新作掌編「不規則勤労」



「あ、お疲れ様です。定時ですので、お先に上がります」

「おい待て。誰が帰っていいと言った?」

「え? いや、だって定時ですし……」


「周りを見てみろ。定時だが、帰りの支度をしている奴がいるか?」


「…………」


「定時は帰っていい時間じゃない……分かったら仕事に戻れ、新人」


「はぁ……いいですけど。なら『定時』って言うな……二度と使うなよ?」




 …了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る