第88話 教授達との模擬戦
〜side ???〜
アスカとミーシャが
魔術学院からはライアット、ミル、トリスタン、クリスティーナの4名、武術学院からはダンケ、ニック、ウレグス、イリーナ、キャロライン、コナーの6名の教授が参加している。各教授のレベルとスキルは――
【魔法学院】
ライアット レベル76 土操作Lv4 水操作 Lv3
ミル レベル74 風操作Lv4 鑑定Lv3
トリスタン レベル75 炎操作Lv3 氷操作Lv3 雷操作Lv3
クリスティーナ レベル73 水操作Lv4 治癒Lv3
(金髪ロングヘアー、エルフ、美人、優しい)
【武術学院】
ダンケ レベル76 格闘Lv4 身体強化Lv3
(背は普通、茶髪の短髪、筋肉質、彫りの深い顔、あだ名「ダビデ」)
ニック レベル74 短剣Lv4 身体強化Lv3
(背は低い、金髪の短髪、細身、切れ長の目、あだ名「犯罪者」)
ウレグス レベル75 斧術Lv4 身体強化Lv3
(でかい、マッチョ、濃い緑髪、上半身裸、あだ名「セクハラ」)
イリーナ レベル74 剣術Lv4 身体強化Lv3
(白髪ロングヘアー、美人、優しいが切れると怖い、あだ名「女神様」)
キャロライン レベル75 槍術Lv4 身体強化Lv3
(金髪ロール、赤いリボン、気が強い、あだ名「血まみれリボン」)
コナー レベル74 弓術Lv4 身体強化Lv3
(灰色の髪、眼鏡、渋い、紳士的、あだ名「執事」)
もともとみんなレベルは50台だったはずだが、Sクラスの1年生のレベルが高すぎるので、密かに合同でレベル上げをしてきたそうだ。誰もが『この歳になってレベル上げとは……』と思ったらしいが、やってみると昔を思い出して楽しかったらしい。
ところがこのSクラスの生徒達は、必死にレベルを上げてきた教授達をあっさり超えて来てしまったのだ。
まず最初はパーティー別対抗戦の練習をする。対戦チームは以下のチームだ。
Sクラス Aチーム
キリバス、ゴードン、ミスラ、ノア、クラリス
Sクラス Bチーム
ソフィア、アレックス、トーマ、メリッサ、ジェーン
教授 Aチーム
ダンケ、ウレグス、コナー、ミル、トリスタン
教授 Bチーム
イリーナ、ニック、キャロライン、ライアット、クリスティーナ
「ところでキリバス、なぜ武術学院の教授にはみんなあだ名がついているのですか?」
キリバス達から教えてもらった教授の情報に、なぜかあだ名が入っている。しかも、明らかに女性贔屓のあだ名で。これをつけた奴は、絶対もてない男だとソフィアは確信していた。
「覚えやすくていいかなと思って」
キリバスが答える。確かに、初対面の相手と戦う時は覚えやすい方が良いとは思うが……
「ダンケのあだ名が『ダビデ』って、全然変わらんだろ……」
アレックスが鋭い突っ込みをいれる。
「それに、『セクハラ』って、……ププッ、見たまんまじゃない、プププッ!」
そう言いながらミスラは、結構あだ名が気に入っているようだ。
「俺がつけたあだ名に、文句を言うな」
あだ名をつけたのはゴードンだった……
「あなたが時々わからなくなります……」
そんなゴードンに向けて、クラリスが小さな声で呟いた。
チームも決まり模擬戦を行うために、場所を魔法学院の教室から校庭へと移した。ここならば広いので、多少無茶しても大丈夫そうである。
「ではまず、Aチーム同士の模擬戦を行う」
教授達のリーダーであるダンケが進行役を務めるようだ。
教授達は前衛3名、後衛2名でキリバス達は前衛2名、後衛3名である。この組み合わせだと、キリバス達はいかに相手の前衛の数を短時間で減らすことができるかが勝負の分かれ目になるだろう。
そのためにも前衛2人には頑張ってもらって、相手の前衛がこちらの後衛に来ないようにするしかない。その間に後衛で前衛の数を減らしていく作戦のはずだ。
教授達はその動きを読んで、後衛2人は全力で前衛を守りにいく作戦だ。とにかく前衛が1人でも前線を突破できれば、1人で後衛を倒すことも可能だと思っている。
「では、各チーム配置について……始め!」
試合のないライアット教授の号令で模擬戦が始まった。
教授達のチームは、まずはトリスタンが
「
クラリスが魔法を放った瞬間、教授達の間に戦慄が走る。
「詠唱短縮か!」
試合を見ていたライアットが、いち早く反応した。
出発前にアスカにもらった指輪のおかげで、"ホープ"の後衛陣は全員が詠唱短縮を使えるのだ。
クラリスが作り出した竜巻は、全ての矢を巻き込んで、コナーへと向かっていく。石の壁は一瞬で崩れ去り、コナーが慌てて逃げだした。
「竜巻よ、全てを引き千切れ
ミルが同じ竜巻で相殺させようとするが――
「えっ? 何で!?」
ミルが驚くのも無理はない。同じ竜巻のはずなのに、自分の竜巻は霧散しクラリスの竜巻は威力こそ弱まったものの、未だにコナーを追い続けているのだ。
「ぐわぁ!」
コナーが竜巻に飲まれ、空高く放り投げられる。
トリスタンが柔らかい土で作った
その結果、コナーは大きな音を立てて地面に叩きつけられた。命に別状はなさそうだが、気を失っているので最初の脱落者となったようだ。
ダンケとウレグスは驚いてはいたものの、足は止めずにそれぞれキリバスとゴードンの前に立ちはだかる。ダンケは敏捷が上がりやすい【拳豪】の上、身体強化Lv3を持っているので、速さには絶対の自信を持っていた。
向かい合った瞬間に分身拳と瞬発拳を同時に使い、一気に勝負を決めに行く。
しかし、キリバスは装備による身体強化も上乗せされているため、楽々その攻撃を躱し後ろに回り込んだ。ダンケにしてみれば、目の前にいたはずのキリバスが消えたように見えただろう。
「双極斬」
キリバスは無防備になったダンケの背中に、双極斬を放つ。それだけで分身は消え、峰打ちされたダンケは2人目の脱落者となった。
ウレグスは、自分のパワーに絶対の自信を持っていた。相手は同じ斧使いで敏捷が低いことはわかっていたので、パワー勝負になると踏んでいた。
そのため、自分が持てる最大級の技を最初から繰り出す。それは相手も同じだったようで、ウレグスとゴードンの声が重なる。
「「天地衝!」」
上下から襲いかかる、申し分のない威力を持った一撃がぶつかり合う。ウレグスは勝ったと思った瞬間、吹き飛ばされていた。ゴードンの持っている斧はアスカが
前衛が一気に3人も倒れ、教授達は残り後衛2人になってしまう。
トリスタンは色々な属性の魔法を使えるが、残念ながら全てLv3なのでLv4の魔法にかき消されてしまう。ミルの風操作も、相性の悪いミスラの炎操作の前に為す術がない。
ミスラの
こうしてAチーム同士の戦いは、Sクラスチームの圧倒的勝利で終わった。
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