第10話
明後日の方向を見つめていたミーシャ先生が急にこちらを見つめ話し始めた。
「そういえばヒビキに面談の申し込みが殺到していますがどうしますか?」
「受けます。ダンジョン以外の人でお願いします」
ミーシャ先生は響の答えを聞くと満面の笑みでこういった。
「すべてパーティーへの勧誘デス。ちなみに10件ありますが順番はどうしましょうか?ちなみに断るという選択肢はアリマセン」
響はがっくりと肩を落としたが、断ることができないという点にひっかっかりを覚えたので尋ねる。
「それは、面談を承諾した場合は相手を選ぶことができないからです。私もヒビキの意思を尊重したかったのですがこればっかりは致し方ありません。シクシク」
ちなみにだが6話、7話のパーティーはしっかりと面談に応募している。
「ああ、そういえば私、自分の能力を鍛えることに集中しすぎてダンジョンについて詳しく知らないんですよ。この機会に教えていただけませんか?」
「承知の助。まず、ダンジョンで注意しなければいけない点はコアを絶対に破壊してはいけない点です」
「ほうほう。それはなぜ?」
「ヒビキはダンジョンが一体何の目的で使用されているか知っていますか?」
「そういえば聞いたこともありませんね」
ミーシャ先生はガクッと膝をついた。
「ここまで説明のしがいある生徒は初めてです。ダンジョンは資源の宝庫なのです。ですがモンスターが邪魔をするためその資源を採取するのは困難です。ですが一度倒してしまったモンスターはダンジョンに吸収されない限り復活することはないとされています。まあ、ダンジョンとはいえエネルギーは無限ではないということですね」
「ダンジョンが資源の宝庫だということは分かりましたが、モンスターを吸収させないためにはどうするのですか?焼却処分でもすればいいのでしょうか?」
「のんのん。モンスターの死体をダンジョンの外へ持ち帰るのです。そのためダンジョンではモンスターに囲まれないこと。つまり索敵能力と隅々まで探索してモンスターを取りこぼさないことが重要となります。ちなみに、モンスターは生殖行動をするようなのでダンジョン攻略に時間をかけているとドンドンモンスターが増えていくみたいですよ」
「つまり、ダンジョン攻略とはダンジョン内の全てのモンスターを倒して持ち帰り、資源を獲得できるようにするということですか?」
「ザッツライト。その通りです。それと注意しなければいけない点が後2点程あります」
「意外と少ないですね。で、その2点とは?」
「ダンジョン内で人が死ぬとダンジョンに吸収されてしまうこと、ボスが攻略されたダンジョンがまだ存在しない点です」
「それなのにダンジョンコアというものがあることは確定しているのですか?」
「海外では徘徊型ボスがいるダンジョンがあります。そこでボスを無視して最下層に潜り込みダンジョンコアを発見したようです。そして、そのダンジョン探索者がコアを破壊するとダンジョンが消滅したそうです」
こうして響はダンジョンについての知識を広げていくのであった。
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