第11話 ソープ バブル世界の救済
アンディ王子と澪は、クリスタル世界の王様とお妃様に4つの世界の救済を託され元いた「ソープ バブル世界」に戻った。
「ああああアアアアアア……嗚呼……ええっと……ええっと……嗚呼……思い出した。そうそう……とほかみえみため……嗚呼……と ほ か み え み た め」
「中々覚えられないね?」
「ううん😫もう意地悪💢」
「ああ……ごめん!ごめん!それでも…やっと『ソープ バブル世界』に戻って来れたね」
「でも…何で皆シャボン玉の中で浮いているのかしら?」
「本当だよ?不思議だね」
「なんか足が凄く熱いのだけれど……」
「本当だね。何なんだよ。この熱さは?」
一体何が起こっているのか?
◇◇
「アンディはこの世界で暫く生活していた訳でしょう?ところで……魔女はどんな風貌してしていたのよ?」
「俺がここにやって来た夕方には、醜いしわしわの老婆でギラリと鋭い目付きの、杖を付いた恐ろしい姿の老婆で、口が裂けた魔女だったよ。だけどね朝になるとトム君の後ろを付かず離れずいる、あの女の子しかいなかったんだよね?どこに行ったと言うのか?」
「それでアンディはどんな仕事を任せられていたの?」
「なんか……頑丈なシャボン玉みたいなものを膨らませられていたんだ。更には動物たちを一所に集めさせられていたんだ」
「な~んか怪しいね?」
「嗚呼……それから……私達まだシャボン玉世界の入口で、トム君たちが浮いていた場所に行けていないし……それから……この前は知らぬ間にシャボン玉の中に入れていたのに、どう?私シャボン玉の中に入っている?」
「いやいや入っていないよ」
「これじゃ移動出来ないじゃないの」
「そうそうあの願いが叶う呪文言ってごらん」
「分かったわ。嗚呼……と ほ か み え み た め」
「どうシャボン玉の中に入っている?」
「OK入っているよ」
「じゃ―アンディもエイ!」
「おお……オオオオオオシャボン玉の中だ」
「チョット……トム君がいた場所まで移動しましょうよ」
”フゥ―――――――ッ!“ ”フゥ―――――――ッ!“ ”フゥ―――――――"ッ!
「オオ……オオ……浮いた!浮いた!」
「ヤッホーさぁトム君の居た場所に行くわよ」
「オイ!下を見なよ。下が全面オレンジ色じゃないか?」
「チョットよく見ると炎じゃないのエエ————————ッ!一体どういう事
?最初に見たのは海のオレンジじゃなくて只の火だったって事……確かに空の惑星は沸々と煮えたぎった惑星だったけど。姿を変え燃え尽きて、黒と赤のまだら状態となりどういう訳か、またしても赤々と一層勢いを増し、辺り一帯は何とも美しいオレンジがどこまでも広がって、海のさざ波までもがオレンジ色に光り輝いていたと思ったが、さざ波じゃなくてゆらゆら炎が燃えていたって事なのね」
「道理でさっき足元が熱かったのは、炎が足先に近づいていたんだね?」
「色んな惑星があるから……金星なんか500℃近くあるらしいから、燃える惑星が有っても不思議はないね」
その時だ。渓谷の断崖に恐ろしく巨大なゴジラの様な怪獣が、一瞬にして谷底に消えた。今のは目の錯覚だったのだろうか?
「キャ——ッ!今のは何よ?アンディ見た……」
「俺見てないよ」
「そう言えばゴジラはゴリラとクジラを合体した怪獣だから考えられるわね?ここは海に繋がっているからクジラと……それから…比較的暑い亜熱帯地方だからゴリラが生息していた可能性だってあるから……今は異常に暑いけど……チョット渓谷を下って捜してみましょう?」
”ヒュ――――――ン!” ”ヒュ――――――ン!” ”ヒュ――――――ン!”
