第3話 掲示板回とサラリーマン

姫っちゃんの雑食スレ21


401:名無しの食材

なあ、、、これマジでヤバくないか


402:名無しの食材

姫っちゃんいやだ;;逃げて―!!


403:名無しの食材

誰か助けに行けよ!


404:名無しの食材

サイクロプスってあんなに早く動けるのかよ…


405:名無しの食材

>>404

んなわけないだろ、ゆっくり振りかぶった棍棒を避けたらあとはヌルゲーでDランク探索者でもソロで倒せる雑魚の代表格だぞ


406:名無しの食材

>>405

でもウォーハンマーありえないぐらい早くないか?


407:名無しの食材

>>406

イレギュラーだろうな。あんなに早く動くサイクロプス初めて見たわ


408:名無しの食材

ってことは、Bランク相当ってことかよ…


409:名無しの食材

中層ソロ探索は可能な姫っちゃんでも、Bランクのイレギュラーを相手するのは流石に厳しいだろ


410:名無しの食材

姫っちゃんのグロ姿見たくないよ;;


411:名無しの食材

姫っちゃん逃げて―!


412:名無しの食材

ああああ、、、、行き止まり


413:名無しの食材

ああ、まだ姫っちゃんと付き合えてないのに…


414:名無しの食材

だれか、、、


415:名無しの食材

姫をたすけてー!


416:名無しの食材

おいまて、誰か来たぞ?


417:名無しの食材

今深夜2時だぞ、モンスターの増援か?


418:名無しの食材

いや、あれは…コンビニの袋もってね?


419:名無しの食材

んなバカな…ほんまや!?


420:名無しの食材

探索者というより、スーツ着た普通のサラリーマンじゃね?

しかもなんかめっちゃくたびれてる…


421:名無しの食材

そんなことはいいから、姫っちゃんを助けて;;


422:名無しの食材

いや、武器も持ってなさそうだし無理だろ…


<姫路Side>


助けが来た。奇跡が起きたと思ったのもつかの間

視界に入った男はコンビニ袋を片手にスーツ姿、どう見ても仕事帰り。

何がどうやって中層に来てしまったのか?

わけがわからないが、恐怖からか立ち止まってしまっているように見えた。

そりゃそうだ。緑の大男なんて一般人からしたら腰を抜かしてもおかしくない。

「なんで…こんなところに一般人が…私のことはいいから逃げなさい!」

助けを求め叫び続けてのどは枯れてしまっているが、一般人を巻き込むわけにはいかず最後の力をふり絞り大声を上げた。


「えーと…このデカブツ倒しちゃっていいの?獲物横取りで訴えたりしない?」

男の第一声に時が止まった。この男は…何を言ってるんだ。

このサイクロプスをDランクモンスターと勘違いしているのか?

いやしかし武器も持ってない状態では、Dランクのサイクロプスを相手にできるはずがない。


しかし藁にもすがる思いで声が出ない私は首を縦に振ることしかできなかった。


<助けキターー!>

<助けって、スーツ姿で中層って自殺志願者じゃない?>

<サイクロプスも男を見てるぞ?>

<いやあれ絶対イレギュラーってわかってないだろ>

<姫っちゃん今のうちに逃げて!>

<それはそれでぐう畜だけど…今しかない!>

<でも倒せない相手ならどっちか逃げるしかないでしょ>

<でも逃げるにも逃げ道ないんだよな…>


私が首を縦に振ったのを確認した男はオッケーと手で合図する。

私のせいで彼を危険に晒すのは申し訳なさしかない。

「んー、武器になりそうなもの…あっ」

そう思っていると、男はコンビニ袋をガサガサ漁ると何かを食べた後の棒を取り出しサイクロプスに向けて挑発を始めた。

意味が分からない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る