第23話 Sランク
飛び起きた俺は、急いで待ち合わせ場所の喫茶店に向けて走っていた。
昨夜はストロングチューハイ片手に自宅で雑談配信をして、配信終わる頃には泥酔していた。
泥のように眠り、目が覚めると待ち合わせ時間1時間前。
最低限の身だしなみを整え、全力ダッシュで喫茶店に向かった。
待ち合わせ時間3分前、ギリギリ間に合った。
個室のある喫茶店は初めて来たが、防音性に優れていて重要な会議をするために利用されているようだ。
「ぜ、ぜぃ、うっっぷ…す…すみません。待ちましたか?」
「いえ全然…それより大丈夫ですか?」
肩で息をする俺を、神田さんは心配そうにしてくれる。
「いえ…大丈夫です。時間ギリギリですみません…」
「あはは、昨日夜遅くまで配信されていたようなので仕方がないですよ。それより二日酔いとかは大丈夫ですか?」
水を差しだしてくれる神田さん。気遣いがとてもありがたい。
少し落ち着いたところで、本題に入った。
「まずは、急な依頼でしたがグリフォンの討伐ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらとしても配信が盛り上がったので助かりました。」
つい先日投稿したグリフォンの動画は即日100万再生を突破し、その後チャンネル登録者も順調に増えている。
「それは良かったです。まずはSランク昇格おめでとうございます。こちらSランク以上の方に渡す探索者ライセンスになります。」
神田さんから、ずっしり重いカードを受け取る。
Sランク以上のカードはオリハルコンで作られていて、証明情報がカード内部に刻み込まれているらしい。
簡易証明として表面にSと印字されていて、最大SSSランクまで追記できるようになっているようだ。
「S級昇格されたので専属サポーターとしてギルド職員の私が和也様のサポートを行うこととなります。以後よろしくお願いいたします。」
「神田さんがサポートしてくれるんですか!頼もしいです!よろしくお願いします!」
顔を赤らめた神田さんは、こほんっと咳払いしつつ話を進める。
「和也様の実力はSSランク以上と評価しておりますが、SSランク以上になるためにはこれから説明させていただく内容に同意いただく必要があります。ここまではよろしいですか?」
「は、はい…俺がSSランク?他の誰かと間違っていませんか?」
SSランクの実力があると言われても、正直実感がわかない。
ズイッっと神田さんが顔を近づけてくる。いや本当に近いって。
「和也様、私はあなたの専属サポーターです。私の目が黒いうちは間違うことはありません。」
神田さんの目は…マジだった。
―――――――――――
オリハルコンとアダマンタイトってどっちが固いんですかね…
「★★★」や「ブクマ」いつもありがとうございます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます