第86話 対抗戦に向けて
〜side ???〜
次の日、魔法学院では対抗戦の説明がライアット教授からあった。今年の対抗戦は、神聖王国クラリリスの聖都クラリリスで開催される。
種目は、特設会場でのパーティー別対抗戦と聖都お抱えの
「この1週間は、武術学院の1年生Sクラス4名とここにいる魔法学院の1年生Sクラス7名で……7名で……アスカはどうした?」
ライアットは目の前の6人の雰囲気が以前と違いすぎることに気を取られ、アスカがいないことに気がついていなかった。
「アスカさんは個人で特訓しております。対抗戦には間に合うかとは思いますが、もし間に合わなくても私達10名で勝利して見せますわ」
(あんなに控えめで謙虚だったソフィアが、ここまで勝利を断言するとは……この6人にいったい何があったのだ?)
ライアットはソフィアがあまりに自信ありげに言うので、それ以上突っ込むことができなかった。
「まぁ、君たちがそう言うなら止めはしないが……今日は6人を3人ずつのパーティーにわける。明日からは武術学院の生徒も合流して、5人ずつのパーティーで3種目の練習を徹底的に行う。そのためにミル教授にも来てもらった」
そう言って鑑定持ちのミル教授を紹介する。
「おはようございます。今日はみなさんを鑑定させてもらい、スキルやステータスから最適のパーティーを組むお手伝いをさせていただきます」
そう言って、相変わらずビシッと決めたスーツ姿で手際よく6人を並ばせ、1人ずつ鑑定していく。
名前 ソフィア・エメラルダ 人族 女
レベル77
職業 大賢者
ステータス
HP 347
MP 410
攻撃力 317
魔力 420
耐久力 302
敏捷 374
運 223
スキルポイント 457
スキル
水操作 Lv4
治癒 Lv3
名前 ミスラ 獣人族 女
レベル 78
職業 魔道士
ステータス
HP 354
MP 393
攻撃力 330
魔力 400
耐久力 318
敏捷 385
運 259
スキルポイント 535
スキル
炎操作 Lv4
雷操作 Lv3
名前 アレックス ハーフドワーフ族 男
レベル 79
職業 魔法使い
ステータス
HP 377
MP 317
攻撃力 377
魔力 322
耐久力 358
敏捷 322
運 285
スキルポイント 614
スキル
土操作 Lv4
鍛冶 Lv3
名前 トーマ 人族 男
レベル 78
職業 魔道士
ステータス
HP 332
MP 385
攻撃力 347
魔力 362
耐久力 342
敏捷 356
運 217
スキルポイント 535
スキル
氷操作 Lv4
雷操作 Lv3
名前 クラリス・フローレン エルフ族 女
レベル 77
職業 大賢者
ステータス
HP 322
MP 367
攻撃力 302
魔力 397
耐久力 305
敏捷 375
運 288
スキルポイント 457
スキル
風操作 Lv4
治癒 Lv3
名前 ノア・フローレン エルフ族 男
レベル 77
職業 魔道士
ステータス
HP 297
MP 425
攻撃力 292
魔力 425
耐久力 277
敏捷 382
運 285
スキルポイント 457
スキル
雷操作 Lv4
光操作 Lv3
(何ですかこれは? この日のためにレベルを上げて来た我々教師陣を、あっさり超えているのですが……見間違いかしら?)
しかし、何度鑑定してみても同じ結果が出るだけだ。
「どうかしましたか? ミル教授」
ライアットもおかしいと感じたのか、何度も目をぱちくりしているミルに声をかける。
「全員のレベルが70台後半なのですが……」
「はいぃ? 何かのお間違いでは?」
ライアットも信じられないといった顔をするが、びっくりするような出来事には耐性があるからか、ミルよりは落ち着きを取り戻すのが早い。
「何度見ても同じ結果なので、間違いないかと……」
結局、ソフィアがこれまでの経緯を説明して、何とか信じてもらえた。教授達を交えた8名でパーティーを考える。何だかんだで1時間ほどかかり、次のメンバーに決定した。
Aチーム ソフィア、アレックス、トーマ
Bチーム ミスラ、クラリス、ノア
最終的に、これのチームに武術学院の2名ずつが加わった5人ずつのチームを作る。アスカがどちらに入るかは、明日、最終的にチームが確定してから決めることにした。
さらにこの後、対抗戦で行われる3種目の細かいルールを確認する。
チーム別対抗試合
・お互いのAチーム同士、Bチーム同士が順番に闘技場内で戦う。
・戦闘不能になるか場外に出されるかギブアップした選手は失格となる。
・全員が失格になると負け。
・装備品の持ち込みは可能だが、アイテムの持ち込みは禁止。
・2チームとも勝利すればその時点で勝利。1勝1敗の場合は、勝ったチーム同士で最終戦を行う。
・気を失う前に治癒できれば失格にならない。
・できるだけ相手を殺さないようにしなければならないが、殺してしまっても失格にはならない。
・両国の教授が一緒になって、神都にある100階まであると言われている四角錐型の
・この争奪戦は全員で行われ、両国が別々の入り口からスタートする。
・相手が先に手に入れた"証"を奪っても構わない。
・パーティーメンバーが揃っていなくても、"証"さえ持ってくれば、持ってきた者が所属する国の勝利。
・装備品の持ち込みは可能だが、アイテムの持ち込みは禁止。
ツェール湿原 クラン対抗戦
・チームごとにくじを引き、くじで割り当てられた場所からスタートする。
・戦闘不能になるか湿原の外に出るかギブアップした選手は失格となる。
・全員が失格になったら負け。
・装備品の持ち込みは可能だが、アイテムの持ち込みは禁止。
・魔物にやられても失格。
・開始から3時間経っても決着がつかない場合は、残っているメンバーの数で勝敗を決める。それでも同数の場合は次の日に再度対抗戦を行う。
ソフィア達は、ルールをしっかり確認して今日の授業を終えた。明日は、クランのメンバーとパーティーを組んで教授達相手に実戦訓練だ。
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