第9話 モササアンキロサウルス怪獣


 

 第三の世界「ピンクの世界」に渡ったアンディ王子と澪だったが、得も言われぬ美しい「ピンクの世界」の絶景に酔いしれていたのも束の間。


 この全「ピンクの世界」に突如、美の象徴でしかない美しすぎるこの世界に、到底ふさわしくない巨大な影が海面に薄っすらと映った。だがその影は見る見る巨大な全海を支配するほどの大きさで迫ってきた。


 ザザザザザザッブ――ンザザザザザザッ!ザザザザザザッ!

 ババババッッシャ――――――――ン!ザッブ――――――――――ン!

 ガガガッバ――――――――ン!

 その時海の底から恐ろしい怪物が姿を現した。 


「キャ————————————————————————ッ!」


 その怪物は、史上最強の海の爬虫類といわれる一般的にモササウルスと言われているが、中生代白亜紀後期に世界各国の海に生息していた、モササウルス科最後に繁栄し最強の「モササウルス・ホフマニイ」の事だが、体長が15m~18mほどの大きさで、体重も大きいものでは40tほどあったとされている。あごの大きさも1.6mほどと言われ、口だけで人一人分ということになる。


 太いヒレを使って高速で水中を泳ぎ、イカやサメなどの魚類はもちろん、アンモナイトやウミガメといった海棲爬虫類など、大型の海洋生物も食していたことが分かっている。モササウルスは「頑丈な骨」、硬い殻を嚙み砕き肉も引きちぎる「強靭な歯」、高速で効率的に長距離を泳ぐ「優れた遊泳能力」、第三の眼「松果眼」という強みが揃い、頂点に君臨する海の王者となった海の恐竜だ。


 だが、「小惑星の衝突」で寒冷期が訪れ生態系が崩壊して、地球上の生物のおよそ70%が消滅したと言われている。こうして…頂点に君臨した海の王者モササウルスは絶滅した。 


 実は…海から現れた化け物は、その昔海の王者として君臨し続けたモササウルスと、ワニの頑丈な皮膚と更にはこれもやはり中生代白亜紀後期の現北アメリカ大陸に生息した、アンキロサウルスの装甲(よろい)のようなゴツゴツした骨質化した皮膚を持ち、そのアンキロサウルスのしっぽを持ち、しっぽは先の硬いハンマーの塊となっている恐ろしい化け物が現れた


 そして大きさは、体長15m~18mのモササウルスの3倍はある巨大な化け物が海の底からガバ―――ッ!と現れた。


「こっこれは一体何者ですか?」

 アンディ王子は思わず美しい海の女神に聞いた。


「そうなのです。この世界はこの化け物『モササアンキロサウルス怪獣』に支配されてしまったのです。過去には多くの生物が共存共栄していた美しい緑溢れる自然豊かな世界だったのですが、全て食い尽くされてしまったのです。実は…この海がこんなにピンクに染まるのは「プランクトン」が大量発生しているからなのです。そして…小さい「プランクトン」を食べる生物は巨大化しがちなのです。魚類最大のジンベイザメや、世界最大の動物であるシロナガスクジラは、その巨体に似合わない「プランクトン食性」です。そんな巨体にも拘らず歯が非常に小さいか、退化しているため非常に小さい歯なのです。例えば、動物プランクトンの餌となる植物プランクトンだが、植物プランクトンが減れば、食料が減ったことで動物プランクトンが減り、動物プランクトンは減れば、捕食者が減ったことで植物プランクトンは増え、植物プランクトンが増えれば、食料が増えたことで動物プランクトンが増える‥‥といった具合に食物連鎖が延々と続きプランクトンの生物的な総量は、いかなる生物よりも多いのです。これはつまりプランクトン食性であれば、より多くの餌にありつけるということです。そのような事で海は魚たちの楽園だったのです。ですが、ある時突然変異の新種のトカゲが生息するようになったのです。でも……段々成長するに従って巨大になり、魚を捕食するようになって行ったのです。それがワニだったのです。だがそのワニはやがて、モササウルスのように巨大化して歯が一段と鋭くなり、そしてアンキロサウルスのように、背中に角のようなものがにょきにょき出て、モササウルスとアンキロサウルスとワニの特性が強い事から住民たちから『モササアンキロサウルス怪獣』と呼ばれるようになったのです」


「そうだったのですね」


 するとその時「モササアンキロサウルス怪獣」が言い放った。


「何を言っているのですか?それは大きな間違いです。この美しい海の女神こそ恐ろしい悪魔なのです。僕こそ被害者なのです。僕はこの悪魔にこんな姿にされてしまったのです。その証拠にこの十字架を近づけて見ましょう」


「キキ キサマ何をする!ギャギャ——————ッ!」


 するとあれだけ美しかった海の女神が、一気に目が落ちくぼみ鋭い牙を蓄え髪を振り乱し、不気味な地獄の鬼のように燃える赤い顔を持ち邪悪な悪魔となり、更には不吉な悪魔モンスタ-となって一瞬で杖を取り出し「エイ」と言って「モササアンキロサウルス怪獣」の方向をさした。


 真っ赤な閃光が鋭く走った。

”ヒュ―ヒュ―ヒュルルル―――――――――――――――――――――――!”

