第16話 セカイが終わる
「待ってくれ、会長っ!」
まさかのまさか、本性を現した利美を制したのはハゲ――もとい、サブだった。
「いや、違うねサブ。正しくは『艦長』だよ私は」
利美は冷たく、まるで感情の無い機械のような目でサブを見つめ、自分を艦長だと言った。
「ああ、せやったな……アンタはある意味で艦長や。このO-SAKA-1(オーサカワン)のな。まだ演じる記憶はゴッチャになっとるようや。ついと会長と言うてしもうたわ」
いったい、何を言ってるんだと目の前を否定したかったが、俺の頭はもう「真実」というものを理解し始めていた。奴らの言う「O-SAKA-1」という意味も。
「巨大多元宇宙艦O-SAKA-1……俺たちのちっぽけで巨大なセカイそのもの」
俺の絞り出した言葉に利美はどこか蠱惑的な笑みを浮かべ頷いた。
「そう、この宇宙艦がセカイそのもの。メインコンピュータである「サイチャーン」と繋がる私こそが艦長である」
「そして、この俺がサブコンピュータや。名前なんて大したもんはつけられとらんがな」
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