「アアアアアア……嗚呼……何か?一瞬見えたけど……」
「ようし行ってみよう!」
「アアアアアア……ゴジラが居た!居た!」
「チチチョット怖いわね!」
「あっあなたは誰ですか?」
「ガガガォガォガォゥ————————ッ!誰でも良いだろう?サッサとここから消えな!さもなければ食い殺すゾ————ッ!」
「イエ!チョット聞きたい事があるのです。トム君を探しているのです」
「そんな奴など知らぬ。さっさと帰んな!」
態度の悪いゴジラに似た怪獣を尻目に、またくも浮遊していると「その時だ!」渓谷に一頭のワニが姿を見せて言った。
「嗚呼……タッタ助けて下さい!今この「『ソープ バブル世界』では恐ろしい殺戮が繰り返されています」
「落ち着いて……落ち着いて……一体どういう事ですか?」
「実は…プカプカ浮遊していたトム君と、トム君の後ろを付かず離れずにいる女の子エバは、サタンと魔女エバだったのです。その昔はこの『ソープ バブル世界』はプカプカカラフルな色で浮遊するオレンジの美しい世界でした。それが『ソープ バブル世界』に未曾有の大災害津波が巻き起こったのです。そこで王様がこの世界に一人の海の神様・ポセイドーンを招集されたのですが、実は…ポセイドーンではなく、偽物で悪魔サタンだったのです。そしてこの国一の美女エバは、この地獄の長サタンに言葉巧みに騙され強姦されてしまったのです。それによって全く真逆の、恐ろしいまでの魔力や人を害する力を授かってしまったのです。こうしてこの世界はサタンと魔女エバ二人の恐ろしい悪魔のせいで、暗黒の世界になってしまったのです。そのサタンの姿は七つ頭の悪龍で、何とも恐ろしいサタンです。そこで肝心の話ですが、何故プカプカ浮いているかという事ですが、それはこの惑星は海も有りますが、火山地帯で炎に覆われています。それで地面を歩く事もままならない状態で、シャボン玉で浮いているのです。あのトム君普段はニコニコ善良な市民を装ってあの丸々太った容貌でしょう。決して悪魔サタンとは思われないのですが、この世界の動物や住民達があのトム君に食べ尽くされているのです。私達もシャボン玉の中に入れられて身動きが取れない状態で、あれほど巨大なサタンに七つの頭で手繰り寄せられて食べられています。エバも魔法が使えるので色んなものに変身して、獲物を捕獲しています。今では住民は殆どいなくなり動物が食料です。このままではこの世界に生物は、居なくなってしまいます」
「でも……さっき怪獣ゴジラを見たのですが、あれは何だったのですか?」
「嗚呼……それはきっとエバの仕業です」
「一体何故エバがゴジラと関係があるのですか?」
「その真意は分かりません」
「これは何とかしないと『ソープ バブル世界』の住民が居なくなってしまいますね。どこに行けばサタンに会えますか?」
「それは……午前中だと南半球にプカプカ浮いていますから」
◇◇
話を聞いたアンディ王子と澪は早速…翌朝南方向に行ってみた。
「嗚呼……トムが居た!トム私よ。分かる?澪よ。」
「どうしたんだい?二四時間以内に帰らなきゃダメじゃないか?」
「ああ……私もう四つの世界全部通過出来たのよ。チョット話があるのよ」
「何だい?言ってごらん」
「この世界って本当に一二歳以下の子供しかいないの?」
「そうだよ……どうして?」
「ええっと……ええっと……嗚呼……そうそう……とほかみえみため……嗚呼……と ほ か み え み た め」
するとトムの本当の姿が炎の中にハッキリ浮き彫りになって表れた。トムは一〇歳ではなく大人で、龍の頭を四方に傍若無人に操り、巨大な龍の身体を持ち鋭い牙をむき出し炎の中にくっきり浮かび上がった。
「トム噓をつかないで!あなたの正体はサタンでしょう?この『ソープ バブル世界』だけで飽き足らず、四つの世界にまで侵入して危害を加える悪魔。あんなに可愛いトムが何でそんな事になったのよ?」
「僕はトムだよ何言っているの?」
サタンのもっとも苦手なものは十字架だ。十字架をサタンに向けてキリスト教の祈りをする事だった。早速持っていた十字架をトムに向けてキリスト教の新約聖書を読んだ。
「ギャギャ——————!ヤッヤ止めてクレ!」
そして…浮いている動物や子供達は皆一瞬にして本当の姿、一番ハツラツとした一八~二二歳の姿に戻ったが、既に食されているので、一瞬只の亡骸となって恨めしそうにシャボン玉の中に横たわっていたが、それはほんの一瞬で、後には💀骸骨と化した骨だけが残っていた。
「許せない!トム。イヤ……サタン私と勝負をしよう!」
(私をお守りください。神よアーメン)
澪は咄嗟にカッ!となりあんな言葉を発したが、自分に能力が備わって居よう筈が無いのに、余りの惨劇についうっかり吐いてしまった言葉だった。それでも…困った時の神頼みだ。祈りを捧げ続けた。
だが、どういう事だ。一瞬で体に鎧が取り付けられ、最強の豪剣とヤリが手に渡った。そして自由自在に天空を移動できる体になってしまった。
「エエ————ッ!一体どういう事?これが……特殊能力って事?有り難い事だ。ようし!これで、エイ!」
そう言ってヤリをサタン目掛けて投げた。
だが、サタンは一瞬であの可愛いトムから七つの首を持つ龍となり傍若無人に火を噴き暴れ出した。それはそれは恐ろしい勢いで、龍の口から炎を吹き出し、澪目掛けて襲って来た。
