第26話 下層配信(1)

国立さんは有能だった。

とりあえず山のように貯まっていた仕事の仕分けと優先順位付け。

今後の方針決め、そして――


「皆さんご無沙汰してましたー!SSランクに昇格したかずやんでーす!」

約2週間ぶりの配信。

国立さんがスケジュール調整をしてくれたおかげで、最低でも週に1回は配信できるようになったのだ。



<【1,000円】SSランクオメ>

<待ってたぞー!>

<姫っちゃんとのコラボマダー?>

<【8,989円】今日の配信はなにー?>

<今日は荷物少なくない?>

<【500円】そんな荷物で大丈夫か?>


「大丈夫だ、問題ない。っていうのもトゥルルルルルー!ジャン!マジックバック」

色々問題になりそうな空気感を感じなくはないが、久々の配信テンションの高さとノリは重要だ。


<本当に存在したんだ!>

<チートキタ――(゚∀゚)――!!>

<これは…ヤバい回>

<それはいつものことww>

<MUKAKINの丸パクリww>



「なんでも入るだけって思ってたんですが、実はこれ…入れたときの状態を維持してくれるっていう機能もあるんですよ!下層でキンキンの金色が飲めるようになるんですよ!」

おっと想像しただけでよだれが出そうになったのを我慢、我慢。


「さて今日は、下層探索で料理配信をしようと思いまーす!良かったらチャンネル登録してね!」


<あえて狩るモンスターを言わないスタイル>

<でも下層探索するような雰囲気は感じないんだよなー>

<前、決死の覚悟で下層攻略を始めるって言ってたやつとの温度差>


「これでも自分SSランクなので、他の方と比較はしないでくださいね!」

色々説明しながら、軽く釘をさしつつも、足を止めて時間を消費してしまうのが時間的にもったいない。

走りながら説明しつつ、所々で配信の邪魔をするモンスターを羽虫のごとく蹴散らし上層、中層と階層を踏破した。



「というわけで…下層に来ましたー!」

<早すぎw>

<【1,000円】説明しながら中層踏破は流石に草>

<ここでしか見れなくて色々バグる>


今回探索する下層は、山岳ダンジョン。

所々、岩肌が露出していて歩きにくい。森林地帯バージョンじゃなくて良かったかな?

その代わり右も左も岩山、岩山。

「今回は山岳ダンジョンなんですよねー。基本山肌を歩くなることになるので普通の道を歩くより体力を消費するからしんどいはしんどいんですよね…」


この手の山に出現するモンスターは、ゴーレムやオーガ、トロールというように食べるのに適さないようなBランクモンスターが多数出現する

ゴーレムは岩の塊だし、オーガは人と鬼を足しで2で割ったような見た目で、身長も人と大差ないので禁忌に触れる感じがして食べられない、とはいえ倒しはするんだけど。

トロールは…ひどい悪臭で食べたいと思わない。

くさやも苦手だ…しかもデカいので臭いが広域的に広がる。

どんなにおいしい食事も臭さで台無しになること間違いなしなので個人的に遭遇したくないモンスターの上位に該当する。

あー…あとは昆虫系のモンスターも多数出てくるが、昆虫食は専門外なので、そういうMouTuberを探してほしい。


とりあえず、あそこに見えるゴーレム3体と軽く手合わせして腹ごしらえしましょうか!

大小さまざまな岩の塊でできたゴーレム。

「ぱっと見強そうには見えないんですが、これ相手にするのちょっと大変なんです。」


―――――――――――

有名な棒ゲームのセリフを採用したけれど、その棒ゲームももう相当昔の作品になるんですね。

金曜日今日が終わればお休みです!ストックあるので本日2話更新しますね!


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