第34話 姫っちゃんコラボ(1)

「どーもどーも、初めましての方もこんにちはの方もかずやんです。」

「はーい、こんにちは!姫っちゃんチャンネルの姫っちゃんでーす!今回は何と…和也のダンジョン探索記のかずやんさんとコラボすることになりましたー!」

<姫降臨!>

<姫降臨!>

<【1,000円】うぉー!!待ってた>

<姫っちゃんとコラボキタ――(゚∀゚)――!!>

<楽しみ!>

<【666円】絶許>

コメントが弾幕のように流れていく。


「知らない人向けにですが、かずやんさんとのコラボのきっかけは、少し前にダンジョン内でイレギュラーのサイクロプスと遭遇してしまって、必死に逃げたんですが…壁まで追い詰められちゃって…もう駄目って諦めかけたところに、たまたま仕事帰りのかずやんさんがこちらに気付いてに助けてもらったんです。最初見た時はスーツ姿で武器らしいものは持ってなくて、変わりにお酒持っててビックリしました…」

「たしかあの時、会社帰りだったんでお酒ぐらいしか持ってなかったですよ…15連勤だったのと久々のお酒で酔いが回って、気付いたらダンジョンの中層にいたんですよねー。」

<15連勤って…ブラックすぎ>

<酔っぱらって中層って…それはないww>

<でもあったんだよなー>

<上層はどう突破したのか、めっちゃ気になるな>

<確かにw>

<あとイレギュラーのサイクロプスの目玉をからあげ棒で一突きは衝撃的だったなー>

<それはヤバいww過去配信見直してくる!>

<過去配信は姫っちゃんの動画見るんだぞー!>


「さて、今日の配信ではどんなことをやっていくんですか?」

コメントの流れを見つつ、テンポよく話を進めてくれる姫っちゃん。流石MouTubeの大先輩だ。

「本日の配信は草原フロアの下層まで下りて、飯の食材を調達してダンジョン飯をしようと思います!」

「下層…私ソロだとCランク相手にするので手一杯ですが大丈夫ですか?」

「んー大丈夫だと思いますよ!しかも今日の獲物は俺よりも姫っちゃんのほうが一杯取れるかもしれません。なので期待してます!」

「か、下層ですよね?」

「下層です」

<不安がる姫っちゃんも可愛い>

<でも下層だよね?マジ大丈夫?>

<かずやん何かあったらヤバいぞ?>


「えっ、大丈夫だと思いますよ?でもそうですね…万が一何かあったら一生かけて償わないとなので気を付けないとですね。」

「えっ一生!?」

姫っちゃんの顔が赤いような気がする。

<あー…>

<【666円】絶許!絶許!絶許!>

<ガチ恋勢…怖い!>


皆なんで騒いでいるのかよくわからないが、急にコメント欄が荒れだす。

「えーと、皆さんも姫っちゃんもどうしたんですか?何かが起きないよう命に代えてでも俺が絶対に姫っちゃんを守るので安心してください!今日行く場所は下層だけど入口付近はCランクモンスターとか、よくてBランクモンスターとかしか出ない場所ですから。そこまで心配しなくても大丈夫ですよ!(たまにAランクも出るけど…)」

<「はじめ」パイセンの天然…>

<はじめちゃんだーちーっす!>

<「はじめ」ちーっす!>

<かずやんのたらしー>

<【666円】絶許!絶許!絶許!絶許!絶許!絶許!>


絶許の人落ち着いて…。

「はじめは仕事中だろ、仕事しろー!」

高尾と言いたいところだが、配信中で流石に呼ぶわけにはいかないので配信時の名前を呼んで黙らせる。

<「はじめ」!!!うるさいっすよパイセン!私だってこの後に動画編集するんっすから、構成を考えるために見てるんっす。これは仕事っす!>

言われてみれば一理ある。

「おっと、それはすまん。じゃあ静かに見ててくれ。」

開始早々想像と違う方向で盛り上がったが気を取り直して――


「では上層、中層で姫っちゃんの戦い方を見せてもらって、参考になるかはわからないけど俺なりに気になった癖とか指摘できればって思ってます。その総仕上げで下層モンスターと戦ってみましょう!」

「はい!師匠!よろしくお願いします!」

師匠か…なんか不思議な気分だな。


―――――――――――

今更ながら…姫っちゃんの描画今まで一切なかったですね

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