その時だ。魔女エバが現れた。黒い尖がりハットに、目の落ち窪んだ鋭い目付きの醜いシワシワの老婆となって、ほうきに乗って現れた。
「嗚呼……良くぞ来てくれた!俺の参謀よ!」
「任せて下さいサタン様」
その時だ。アンディ王子が魔女エバに指示されて、動物を集めさせられていた動物の牢屋の鎖が、一斉に放たれた。それは魔女エバが魔法で開けたのだった。
それはゴリラだった。ゴリラが一斉に、澪とアンディ王子目掛けて襲い掛かって来た。
「キャッキャ——————ッ!」
だが、その時だ。そのゴリラたちは一斉に方向転換してサタン目掛けて襲い掛かった。
「オイ!これはどういう事だ?このアマ許せぬ!」
サタンもおいそれとは負けてはいない。『666(獣の刻印)』でサタンの眼にある呪いの刻印を見た者は、強力な洗脳状態になると言う。澪もついつい見てしまい洗脳されて体が真っ赤に燃え死の淵に立たされた。
だが、その時澪は十字架を握りしめて延々と祈りを捧げた。
「神様お助けください」こうして…やっと正気に戻った澪だったが、敵サタンも負けてはいない。
その時だ。ゴリラとワニを合体した巨大な世にも恐ろしいゴジラならぬ、ゴワラを蘇らせた。
有名なゴジラ身長三百mのゴジラよりも口が大きく裂けた、牙が鋭く皮膚はゴジラそのものの、こんな恐ろしい怪獣が牙をむき炎を吹き出し襲って来た。
するとエバも負けてはいない。飼育していたゴリラとカバを合体したゴバラ怪獣を魔法の杖で蘇らせた。
「エイ!」
ゴジラにそっくりだがもう少し巨体で狂暴である。それはそれは恐ろしい怪獣が地響きを立ててゴワラ目掛けて突進して行く。
エバもきっとこの日を待っていたのだ。長い間こんな渓谷に閉じ込められて、サタンの奴隷としてこき使われて来た日々から、いかにして脱却しようか、いつも思案に暮れていた。
そして…アンディ王子と澪と言う強力な助っ人に後押しされて、サタンと戦いを挑んでいる。
サタン側のゴリラとワニが合体したゴワラ怪獣対エバ側のゴリラとカバを合体したゴバラ怪獣。
恐ろしい戦いの火ぶたが切って落とされた。
炎を吹き出し🔥🔥🔥凄い勢いでぶつかり合い、牙をむき出し応戦。
ガガガオ————————ッ!
ダダダダダダダダガッシャガッシャドドドドドドドドドドッシ————————ン!
バッシャ————————ン!
ヒュウ————ッ❕ボッカ————ン!グッシャ————————ン!
そして…澪も豪剣で果敢にサタンと応戦している。
「よくも多くの動物や住民を殺して食べたな許せぬ!第一子供の世界ってどこがだ。大きくなった一番成長したころ合いを見て、殺して食っていた卑劣な奴め!許せぬ!」
そして…魔女エバも加わった。
「よくも長きに渡りあんな場所に閉じ込めてくれたな!許せぬ!」
パシン!
カキン!
シュッ!
シュッ!
カッシャン!
バッキン!
「もう中々勝負がつかない。エバさんと私で一丸となって戦っても勝負が付かないとは?エバさん私に良い方法が有ります。エイ!」
気を集中させて最強の武器ピストルを手にした澪は、サタン目掛けて打ち放った。
”バンバンバン” ”バンバンバン” ”バンバンバン”
「ウウウッ!おぬし……よくもやりやがったな」
サタンも負けてはいない。サタンも七つの龍の頭から七つの恐ろしい能面の様な面に変身して、七対の腕をくねくね伸ばしながら、七対の不気味な手と指を伸ばしたり縮めたりして、魂と肉体とに引き離す恐ろしい悪魔らしいが……その技を魔女エバ目掛けて。
「エエ————————イ!」
気を集中して魔女エバの魂と肉体を引き離そうとした。
「ウウウッ❕ウウウウウ」
「クッソ————ッ!エバさんちょっと待ってね!」
”バンバンバン” ”バンバンバン” ”バンバンバン”
尚も果敢にピストルを打ち放った。
だがサタンも負けてはいない。七つの恐ろしい同じ能面をあちこちにバラつかせて、消えたり現れたりして目を錯乱させている。更には腕も蛇のようにくねくねくねらせ、突拍子もない場所から出現させて、七対の不気味な手も指が伸びたり縮んだりして突如にゅっと現れるので掴み所がない。
更には身体から爆弾を無数発射させて攻撃してくる。
バッキュン!ボッカンボッカン! バッキュン!ボッカンボッカン!
「これでは手の打ちようがない。嗚呼……そうだこの手が有った!最終兵器自分の身体を武器に変えて突進だ!ようし行くぞ!」
すると澪の身体が見る見る爆弾に変わり、澪はサタン目掛けて突進した。
ボボボーボ・ボーボボボッ————————カン!
ドドドドバッカ———————————ン
”バタン” ”グッシャ――――――――ン”
”ドドドドドドドドドッ
澪は爆弾が突撃する一歩手前でピョーンと逃げ出し無事だった。
こうして…サタンはとうとう倒れて……やがて命尽きた。一方のゴワラとゴバラの決着も付いた。
何と……ゴバラが勝利したのだった。
「エバさんあなたは魔女にされていましたが、サタンが亡くなった事によって魔法が解けて普通の人間に戻る事が出来ました。私達二人は次の世界への救済に参ります。御無事で」
「本当にありがとうございました」
こうして…次の世界お菓子の世界へ……。
有難うございます!この度は本作を御目に留めて下さり嬉しい限りでございます。もし少しでも気に入って頂けたら作品♡★フォローをお願いします!
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