7回 立花翔、己のズレを知る

その後下層で探索を続けモンスター達を屠っていく翔

このダンジョンは洞窟なのに大空が広がっており、それにともなって鳥系のモンスターが多いようだ

ちなみに大闘鶏のドロップは大きい卵だった

立派な鶏冠してたのにあいつメスやったんか


大きなダチョウ(A級 爆走鳥)

足をかけ、こけた所に首に向かってフライングエルボーでKO


大きな鷹 (A級 ソニックホーク)

頭をめがけて突っ込んできた所に背中を反り攻撃を避けたと同時に胴体を抱え込みそのままバックドロップ


目が痛くなるような色をしたクジャク(S級 幻惑孔雀)

羽を広げ相手に幻惑を見せようとしてきたが身体強化で感覚を強化し無効にしてそのままワンパンKO


ピンクのカカポ(F級 激レア カカモン)

その愛くるしい姿と全ての生物の母性本能をくすぐる鳴き声で強いモンスターの保護下に入る能力を持っている為、カナが陥落

カカモンだけでは生き残れない為保護



「は~、やばい・・・カカモンマジカワイイ」


『俺、初めて生きてるカカモンを見た』

『これ何年振りのカカモンだ?』

『8年ぶりくらいじゃね?無傷で発見なら初かも』

『そもそも、日本のダンジョンにカカモンいたのか・・・』

『それもそうだが、カナンちゃんデレデレやんけww』

『ぬいぐるみを買ってもらった子供かな?』


カカモンを胸に抱き、顔をだらしなくなっているカナ

外見も相まって大きめのぬいぐるみを抱いている子供しかみえない


「飼う・・・私カカモン絶対飼う!!」

「キュルキュルキュル?」

「きゃーーーーーーー!!♡」


『母性爆発ww』

『男性より女性の方が効果抜群だしねww』

『でもんなホンワカ雰囲気を出してるけど、後ろではショウがまた爆走鳥を一撃で仕留めたぞ』

『今度は走ってくる爆走鳥をラリアットで沈めたぞ』

『普通は跳ね飛ばされるぞ』

『あいつは人じゃない』


ここまで一切武器を使わず無手で数々のモンスターを屠る姿にもはや合成疑惑などなくなり、リアルでおきてることだと認識する視聴者は翔を早速人外扱いし始めた


当の本人は卵や鶏肉の補充ができ機嫌がよく、そんな視聴者の言葉には目もくれずモンスター達を狩っていたがこの暴走鳥を倒したことでちょっとした事がおきた


消えていく暴走鳥のドロップ品は鶏肉でも卵でもなく野球ボールの大きさの石、魔石だった


「あ!ショウさん魔石でたよ!当たりだ!」


「魔石かよ、ついてないなぁ」


「え?」


「ん?だってこれ大きさ関係なく100円だろ?」


「は!?何言ってんの!?」


え?違うの?

ダンジョン組合に持っていったら誰でも取れるから珍しくもなんともないって言われたんだけど?

そのことを話すと


「ショウさん、前々から思ってたけど、そこの人に騙されてるよ?」


「いやいや、ダンジョンに関してプロなんだからそんな訳ないじゃない」


『いや、騙されてるぞ』

『そんなアホなこと言ってるやつだれや!!』

『A級の魔石が100円な訳ないやろ。最低でも100万やぞ』


「100万!?」


ショウが言われたことは半分あっているのだがそれはF級モンスターの魔石のことを指し、討伐が難しいモンスターの魔石がそんな値で買いたたかれるわけがない


『そもそも命懸けで採ってくる素材がそんな安くないわけないだろ』

『F級の小さいやつでも1000円くらいで売れるぞ』

『てかショウが所属しているとこやばくね?』

『これが本当なら差額の金額は誰かの懐やろうな』


「ね?ショウさん騙されてるんだよ」

「まじか・・・」


冒険者になって13年、結構な素材を売ってきたがまさか自分が騙されていたとは


何回も死ぬ思いもしたし、挫折も味わったそんな過去のことを思い出していたら悲しみから怒りに変わるのは必然だった


「あの野郎・・・・絶対に・・・・・殺す」


物凄い負のオーラを放ち人に見せられない顔をしているがしかたのないことだ

これが本当なら、毎日朝から晩まで少ない給料の為に働きに行き、少しでも食費を浮かそうとダンジョンに潜り命がけの死闘を繰り広げることもないのだ


そのオーラに当てられブラッティウルフは尻尾を又の間にいれカナの後ろに隠れ、カカモンは気を失い、カナの顔は真っ青である

そして、モンスター達は我先にショウから全力で逃げていった


「さ、カナンちゃん早く行こうか、俺この後用事ができたから早く終わらせたいんだよね」


「はい!!」


少しトラブルもあったがそんな捕食者の立場が逆転されたダンジョン探索は順調に進みそして

















「扉があるってことはフロアボスがいるってことだねショウさん」


「みたいだな」


目の前にあるのは場違いなほど頑丈に作られた扉

ダンジョンは階層ごとの変わり目にボスを配置し侵入者をさらに奥にいかせないようにしている


「カナンさんこの先のボスは知ってる?」


「たしか、大きなイノシシだね」


「イノシシか・・・なら今夜はイノシシ鍋だな、おっと晩飯の前にヤることがあるんだったな」


そのオーラを受けてかダンジョン組合の職員が身震いしたとかしてないとか

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