第4話 隣の住民、嫉妬する&第二幹部、姉と相談する
アタシの名前は
唐突だかアタシの話を聞いて欲しい
アタシの家は元々裕福でそこそこ綺麗に生まれたアタシは常にチヤホヤされた
あの時のアタシは油断していた
あの日、あの時、あの感情を全て忘れてしまうほどの恋に落ちたからだ
一年前のアタシは独り立ちし一人暮らしを始めた
だが暫く経つと隣の家に引っ越してきた運命の相手、良井と出会った
サラサラでどんな髪よりも美しい茶髪と赤く引きずり込まれるような瞳
目を引くような絶世の美貌にアタシは思わず一目惚れしてしまった
それと同時に、アタシはこの良井という人物に執着してしまった
彼の家に尋ねる時は別に連絡なんてしなくていい
だってこのアタシが行ってやるんだから
だけど、そんな平穏は崩れた
良井がよく家に帰らないのは知っていた
多分、仕事があるんだろうと思っていつも通り帰ってきたタイミングを狙って訪問したが、彼の家の中で真っ先に見えたのは、愛しい彼より隣りにいる女だった
長い金髪にクリクリとした碧眼
それはそこそこ綺麗なアタシとは比べられないほど、彼に負けないほどの圧倒的美だった
アタシはそれでも彼の前では猫を被ってなるべく醜いところを見せないようにした
なのに、なのに...
目の前で熱烈にディープキスされたら帰るしか無いじゃない!
しかも女...シロといったかしら?
シロは裸エプロンと言う痴女みたいな格好なのに!
なんで彼はアタシを見捨てるの?
アタシは見捨てられたの?
やっぱりアタシが傲慢なだけでやっぱりアタシはそこそこなの?
もう、もう、殺してやる...‥
シロ、お前だけは!
―――――――――――――
一方その頃、覇巳巳が嫉妬している時、ランスとロキエナがオフィスの最上階で雑談をしていた
「姉さん、どうしよう...僕シロちゃんを襲いそうだよ...!」
ランスがロキエナに泣きついていた
僕はランス
ダークネスの第二幹部でボスであるロキエナの弟だ
これ以上は語れないけど、今僕はこの老いぬ体になってから一番悩んでいる
いや、悩みすぎて死にそうなほどに
だから僕は今、シロちゃんと仲がいい姉さんに相談している
「ふ〜ん、ならオススメの結構うまいプレイが出来る娘紹介しようかぁ?」
「いいよ、家に帰るの遅くなったらシロちゃんが心配するでしょ」
「夫婦みたいになってきたわねぇ、でもシロちゃんを盗られないよう気をつけてね、メグが狙ってたから。まあランスも知っているでしょうけど」
やっぱり姉さんに相談してよかった
少しの言葉を交えるだけで、此方の思惑を理解してくれる
幹部第一席メグ
僕の方が力は上だがアイツは僕より一枚上手でダークネスが成り立っているのもアイツのおかげだ
本名はディエル
見た目は一見姉さんと並ぶほどの美貌を持った少女だがメグは男だ
姉さんが趣味で女装してみろと着せた時、案外姉さんがその格好を気に入ってしまいこの格好でいろと命令しメグと言う偽名を使って幹部の席に座っている
メグのことを長年調べていたが、彼女...彼はシロちゃんの幼馴染だ
シロちゃんが最も信頼している人物だとも分かっている
きっと彼はシロちゃんの元恋人がNTRられたのも予想していたはずだ
考えるのも悩ましいな
よし、今日は部下に仕事を押しつけて早く帰るか
そして明日もシロちゃんに起こしてもらうんだ!
「おい、クソ上司、有給くれ」
急にガシリと肩を掴まれたと思ったら部下のハルが鬼の形相で僕を見ていた
逃げるのがもう少し早かったら帰れたのにな
まったく、面倒だ
「ハル、どうしたんだい?遂に頭パンクしたかな?」
「うぜぇよ!クソ上司!!いや、リア充が!!!!なんで俺は彼女もいねぇのに、クソ上司はかわええ元魔法少女と同居できんの!?世界は不平等なのか!!??おお...神よ!」
「いや、ここで神に祈られても困るんだけど?言っとくけど、僕異世界では邪神なんだからね?辞めてよ、そんな僕を軽蔑するような言葉を口にするのは」
「あ、サーセン」
今年入ってきたハルはよく吠える
そしてよく鳴く(泣く)
やっぱり皆僕の部下になったばっかりの頃はこんな感じなのにね、一年後には急に大人しくなるんだよ
「大丈夫、君をしっかり教育してやるからね」
「何が?」
ハルはまだ知らなくていい
君は全てシロちゃんと僕が一秒でも名が居られるための犠牲なんだ
だから、ね
来年には従順な部下に育ててやるよ、ハル
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