第12話 「お菓子の世界」の救済


「エバさんあなたは魔女にされていましたが、サタンが亡くなった事によって魔法が解けて普通の人間に戻る事が出来ました。私達二人は次の世界への救済に参ります。御無事で」


「本当にありがとうございました」


「ところで……この世界の神様はどちらにおいでですか?」


「この世界の神様は天上界においでです。だから……この世界「ソープバブル世界」では、神様は心の中に住んでいると考えられています」


「さようですか?」


こうして…次の世界お菓子の世界へ……。

     


     ◇◇ 


「アンディズルい~!四つの世界の人達は決界なく、自由に四つの世界を行き来出来るのでしょう?アンディが先に入れば問題ないのに、でも……私不思議な事を発見したの。それはね「ソープバブル世界」で偶然手を出して念じたのよね?すると……何と……空を自由自在に飛べていたの……だから……手かざしでお菓子の世界に侵入して見るわね。エイ!」


 すると目の前に、まさしく 可愛い “ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家”が見えて来た。


「ああああアアアアアア……嗚呼……本当だね!澪には空恐ろしい特殊能力が備わったらしいね。だって?あんな巨大なゴワラや恐ろしいサタンを退治できたのだって絶対に偶然じゃないと思うよ。澪の特殊能力のお陰もあるよ。絶対に!」


「それでは早速神様の住み家神宮に行きましょう。だってあれだけ困っているので助けて欲しいって、懇願されていたから……」


「そう言えば大変な事になって居るらしいね?神様が『このお菓子の世界ではアリが住民を襲っていると言うのじゃ。そなたたちも力を貸してくれぬかのう?』そう言われていたから助けないとね」


 神様の天空の住み家は、雲の階段を上て行かないと辿り着かないのだが、雲の階段までもがお菓子で出来ていて、雲が綿菓子で階段がクッキーで出来ている。


 そして「お菓子の世界」の神様の住み家は、この世界を見守り照らし続ける為に天空に浮いていた。そして…日本の最高神アマテラスオオミカミ【天照大神】を崇拝しているので名前は何と……アマテラスオオミカミ二号だった。


 実は…アマテラスオオミカミは太陽崇拝から生まれた神なので、住み家神宮までもが丸い太陽の形に似たどら焼きと、大福と、ゆで卵で出来ていた。


 こうして…天空のアマテラスオオミカミ二号の住み家にやって来たアンディ王子と澪。


「アマテラスオオミカミ二号様どこにお出でですか?」


「オオ……オオ……よう来てくれたのう……ありがたや……ありがたや……事情は話したと思うが、その昔メルヘンの世界を堪能する為の「お菓子の夢の国」と称し普通の家と変わらない大きさの家を、メルヘンチックに飾り付け全部お菓子で作り上げたお家「ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家」を思い起こし作られたお菓子の家は、子供たちの間で爆発的人気を誇り、観光客で連日連夜ごった返していたが飽きられてしまい、アミューズメント施設の社長の考えで「お菓子の夢の国」と称して山から森、学校なども全てお菓子で作って、入場料を取って1時間お菓子を食べ放題の夢の国へと変貌を遂げて行ったのじゃ。それが益々人気に拍車をかけ子供たちの間で大人気となり、他の三つの世界の観光客で、連日連夜溢れかえったが、これに目を付けたのがサタンだった。大切な金庫を奪われてしまったが、それだけでは済まなかった。サタンのせいでで「お菓子の夢の国」が倒壊してしまった。これは大変「お菓子の夢の国」の社長も黙っちゃいない。サタンが最も嫌うものを知っていた。それは……サタンが嫌がるその一番はクリスチャンが祈る事だ。新約聖書を教会の牧師に切々と祈ってもらった。こうして…サタンを撃退できたが、既に「お菓子の夢の国」は悲惨な状態になってしまっていた。それに目をつけたのがアリだった。そして……いつの間にか、何と……「お菓子の夢の国」はアリの棲み処となってしまった。「お菓子の夢の国」の残骸が散乱している。それは「お菓子の夢の国」が倒壊すれば当然の事である。そして…アリたちの餌となった。こうして女王アリは巨大化して行った。そして…最近では住民までもが捕食の対象となってしまった」

 

「それは大変ですね。何とかしないと……」  


    


     ◇◇


「ようしアリの巣コロリやアリコンバット、フマキラーなどを使って駆除しよう」


 だが如何せんデッカイアリには効果なし。更には子供やペットの犬や猫が誤飲したら大変。


「ううん?どうしたら良いものか?」


「チョット待て!待て!携帯で調べてみよう」


「澪は良いよね!そんな便利なもの持っていて……この世界ではそんな最新鋭のものはないんだ」


「アッ!有った!重曹と砂糖を混ぜて、あのマンホ-ルほどの大きさの巣穴に流し込んで見ましょう」


「一体どうなるんだい?」


「重曹をアリが食べると大変な事になるらしいのよ。用意した重曹の中に砂糖を混ぜて、アリの通り道や巣の周り、よく見かける場所に置いておくだけでアリの体内のギ酸と重曹が化学反応を起こし、二酸化炭素が発生して膨張する。そして…二酸化炭素の圧力に耐えきれず最終的には死んでしまうのよ」


「って事は爆発するって事?」


「そうらしいわね?」


 こうして…重曹と砂糖を混ぜてアリの巣穴に流し込んだ。



     ◇◇


 しばらく様子を伺っていると恐ろしい爆音が鳴り響いた。


”ボボボーボ・ボーボボボッカ————————————ン!”


 アンディ王子と澪は慌てて巣穴を見に行った。すると恐ろしい事に女王アリは粉々になり跡形もなく消えていた。


 そして…辺り一帯には女王アリの肉片が散らばっていた。



      ◇◇


 「本当にありがとうございました!またいつでもこの『お菓子の世界』に立ち寄って下さい」


「ところで……アマテラスオオミカミ二号様、無事『お菓子の世界』には平穏が訪れましたが、『クリスタル世界』の醜態ぶりにはどうしたら良いものでしょうか?」


「それにはまず公共施設、特に刑務所を頑丈な鉄筋コンクリートで作って、悪事を働くものを牢獄に閉じ込める事じゃ。今までは牢獄に収監しても、クリスタルの建造物では倒壊して逃げ出してしまっていたのじゃろう?美しい景観だけが全てではない事を、悪人を牢獄に閉じ込めて取り締まる事で、そして…悪人が減った事で分からせるのじゃ。やはり頑丈な建造物でなければダメだと思い知らせてやるのじゃ」


「こちらこそ、本当にありがとうございました」


「嗚呼……それから…その澪と言う女の子を大切にするのじゃ。そうすれば、そなたの大切な存在となるだろう。おぬし惚れておるじゃろう」


「アッアハイ!イ イエ……アアああアア……テへへ💖💓😍」

 しどろもどろのアンディ王子だが、ズボシを付かれて真っ赤っかになっている。


 こうして…アンディ王子と澪は第三の世界ピンクの世界に足を進めている。



 有難うございます!この度は本作を御目に留めて下さり嬉しい限りでございます。もし少しでも気に入って頂けたら作品♡★フォローをお願いします!



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