 

 すると「モササアンキロサウルス怪獣」の身体に鋭い光の閃光が走り身体を貫通した。


「グウウウウッ!クック苦しい。何を……何を……するのですか?あなたが、さも私が悪者のようにおっしゃるからでは有りませんか?」


「ワ―ッハッハッハ!もう良い!それ以上言うでない。それこそ……おぬしたちは誰も立ち入った事の無いこの『ピンクの世界』に何の用が有って参ったのじゃ?」


「それは……それは……私が第一の世界に異世界転生してしまったからです。そして…私はこの四つの世界を一つづつ二四時間以内に通過して、次の世界に行かないと弾けて消えてしまうのです。だからどうしてもこの世界を通らないといけないかったのです」


「嗚呼……そう……そうなんです。この澪には特殊な能力が備わっています。だから……生きていてもらわないと困るのです」


「あの……あの……是非ともこの『ピンクの世界』に平和が訪れるようにしてください。お願いです」


「オダマリ!これ以上無駄口叩くと容赦しないからな!」


「一体この世界はどうなっているのですか?僕たち二人はこの『ピンクの世界』を救済するために必ずやまた戻って来ます。只もう時間が無いので……」


「必ずまた戻って来ます」


    ◇◇

「オイ!二人のどっちが噓を付いていると思う?」


「でもね?一瞬ピンクの海に二人の姿が映ったのだけれど、その姿は元の美しい海の女神と何とも美しい海の王子様風の男が映ったのよ。そして…その手は恋人のように握りしめられていたのよ。決してその二人の間に醜い争いがあるとは思えなかったわ?それこそ……愛する二人?そんな風に見えたけど?一体どうなっているのかしら?」


「必ず戻って来てその正体を突き止めないとね。住民がひとりも居ないという事は……何かがあるからに決まっている。アッ!時間が無くなる!」


「ああああアアアアアア……嗚呼……ええっと……ええっと……嗚呼……思い出した。そうそう……とほかみえみため……嗚呼……と ほ か み え み た め」


「全く……いつまでも覚えられないね?困ったもんだ」


 そう言いながらも足早にこの世界から脱出した。

 そして次の第四世界「クリスタル世界」へ……。



 ※史上最強の海の爬虫類といわれる一般的にモササウルスと言われているのが、中生代白亜紀後期に世界各国の海に生息していたモササウルス科最後に繁栄し最強の「モササウルス・ホフマニイ」の事だが、 全体的にワニに似ているが、太くて幅の広い尾びれを持っていて、その大きなヒレを使い、遊泳が非常に優れていたといわれている。


 モササウルスはおよそ15m~18mほどの大きさで、体重も大きいものでは40tほどあったとされている。あごの大きさも1.6mほどと言われ、口だけで人一人分ということになる。太いヒレを使って高速で水中を泳ぎ、頑丈な骨格と強靭な歯で硬い生物もかみ砕いて獲物、イカやサメなどの魚類はもちろん、アンモナイトやウミガメといった海棲爬虫類など、大型の海洋生物も食していたことが分かっている。


また、モササウルスは第三の眼「松果眼」があり。眼が3つもあった!そのため光と影を感じることができたため、獲物の存在を瞬時に察知し、襲うことができた

モササウルスは「頑丈な骨」、硬い殻を嚙み砕き肉も引きちぎる「強靭な歯」、高速で効率的に長距離を泳ぐ「優れた遊泳能力」、第三の眼「松果眼」という強みが揃い、頂点に君臨する海の王者となった。


 名前の由来は最初に化石が発見された、オランダの鉱山マーストリヒトに流れるマース川にちなんでマーストリヒトの(mosa's)トカゲの仲間ということでトカゲ(saurus)を合わせてモサザウルス(mosasaurus)となった。


 ※アンキロサウルスは、中生代白亜紀後期の現北アメリカ大陸に生息した植物食恐竜の属の一つ。アンキロサウルスの特徴は、身体を覆う骨質化した皮膚の装甲(よろい)と、しっぽの先の硬いハンマーのような塊。



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