ちょーっと待つっす!三鷹さんそれは搦め手っす。パイセンの善意に漬け込みすぎっす。看過できないっすね。」

バッっと勢いよく俺と三鷹さんの間に割って入る高尾。

張り詰めた空気が霧散する。

「おっと…これは失礼しました。」

「わかってくれてうれしいっす。(油断も隙もないっすね…)女性配信者のスキャンダルは配信人生に関わるっすよ!マネージャーならその辺注意するのが普通っす。」

「ははは、ご忠告どうも、私は姫路に幸せになってもらいたいものでね…しかし(これは一筋縄ではいかないようですね)今回はこれぐらいにしておきましょう。」

視線にピリッとした空気を感じたのは一瞬で、その後は和やかな(?)雰囲気になる。

国立さんもアタフタしていたが、ひと段落して安堵の息を吐く。



「えーと、皆さん晩御飯まだですよね?良かったら皆さん食べていかれます?料理配信になっちゃいますけど?」

「「お願いします(っす)」」

「私もご相伴にあずかってもよろしいので?」

「ぜひぜひ、姫っちゃんも食べられますか?」

「はい!師匠!」

国立さんも手を挙げている。

時間は18時、晩御飯にはまだ早い時間なので少し料理に時間を掛けてもよさそうだ。

今日はいいうさぎ肉が入ったので、うさぎの赤ワイン煮込みを作るとしよう。


―――――――――――

ああああー★200記念

皆さん本当にありがとうございます!


エピローグ回です。三鷹さんは探索者じゃないけど

圧倒的な何かを持っている可能性…


次回、掲示板回代わりの雑談配信


「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!

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