第71話 武術大会①
・優勝 『スキルクリスタル2500』
『
『オリハルコン製の武器―形状自由 "付与"5つ自由に選択』
・準優勝『スキルクリスタル1000』
『オリハルコン製の防具―形状自由 " 付与" 4つ自由に選択』
・3位 『アダマンタイト製の武器or防具―形状自由 " 付与" 3つ自由に選択』
・4位~『
「「「うぉぉぉー!!」」」
「「「きゃぁぁー!!」」」
男性陣と女性陣から悲鳴が上がる。悲鳴の原因はもちろん『スキルクリスタル2500』だろう。
「2500! 2500! 2500!」
キリバスが、オウムのように繰り返している。
「かーくーとーうーLv5!!!」
メリッサは拳を握りしめ、右腕を上げていた。なぜかハンクも一緒に上げている。
「土操作か鍛冶か、くぅー、どっちにするか迷うぜ!」
アレックスは、もう優勝した気でいるみたいだ。
「ゴブキューーン! それって売ったらいくらになるのですか!?」
ミーシャはスキルポイントについてはそれほど興味はないが、金銭的な価値には興味津々のようだ。しかし、久しぶりに独特の叫び声が聞けて心が満たされていくな!
その他のメンバーも妄想状態に入っており、目は虚ろで口は何やらぶつぶつ呟いている。
「それでは、明日、1回戦を行いますので、みなさん今日はゆっくりと休んで体調を万全に整えておいてくださいね」
アスカの一言でいったんお開きになるが、この興奮は収まりそうにない。
こいつらこんなに興奮してたら、今日は絶対寝れないだろうな……
案の定、次の日の朝はみんな寝不足で目の下にクマを作っているが、やる気に満ちあふれているので問題なさそうだ。
「それでは、これよりクラン”ホープ”の武術大会を開催する。1回戦で戦う2人は前へ」
ハンクが開催宣言を行い、そのまま1回戦へと突入する。
1回戦は氷操作Lv4、雷操作Lv3のトーマ 対 格闘Lv4、身体強化Lv3のメリッサだ。
「それでは2人も準備はいいか? ……始め!」
開始早々、身体能力で勝るメリッサがトーマに向かい一気に距離を詰めようとする。
「氷の網よ、動きを封じよ
おそらくメリッサの動きを読んでいたのだろう、事前に詠唱を済ませていた氷魔法が、トーマを中心に触れると凍り付く氷の網となって広がった。メリッサは
「永久凍土よ、敵を閉じ込めよ!
さらに空中で身動きの取れないメリッサに向かって、トーマが作り出した氷の檻が迫る。
「破岩拳!」
だが、メリッサの格闘Lv2の必殺技が、氷の檻を粉々に砕いた。お互いに一歩も譲らず、再び向かい合う。
「雷よ、集いて……」
「瞬発拳!」
「ぐはっ……」
しかし、決着はあっと言う間だった。トーマが詠唱を終えるより早く、メリッサの音速の拳がトーマの腹に突き刺さったのだ。
「悪いね。『スキルクリスタル』は譲れないんでね」
メリッサが、
「勝者、メリッサ!」
ハンクが、元気よくメリッサの勝利を宣言する。
この戦闘は、魔法使いが不利であることを露呈する結果となった。なぜなら魔法を使うものにとって、『詠唱』は必要不可欠であり、その詠唱中に攻撃を防ぐ手段がないと、魔法使いに勝ち目はないからだ。
「2試合目、対戦者は前へ」
しかし、同じく魔法を中心に攻めるであろうノアは、特に焦った様子もなく、落ち着いてハンクの指示に従っている。何か作戦でもあるのだろうか。
「始め!」
ゴードンも身体強化を持っているが、元々の敏捷がそれほど高くないので、ノアよりほんの僅かに速いくらいだ。
「雷よ、集いて弾けよ!
ノアもトーマと同じように、事前に詠唱していた魔法を開始直後に放つ。当然、ゴードンも予想しているので、素早いサイドステップで魔法の範囲から逃れた。
「究極の
ノアの雷操作Lv4魔法の詠唱が始まる。間髪入れず、ゴードンが距離を詰め、必殺技を放った。
「天地衝!」
ノアの頭と足下から、同時に破壊力抜群の一撃が迫る。ノアの妹、クラリスが思わず目をつぶっているのが見えた。
ブゥン!
しかし、ノアを捉えたと思った必殺の一撃は、光操作によって作られた残像によって空を切る。
「……敵を撃て!
そこに、ゴードンでは回避不能の
「勝負あり。勝者、ノア!」
2試合目は、詠唱という弱点を、詠唱なしで使える魔力操作でカバーしたノアに軍配が上がった。
これには他の魔法使いも感心したようで、トーマは自分が思いつかなかったことを悔しがっていた。これによって、また前衛と後衛の力が拮抗し、いい勝負が見られそうだ。
「次のミスラ、アレックスは前に!」
次に呼ばれた2人は、前の2試合目を参考にしながら、頭をフル回転させ作戦を考えているようだった。
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