第36話 結

 あれから――大学を卒業したのは二週間前。

 僕は依然として下宿の大家代理をしている。と言っても、この家にはなっちゃん以外に住居人はいない。

 そのなっちゃんは僕の部屋でまだ眠っている。僕は朝食の支度をしながら今朝気付いたことを思い出した。なっちゃんの紅い髪の中に一本黒い髪があることを。

さて、居間のテーブルには朝食が整った。なっちゃんを起こしに行こう。


 なっちゃんはやはりサラマンダーである。

 僕に恋の火を灯したから。

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なっちゃんサラマンダー 金子ふみよ @fmy-knk_03_21

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