第4話 お菓子の世界




 ”ギ―――ッ”『バタン』


 その時だ。魔女が帰って来たのか?


「君、俺に任せときなさい。何も話したらダメ!絶対ダメだから……シ――ッ!」

 そう美しい若者に促された澪だったのだが?


「エエエエ————————ッ!ついさっきの『ソープ バブル世界』にいたトム君  の後ろにズ—ッと付かず離れずにいた女の子じゃないの?」


「バカ!シッシ―――ッ!」


「嗚呼……帰って来たのかい?どうだった『ソープ バブル世界』に新しい収穫はあったかい?」


「何も……何も……ないわ」

 そう言うとその少女は一瞬でどこかに消えた。


「一体どういう事ですか?さっぱり分からないのだけれど……」


「深く詮索しないでくれる?嗚呼……君……ところで名前は?」


「ああ……申し遅れました……私は花園澪です。ところで……あなたは誰ですか?」


「私の名前は『アンディ・ジョンソン』アンディと呼んでくれたまえ。私は第四の世界クリスタルの世界の王子です。私の世界ではクリスタルとはキラキラ輝くものを意味し、建物も、公園も、休場も、皆ガラスや、プラスチックや、水晶などで出来ています。そしてガラスやプラスチック水晶などを一般的に「クリスタル」と呼んでいます。だからガラスで出来た鏡も建物として使用されています。水晶六角柱状のきれいな結晶を使った家も多く点在していて、病院なども水晶六角柱状の結晶で出来ています。それでも…景観が良いクリスタルで出来たビルや家も多いのですが、景観重視で建築された建物は直ぐに壊れてしまいます。このように至る所クリスタルで出来ているので、犯罪も多いのです。それは……光の屈折で一人の人間が沢山出来てしまう為、ちょっと気に食わないとすぐに殺人事件が起こるのです。目の錯覚で屈折によって何十人も出来てしまうので、一人くらい殺しても大丈夫と勘違いして、気に食わない人間を殺しているのです。更にはクリスタルで出来た建物は景観はそれこそ宝石のように美しいですが、台風や地震で直ぐに建物は倒壊して多くの被害者が跡を絶たないのです。でも……クリスタルの世界の住人は,この✨キラキラ輝くクリスタル建造物が自慢で、毎年多くの被害者を出しているにも拘らず、悔い改めて木材や鉄筋の建造物にしようという案が出ても、全く聞く耳を持たないのです。そこで王子の私が四つの世界の神様に御目通りを乞い、功徳を授けて頂こうと旅に出た所だったのです。だが、この『ソープ バブル世界』に降り立ったが、王様も神様も囚われの身らしいのです。それもサタンに囚われているらしいのですが、あの醜い魔女がサタンの家来として一役買っているらしいのですが、今魔女は年に一度の悪魔会議に召集されています。澪さんは本当に運が良い。澪さんチョットこっちに来てくれませんか?」


 そう言って連れて行かれた場所は青い光線が四方から降り注ぎ交わる神秘の洞窟だった。眩いばかりに青い光が多方面から降り注ぎ交わる場所。そこには十字架の丸いボタンの様なものが有った。


「そこで相談なのですが。今まで幾多の宇宙人や人間がこの美しい四つの夢の世界に辿り着こうと試みたのだが、この第一の『ソープ バブル世界』の入り口でシャットアウトされて中に侵入することが、誰一人として出来なかった。だが、どういう訳か澪さんだけはいとも容易く侵入できた。そこで澪さんあなたに相談があるのです。どういう事かと言うと、この夢の四つの世界は全宇宙の宇宙旅行ファンの中では、誰もが夢見るファンタジックな憧れの世界らしいのです。でも今までこの夢の世界に降り立った者は誰もいない。そこで……澪さんあなただけは入れたという事は、あなたには何か……特殊な能力が備わっているに違いない。眩いばかりに青い光が多方面から降り注ぎ交わる場所の、このボタンを押してくれませんか、そしてサタンに侵略されたこの『ソープ バブル世界』から逃げ出しましょう。まだ二十四時間経つまで時間はあります。お願いです。やってみてはもらえないですか?」


「ワァ~~~な―んか怖いなぁ」

 そう言いながらも、澪も時間以内に脱出しないと弾けて消えてしまうと聞いていたので、死ぬか生きるかだ。


「エイ!」

 その十字架のボタンを押した。


 すると”グルルルル” ”ガタンガタン” ”グルルルル” ”ガタンガタン”と音を立てて扉が開き、眩い世界が広がった。


「ワァ~~~なぁ~んだ?これは一体どういう事?急いでその扉から出ましょう」


「本当ね!」


「ここは……ここは……どこだろう?さっきまでのブルー青の世界とは違い、只々眩いばかりですね?」


「アンディどうしたの最初はキサマなんて言っていたのに……急に丁寧な言葉で話し出しちゃって……変でしょう?」


「ああ……それはね最初は悪人かと思ったけど、俺と一緒で迷い込んだと聞いて自分と一緒だと思って、それで俺もここから出たかったから協力して貰おうと思ってね?エッヘッヘッヘ!」


「嗚呼……急がないと……第二の世界に早く辿り着かないと泡の如く弾けて消えてしまうわ」 


「嗚呼……そうだ……そうだ。俺も…二十四時間以内に第二の世界に辿り着けないと泡のごとく弾けると思ったが、四つの世界の住民は関係ないらしい。だけど……澪さんは部外者だから二十四時間以内に辿り着けないと弾けて消えてしまうよ」


「アンディどうしたら第二の世界を見付ける事が出来るの?」


「トム君何か言っていなかった?」


「ああああアアアアアア……嗚呼……そう言えば何か言っていた気がする。ええっと……ええっと……嗚呼……思い出した。そうそう……とほかみえみため……嗚呼……と ほ か み え み た め」


 澪がおまじないをすると、目の前に可愛いお菓子のお家が見えて来た。


「エエ————————ッ❕って事は第二の夢の世界は『お菓子の世界』って事?」


「嗚呼……そうだ。確かに第二の世界は『お菓子の世界』だった!」


 二人は早速お菓子の世界へ侵入した。



 有難うございます!この度は本作を御目に留めて下さり嬉しい限りでございます。もし少しでも気に入って頂けたら作品♡★フォローをお願いします!

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