第24話 SSランク!?

「では、SSランクに昇格する場合の説明をさせていただきます。」


SSランク昇格した時点で、ギルド所属だけではなく、国の探索者としても所属することになるらしい。

メリットとして、一般探索者では探索禁止とされているダンジョンの探索許可証が発行される。

次に、日本全国の公共機関を無料で好きなだけ利用可能となる。

しかも利用できる新幹線はグリーン車、飛行機はビジネスクラスらしい。


またギルド、国からの依頼で買い取ったドロップ品は課税所得に含まれず、税金が掛からないよう手続きしてくれるらしい。

ドロップ品の買取は雑所得に該当するので、総合課税の対象になり稼げば稼ぐほど税率が上がるようになっていて、

課税所得4千万を超えると、税金が45%が掛かってしまうので、課税所得に含まれないのであればそれはとても助かる。


それ以外の優遇については分厚い冊子を渡され、その中に書かれているとのこと。

読む気がなくなるサイズだが、専属サポーターが利用できるものを適宜サポートしてくれるので覚える必要はないらしい。

まさに至れり尽くせり。


その代わりにSSランクになると国やギルドから強制ミッションが発令されて、強制参加することになるらしい。

理由なき不参加は、探索者権限のはく奪の可能性もあるとのことで考えさせられる。

過去のミッションも軽く説明を受けたが、国とギルドで年に最低2、3回は何かしらの依頼があるようだ。


「SSランクの昇格いかがでしょうか?」

「う、うーん…」

メリットは魅力的だが、デメリットも結構あるよな…と思うと決め手に欠けていた。

やはり強制参加型のミッションというのが引っかかる。



赤ぶちの眼鏡を整えて、ふむっと思案した神田さんは改めて口を開く。

「あっ、とても大切な説明を忘れておりました。SSランクになるとギルドだけではなく、国から強制ミッションとして素材の回収依頼が発生します。もちろん回収後は適切な金額で買い取ることはお約束します。ただ素材回収は場合によっては品が大きくなったり、量が多くなってしまうことが想定されるためギルドからマジックバックが支給されます。」

「ま、マジックバックですか?」

えっ、あれって都市伝説じゃなかったのか…。

なんでも入る袋ってある意味チートだしね。


「マジックバックをご存じのようですね。」

「ええ、なんでも入る魔法の鞄があるっていうことぐらいですが…」

「なるほど…マジックバックはなんでも入る袋にも効果があります。」

「そうなんですか?」

眼鏡がキラリと光ったように感じた。


「入れた時の状態を維持し、いつでも好きな時に取り出すことができるのです。」

「ほ、ほう」

確かに便利そうだが、それがメリットに…なるのか?


「しっくりされていないようなので、ここで使用例をご説明しますと、ダンジョンに行く前に炊き立てのご飯をタッパーに詰めてダンジョン内で取り出したり、キンキンに冷えたビールを鞄に入れ…」

「SSランクの昇格をさせてください!」

神田さんが言い終わる前に、頭で考えるより条件反射で神田さんの手を取った。


考えてみてくれ、下層でキンキンに冷えたビールだよ?

雪山だったらまだしも火山だと熱いビールを飲まなくてはならない、あれは…マジで飲めたものじゃない。


入れた状態を維持するっていうのも魅力的だ。

ビールを開けたときに吹き出す心配がなくなる。

それだけで十分なはずなのに、炊き立てのご飯も持ち運べるなんて…ダンジョン奥地で丼物が食べられる。

さらに調理器具や調味料も制限を気にしなくてよくなるなんて…マジックバック恐るべし。



「ありがとうございます。いいお返事が聞けて私もうれしいです。ですが…あの手を…」

バッ!

「す、すみません。魅力的な提案すぎてつい、条件反射で手が出てしまいました!」

即座に立ち上がり、一歩下がったら…スライディング土下座だ。


「あっ、いえ。大丈夫です。顔を上げてください。ちょっと驚いただけですから。」

少し顔が赤いように感じるが…。


このあとギルドに行きSSランクの手続きをして、ギルドでマジックバックを受け取り解散することになった。


―――――――――――

株で配当金を受け取ってて、課税所得900万以下の場合、総合課税で申告するとよいケースがあったり…

な、なんと1万PV達成しました!一つの目標だったのでうれしいです。

感謝の気持ちを込めてこの後19時にもう一話更新します!

「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!

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