第9話 自称エリートサラリーマンA氏⑧

 俺はだんだん憂鬱になってきた。炭酸が良くないのかもしれない。炭酸は飲み過ぎると疲労を感じるようになるそうだ。


Xさん:『最近、いつ奥さんとエッチしましたか?』


さっき、初体験はいつかという変な質問をして来た頭のおかしい女の人だった。


俺:『あんたに関係ないだろ?』


俺はかっとなって言い返した。


 正直言って二人目が生まれてからはゼロ回だった。車中泊なんかしている場合じゃない。本当は俺だって離婚したい。でも、子どもがいるから我慢してるんだ。それに離婚したら養育費を取られるか、嫁が家を出て行って、俺が一人で子どもの面倒を見るかになってしまう。日中仕事をしてるのに、幼稚園児の子どもの面倒なんか見れるわけがない。


 何度も考えた。妻と離婚して子どもを引き取って、夜9時頃に保育園に迎えに行って仕事をするっていう生活を。今は無理だ。9時に帰れるかもわからない。もっと遅くまで預かってくれるところもあるけど、子ども朝から晩まで託児所に預ける生活をしたくない。


Xさん:『そういう奥さんって、だいたい浮気してますよね』

俺:『あんた、妻の何がわかるって言うんだよ!』

Gさん:『私も浮気してると思う』

Yさん:『奥さんと話し合った方がいいですよ』

Mさん:『奥さんの浮気許せるタイプですか?』

Qさん:『離婚した方がいいんじゃないですか?』


俺:『キャンプと全然関係ない話になって来たんで…そろそろお開きにしませんか?』


Xさん:『もう、帰っちゃうんですか。暇だから来てるのに』

俺:『暇だからって!もう、夜だし寝ればいいんじゃないですか?』

Xさん:『今から行くから場所教えてください』

俺:『言う訳ねーだろ!』

Bさん:『俺、今からそっち行きますよ』

俺:『Bさんまで!やめてくださいよ』俺も顔が引きつった。

Bさん:『位置情報ばれてますよ』

俺:『え、どこで?』

Bさん:『住所は東京都奥多摩郡〇〇〇〇〇〇😛』


 俺は真っ青になった。確かに合っていた。


俺:『みなさん、ありがとうございました。また更新します』


 俺はその場でその動画を非公開にした。

 そして、車に戻った。

 とりあえず、ここを移動しないと危ない気がした。

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